閉店手続き

飲食店経営|廃業と閉店の違いは?廃業に必要な手続き・届け出をまとめてみた【相談無料】

開店ポータル編集部
2020/07/10
 飲食店は数ある業種の中でも、特に生き残るのが難しい業界です。開業後2年以内に50%、10年以内には95%のお店が廃業すると言われています。廃業の理由として多いのは「経営不振」ですが、自分や家族の病気、後継者の不在、立ち退きなど、やむを得ない理由でお店をたたむオーナーも多くいます。

 「お店をたたむ」という意味では「廃業」「閉店」という言葉がよく使われますが、このふたつはどう違うのでしょうか?本記事ではこのふたつの言葉の意味の違いと、廃業時に必要な手続きをまとめました。

【飲食店経営】「廃業」と「閉店」の違いを知ろう


「廃業」と「閉店」は混同されがちな言葉ですが、次のような違いがあります。

▼「廃業」の意味

 廃業とは、会社や個人事業主が「自主的に」事業をやめることです。
 たとえば飲食店のオーナーが、高齢で体力的に事業を続けるのが難しい、後継者がいないといった理由から、自らの判断でお店をたたむことなどが該当します。

 一方、「経営不振から廃業に追い込まれた」などのように、事業をやめること自体は自らの判断でも、状況としてはそうせざるを得なかった場合もあります。この場合は「廃業」ではなく「倒産」という言葉で区別されますが、実質的には同じです。

▼「閉店」の意味

 閉店とは「その店舗での営業をやめること」で、実店舗だけでなくオンラインショップになどにも当てはまる表現です。

 多店舗展開している場合は、経営不振などで特定の店舗をたたむことがありますが、そのような場合が「閉店」です。何店舗も運営していて、そのどれかの店舗の営業をやめる場合は「閉店」であり「廃業」ではありません。その店舗が無くなるだけで、事業としては続いているからです。
 しかし1店舗しかないお店では、「閉店」は「廃業」と同じ意味をもつことになります。

【飲食店経営】飲食店の廃業時に必要な手続き・届け出は何?

 開業時には税務署や保健所などの各種機関に届け出をしているため、廃業時にも同じ機関での手続きが必要になります。

①税務署での手続き
②警察署での手続き
③消防署での手続き
④保健所での手続き
⑤ハローワークでの手続き
⑥日本年金機構(年金事務所)での手続き 
⑦労働基準監督署での手続き


 ひとつずつ確認していきましょう。

①税務署での手続き

▽個人事業の開業・廃業等届出書
 「開業・廃業」の「廃業」に〇をつけ、廃業した日から1か月以内に提出します。

▽消費税の事業廃止届出書
 前々年の売上が1,000万円を超える(=消費税課税事業者となっている)場合、廃業後すみやかに提出します。

▽給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
 スタッフを雇い、給与を支払っていた場合、事業の廃止の事実があった日から1か月以内に提出します。その際、「給与支払い事務所等の開設・移転・廃止届書」の「廃止」に〇をつけてください。

▽所得税の青色申告の取りやめ届出書
 所得税の青色申告をしていた場合は、青色申告を取りやめる年の翌年3月15日までに提出します。

②警察署での手続き

 深夜0時から朝の6時までに主にお酒を提供する飲食店(バーや居酒屋など)だった場合は、開業時に「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出しています。
 廃業時には管轄の警察署で「廃止届書」をもらい、廃業日から10日以内に提出します。

③消防署での手続き

 「防火管理者選任(解任)届出書」の「解任」のほうに、廃業日を解任日として記入して提出します。用紙は所轄の消防署でもらえます。提出期限は特に定められていません。

④保健所での手続き

 管轄の保健所へ「廃業届」を提出します。用紙は保健所の窓口でもらえますが、HPからダウンロードできるところも多いです。
 また、廃業届を提出するときに、飲食店営業許可書も返納します。営業許可書の原本を紛失してしまった場合は、必ず管轄の保健所にその旨を伝えてください。

 提出期限は廃業日から10日以内というところが多いですが、地域によって異なるので必ず保健所に問い合わせて確認しましょう。

⑤ハローワークでの手続き

 雇用保険に加入している事業主だった場合は、ハローワークへ次の届け出が必要となります。
▽雇用保険適用事業所廃止届
 廃業日から5日以内に提出します。

▽雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書
 廃業の翌日から10日以内に提出します。どちらも、ハローワークインターネットサービスから用紙をダウンロードできます。
 「雇用保険被保険者離職証明書」は3枚複写式の専用用紙で、ハローワークの窓口で直接もらうことも可能です。

⑥日本年金機構(年金事務所)での手続き 

 雇用保険や健康保険に加入している事業主だった場合は、「雇用保険適用事業所廃止届の事業主控」のコピー、および「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」を廃業日から5日以内に、管轄の年金事務所に提出します。用紙は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。

⑦労働基準監督署での手続き

 雇用保険、労災保険のいずれかの労働保険に加入する事業主だった場合は、「労働保険確定保険料申告書」を廃業日の翌日から50日以内に提出します。申告書は厚生労働省から送られてくるはずですが、紛失している場合は管轄の労働基準監督署から再度郵送してもらいましょう。
 提出先は、管轄の労働基準監督署および都道府県労働局、全国の銀行や信用金庫、郵便局です。

【飲食店経営】廃業以外に「居抜き売却」「M&A」という選択肢も


 廃業すると、これまで築き上げてきたお店としてのブランド力、経営ノウハウや独自のメニュー、お客さまとの関係性といったものがすべて消えてしまいます。
 廃業を選ぶ前に検討したいのが、「居抜き売却」「M&A」というふたつの方法です。

①居抜き売却

 居抜き売却とは、原状回復工事をせず、内装や厨房機器などの造作設備をそのまま次のテナントに引き取ってもらう方法です。原状回復工事が不要であるため、退去時にかかる費用を抑えることができます。
また、解約予告期間内に次のテナントに引き渡せば、空家賃を支払わずに済みます。次の借主から、造作譲渡料を受け取れることもメリットでしょう。

 ただし居抜き売却をする場合は、貸主の了承を得る必要があります。自力での交渉に不安がある場合は、居抜き売却専門の業者に相談してみるのがおすすめです。

【関連記事】撤退、店舗を手放すその前に!「かしこい閉店」の3つの方法

②M&A

 M&Aとは「Merger(合併)& Acquisition(吸収)」の略で、飲食店におけるM&Aはおもに「事業譲渡」を指します。

 M&Aでは、店舗、賃貸借契約、内装設備といった「有形のもの」だけでなく、ブランド力、取引先との関係、経営ノウハウといった「無形のもの」まで譲渡対象になります。ここが居抜き売却と異なるポイントです。
 居抜き売却が「お店を引き継ぐ」というイメージであるのに対し、M&Aは「商売そのものを引き継ぐ」というイメージです。

 M&Aに関しても、インターネットで検索すると専門の仲介事業者が多く見つかります。

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 「廃業」とは、オーナーが自らの判断で事業をやめることで、ある店舗での営業をやめる「閉店」とは違う意味を持つ言葉です。1店舗しかない飲食店では、「閉店=廃業」となってしまうことがほとんどです。
 開業時と同じように、廃業時も各機関で必要な手続きをこなさなければなりません。各種書類の提出期限をしっかり確認し、漏れのないよう記入を進めていきましょう。

 廃業するのが心苦しい場合は、居抜き売却やM&Aによって、新しいオーナーに事業をバトンタッチする方法もあります。自分にとって、そしてお店にとってどの方法が適しているのか、よく検討した上で事業に幕を引きましょう。

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