経理・会計

【飲食店経営】個人事業主の確定申告はどうすべき?白色・青色の違いは?

開店ポータル編集部
2020/07/14
 確定申告とは、所得税の額を自分で計算し、税務署に申告すること。個人事業主として飲食店を経営している場合は、自分で確定申告をしなければなりません。
 個人事業主の確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2つの方法がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。本記事ではその点も含め、飲食店の確定申告について押さえておきたい知識をまとめました。

【飲食店の確定申告】確定申告って何?


 確定申告とは、「自分の所得はこれだけです」という情報を確定した上で、所得に応じて支払うべき税金(所得税)の額を計算し、税務署に申告・納税するまでの作業です。

 会社員の場合、所得税は給与から差し引くかたちで会社が支払ってくれるため、自分で確定申告をする必要はありません。また、払い過ぎた分は年末調整で戻ってきます。ところが、「個人事業主」として飲食店を経営しているオーナーの場合、所得税の額を自分で計算して、自分で納めなければなりません。

 個人事業主の確定申告には、「白色申告」と「青色申告」の2つの方法があり、事前申請の要不要、帳簿のつけ方、特別控除の有無などの点で異なります。

【飲食店の確定申告】白色申告とは?

 白色申告は、事前申請のいらない確定申告方法です。個人事業主として飲食店を開き、何の申請もしなければ、自動的に白色申告となります。
 白色申告の記帳方法は「単式簿記」です。単式簿記とは、取引をひとつの科目に絞って記録するもので、家計簿やお小遣い帳となどでもよく目にする簡易的な記帳方法です。
帳簿の作成が難しくないというメリットがありますが、青色申告のような特別控除や赤字繰越の措置は受けられません。

▼単式簿記 記帳例

日付 勘定項目 金額 摘要
2020年7月1日  消耗品費   1,000   レジロール

【飲食店の確定申告】青色申告とは?

 青色申告は、税務署に事前申請をすることで選べる確定申告方法です。白色申告との大きな違いは、後述のような「特別控除」「赤字の3年間繰越」「減価償却の特例」といった措置が受けられる点です。

 青色申告では、「複式簿記」という少し複雑な方法で記帳しなければなりません。複式簿記とは、ふたつの科目で取引を記録する方法。たとえば、現金でレジロールを購入した場合、次のように「経費の増加(費用の増加)、「現金の減少(資産の減少)」という2つの面から取引を記録します。

▼複式簿記 記帳例

日付  借方  貸方    摘要
2020年7月1日 消耗品費1,000  現金1,000 レジロール
借方…費用の発生および資産の増加を計上する欄
貸方…収益の発生および負債・純資産の増加を計上する欄

【飲食店の確定申告】青色申告を選ぶ4つのメリット

 白色申告と青色申告、どちらにするか迷ったら、青色申告を選ぶのがおすすめです。なぜなら青色申告には、白色申告にはない次のようなメリットがあるからです。

①10万円or 65万円の特別控除を受けられる

 青色申告の最大のメリットは、10万円または65万円の特別控除を受けられることです。
「控除」とは、課税対象となる所得から差し引かれる金額のこと。青色申告をすると、所得から10万円または65万円が差し引かれ、所得が低くなった分だけ税金が安くなるのです。

 控除額が10万円になるのか、65万円になるのかは、記帳の方法で決まります。
白色申告と同様に単式簿記で記帳する場合は10万円の控除ですが、65万円の控除を受けるためには複式簿記での記帳が求められ、日々の帳簿作成が複雑になります。
 しかし、後述するクラウド会計ソフトを使えば複式簿記での記帳が簡単にできるため、この点は問題ないでしょう。

②赤字を最大3年間繰り越せる

 2つめのメリットは、今年の赤字を翌年以降(個人事業主なら最長3年間)に繰り越せることです。

 飲食店を開業するときは、物件取得費や内装工事費はもちろん、厨房機器やインテリアの購入などで高額な費用がかかってしまいます。お店が軌道に乗るまでは赤字も当たり前で、資金繰りが苦しいこともあるでしょう。
 白色申告の場合は、その年が赤字でも翌年が黒字なら、所得税を支払わなければなりません。しかし青色申告で赤字を繰り越せるようにすれば、翌年の黒字から今年の赤字を差し引くことができるため、翌年の所得税が安くなります。

③減価償却せず一気に経費計上できる

 通常、経年劣化をともなう10万円以上の資産(厨房機器やエアコンなど)を購入したときの費用は、数年に分けて少しずつ経費に計上(減価償却)する決まりになっています。
 青色申告の場合、10万円以上30万円未満の資産であれば減価償却をせず、合計300万円まで一度に経費として計上できます。これが、3つめのメリット「減価償却の特例」です。

 冷凍冷蔵庫や製氷機、ガスレンジなど、高額な備品を買い替えるときは、金銭的に余裕のあるタイミングだと思います。利益の多く出た年に高額な資産を購入し、その年の経費として一気に計上できれば、結果的に税金が安くなるのです。

④家族(青色事業専従者)の給与を経費計上できる

 家族経営のお店では、夫(妻)や親(子ども)、兄弟姉妹に給与を支払い、従業員として働いてもらっているケースも多いでしょう。白色申告の場合、配偶者で86万円まで、その他の家族では50万円までしか、家族に支払った給与を経費として計上できません。

 しかし青色申告の場合、申告をする前年の3月15日までに「青色専従者給与に関する届出書」を提出すれば、家族に支払った給料をすべて経費として計上できます。
 ただし「生計を一にする配偶者や家族であること」「その年の12月31日現在で15歳以上であること」などの条件があります。

【関連】家族経営の節税!青色事業専従者給与に関する届出書を提出しよう

【飲食店の確定申告】青色申告は会計ソフトを使えば簡単!

 メリットの多い青色申告ですが、「複式簿記での記帳が難しい」ということで、ハードルが高く感じている方も多いです。しかし最近では、個人事業主の青色申告に対応した会計ソフトが登場しており、初心者でも簡単に確定申告書類が作れます。

確定申告を簡単にしてくれる「会計ソフト」

 青色申告対応の会計ソフトには、インストール型とクラウド型があります。飲食店経営者におすすめなのは、PCやスマートフォン、タブレットから使えるクラウド型の会計ソフト。

 個人事業主になって、はじめての確定申告に不安のある方には、特に『freee』がおすすめです。freeeでは、毎日の売上や仕入れといった取引を入力するだけで、自動で複式簿記で記帳してくれます。あわせて、確定申告のさいに必要な「帳簿」も自動で作成してくれます。領収書の管理から確定申告までスマートフォンひとつでできるため、会計・簿記の知識のない方でも簡単に青色申告ができますよ。
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【飲食店の確定申告】青色申告の申請に必要な書類と提出期限

 個人事業主が青色申告をする場合、開業届とともに「所得税の青色申告承認申請書」を管轄の税務署に提出する必要があります。それぞれ、どんな書類か知っておきましょう。

▼個人事業の開業・廃業届出書(開業届)

 「個人事業主として、商売をはじめた」ということを報告する書類で、国税庁のホームページから用紙をダウンロードできます。提出期限は開業日から1か月以内です。

 開業届を提出することで、青色申告承認申請書に記載する「開業日」を証明することができます。記入をはじめる前に、「開業・廃業届出書」の「開業」に忘れず〇をつけてください。

▼所得税の青色申告承認申請書

 「青色申告をしてもいいですよ」と税務署に承認してもらうための書類で、こちらも国税庁のホームページから用紙をダウンロードできます。
 青色申告承認申請書は、開業日から2か月以内に(開業日が1月1日~1月15日の場合はその年の3月15日までに)提出しなければならないので、余裕を持って記入しましょう。

 また、開業後に白色申告から青色申告に変更する場合は、青色申告をしたい年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出します。

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 お客さまから代金をいただく、食材を仕入れる、水道光熱費を支払う。そういった取引を記録し、お金の出入りを把握する作業を「経理」といいますが、確定申告もまた経理の一部です。

 所得税を青色申告すると、控除による大幅な節税、赤字の繰り越しといった、白色申告にはないメリットが得られます。近ごろでは、会計ソフトによって自動で確定申告書類を作成できるため、青色申告を選ぶハードルは下がっています。

【関連】飲食店経営に税理士は必須?資金調達、会計、財務の悩みを解決する方法とは?

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