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飲食店で悪質なクレームを受けたら?対応マニュアルを大公開

開店ポータル編集部
2021/04/08
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飲食店をはじめ、接客業において避けて通れないのがクレームです。どんなに気を付けていても発生してしまう店舗のミスや不手際によるクレームだけでなく、身に覚えのない理不尽なクレームを受けることもあるでしょう。

 

最近では、新型コロナウイルスに関連した苦情から、悪質なケースに発展するクレームが多くなっているようです。感染への不安や長引く自粛生活のストレスから、今後クレームがさらに過激化する可能性も否定できません。

 

そこで本記事では、飲食店で悪質なクレームを受けたときの対応マニュアルをご紹介します。様々なケースを想定したクレーム対応策を意識していきましょう。

飲食店で受けがちなクレームの対処法

飲食店におけるクレームは年々増加しているといわれ、飲食店スタッフの悩みの種とも言えます。飲食店で「言ったことがある苦情・クレームの内容」の調査では、「待ち時間」に関することや「異物混入」に関する内容が多いようです。



(出典:消費者行動に関する実態調査https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20171221.pdf?v0110)

 

まずは、クレーム対応の基本的な4つの手順を確認し、具体的なケースと対処法をみていきましょう。

 

① 相手の「心情を理解」し、ご不便をおかけしたことを「お詫び」する

② 何が問題になっているか「原因・事実確認」を行い、事実関係を把握する

③ 問題の「代替案・解決策」を提示する(要求や要望の確認も含む)

④ 再度「お詫び」をし、ご意見に対して「感謝」する

 

・待ち時間が長い

時間の長さの感じ方は、一人ひとり異なりますが、入店してから席につくまでの時間や食事が提供されるまでの時間は気になるものです。時間がかかる場合は先に一言沿えるだけでも、クレーム発生を未然に防ぐ事ができます。

 

また、飲食店における待ち時間は、単に時間の長さだけではなく、次のようなこともクレームのきっかけとなる可能性もあります。。

 

  • 空席があるのに席に案内されない
  • ほかのテーブルに比べて、食事が提供されるまでの時間が長い

 

店側としては、さまざまな理由があるかと思いますが「この店はサービスが悪い」「接客態度が悪い」などと否定的な感情を持たせてしまったことだけでも、謝罪に値することと受け止めた方が良いでしょう。飲食店は食事を提供するだけではなく、それぞれのニーズに沿った快適な空間と時間を提供するものです。昼食休憩時間のランチ10分と、デートのディナー10分では受け取り方が全く変わってきます。お客さまの待ち時間が長いというクレームに対して、真摯に受け止め、自店舗のサービスの見直しをすることで「サービス改善」のきっかけにもつながります。

 

・異物混入

野菜に小さい虫が付いていたり、お皿に髪の毛が入っていたりといった、異物混入のクレームが発生することもあります。飲食店の苦情に関する弁護士への相談事例の中で、多いものの1つが、この異物混入のクレーム事案だそうです。

クレームがあったときにはまずは謝罪し、すぐに新しいものと交換しましょう。ただしお客様によっては気分を害して退店してしまうこともあります。その際は無理に引き留めるなどせず、代金をサービスするなど誠意が見える対応をとってください。この時の対応次第でお客様がまたお店に足を運んでくれるかどうかが決まるといっても過言ではありません。

 

また、異物混入でやってしまいがちなミスが謝る前の「事実確認」です。「それ、どこに入っていたんですか?」と即座に質問したり、「本当ですか?」という視線をおくるような対応はお客様に対し、良くない印象を与えてしまいます。前述の待ち時間の時と同様に不快感を与えてしまったことに対し、お詫びをする姿勢を示すことが重要です。間違ってもお客様を疑うようなことは厳禁です。

 

・腹痛や食中毒

飲食店のクレームのうち、対応方法を誤ると問題化するリスクが大きいケースが、飲食店で提供した料理によりお腹を壊したという腹痛や食中毒の疑いのクレームです。このようケースでは、謝罪して、飲食店側において初回の治療費を負担することを約束し、診断書の提出を依頼することが原則です。謝罪で済むケースではなく、場合によっては飲食店経営の存続にも関わることを意識し、誠意を持った慎重な対応が必要です。

 

 ①事実を確認する。

 (お客様の症状・発病日時・飲食店への来店の日時・飲食店への来店人数・当日食べた料 理・来店者が複数の場合、誰に症状が出ているか・お客様の連絡先)

 ②謝罪する。

 ③初回の治療費の支払いを約束し、診断書を依頼する。

 ④原因を調査する。

 ⑤調査の結果、店の料理が原因でない場合は、お客様に報告する。

 ⑥店の料理が原因の場合は、慰謝料等の支払いが必要になることがある。

 

他にも、様々な予期せぬトラブルからクレームに発展する可能性もあります。

 

 ・料理や器で火傷を負ってしまった

 ・お客様の洋服にこぼしてしまった

 ・会計時に釣銭を渡し間違え、高く受け取ってしまった

 ・店員の態度が悪く不快な思いをしたとクレームがはいった

 ・予約をしていたはずなのに、来店したら席が用意されていなかった  など

 

飲食店で起こるトラブルには、お客様過失のものあり、店に責任はないのでは?と感じることもあるでしょう。しかし、どのようなトラブルであっても、もし起こってしまったら最大限の対応をして、お客様が嫌な気分のまま立ち去ることが無いように努めてください。

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飲食店での悪質なクレームとは?


お店側に非があるならば、当たり前ですが真摯に謝罪して、問題を解決しなければいけません。しかし中には、悪質なクレーマーがいるのも事実です。昨今では、店舗や企業にに悪質なクレームや理不尽な要求を突きつける「カスタマーハラスメント」(カスハラ)の存在が社会問題化されているほどです。

 

飲食店経営者向けにおこなった「カスタマーハラスメントに関するアンケート調査」では、約6割以上の飲食店が、執拗に謝罪を迫られるなどのカスハラを経験しているというデータが出ています。このことから、悪質なクレームは、たまたま事故にあったという感覚ではなく、決して他人事ではない問題と言えるでしょう。



(出典:飲食店リサーチ カスタマーハラスメントに関するアンケート調査 https://www.inshokuten.com/research/magazine/article/28)


 

それでは、飲食店の悪質なクレームに対する対処法を見ていきましょう。

・長時間にわたり延々と説教をおこなう

お客からの端的な指摘や注意であれば店舗側としても気を付けるようになり、逆に店舗側が落ち度に気づくこともあったりと有効な場合もあります。

しかし、一つの不注意に対して長時間従業員に説教をする、延々と暴言をまくしたてる、悪質なものになると土下座を強制させるなどは十分カスタマーハラスメントに該当します。

 

従業員が悪質クレーマーに拘束されることで店舗側のオペレーションが滞り、他のお客様に迷惑がかかるなど営業妨害ともいえるでしょう。

一定の時間が経過したら他の従業員やマネージャーが間に入る、あまりにもひどい暴言や態度の場合は毅然とした態度をとる、場合によっては警察を呼ぶなど対策を考えておく必要があります。

 

・料理の作り直しを強要する

オーダーミスなどお客様への注文を店舗側が間違えてしまった場合、料理の作り直しが発生することがあり、必要に応じて迷惑をおかけしたお詫びとして何かしらサービスすることがあります。このようなオーダーミスや料理の作り間違いなどは飲食店では起こり得ることですが、逆に店舗側としては何ら落ち度がないのに料理の作り直しを強要されることがあります。

 

確信犯の場合は、ほとんど完食の寸前に、「期待していた味と違った」「私の口に合わない」「注文したけど気が変わった」など、お客様のわがままから始まりエスカレートしていくケースもあるようです。また、店舗側に落ち度がないので作り直しを断ると暴言を吐かれたり場合によっては暴力を振るわれるなど、カスタマーハラスメントに該当する行為がおこなわれます。

 

こちらも同様に、店舗側としては落ち度がない分毅然とした態度で臨む必要があり、場合によっては営業妨害として警察に連絡する必要があるでしょう。


 

・閉店時間になっても居座り続ける

居酒屋など特にお酒を取り扱っている店舗は、営業時間が過ぎているにも関わらず長い時間居座り続けるお客様もいます。

お酒が入ると気分が盛り上がり話が尽きないなど様々な理由がありますが、店舗側が注意しても無視をして居座り続ける場合はカスタマーハラスメントの可能性があります。10分から15分くらいであればまだ店舗側としても許容範囲と言えますが、1時間やそれ以上ともなると店舗側が閉店後にやるべきこと、オペレーションなどに大きく影響してしまいます。

誠意をこめて閉店時間を伝え促しても、それを逆手にとり「店員の態度が悪い」「客に対してその態度はなんだ」など暴言につながることもあり、いかに閉店時間を浸透させるかが大切になります。


飲食店スタッフのクレーム客対応法 基本の流れを覚えよう

飲食店で悪質なクレームを受けた時の対応のポイント


通常のクレームはお客さまの声、期待値のあらわれと捉え、ここでしっかりと対応すると信頼を得てファンになってもらうこともできると考えていきましょう。しかし、悪質なクレームを受けた時に備え、対策やポイントは予め準備をしておくことをおすすめします。

 

・まずはとにかく「謝る」

最初から悪質なクレームだと決めつけてはいけませんので、まずは通常のクレームと同じ対応で誠意を示して謝りましょう。また、「謝罪=損害賠償」ではありません。謝ると過失を認めることになると店側がかたくなに謝罪を拒む場合がありますが、得策ではありません。

 

実際、「すみませんの言葉もなく腹が立った」「一言謝ってくれたら済んだのに」というお客様は少なくありません。謝ったからといってすべての法的な責任を負う、多額の賠償金を払うといったことにはなりません。事実関係が不明で、先方の勘違いかもしれなくても、まずはお手間を取らせていることに対して「すみません」とちゃんと謝っておきましょう。

・感情的にならない 

クレーマーに長時間拘束され、罵声を浴びるなど、理不尽な言動に振り回される場合もあるでしょう。しかし、どんな時も冷静に対処することが重要です。

感情を煽られつい、言い返したくなることもありますが、それをすると焦点がずれてしまいます。例えば始めは「料理に異物が入っていたかどうか」で揉めていたのに、「店長が罵倒した」と問題がすり変わってしまうのです。どんな言いがかりも絶対に議論せず、「ご意見として承りました」でとにかく押し通してください。挑発されても議論しないことが鉄則です。

・録音かメモを取る 

お客様との「言った・言わない」を避けるため、会話の記録を残して置きたいものの、無断録音はプライバシーの侵害にあたるのでは、と不安に思うこともあるでしょう。

録音自体は違法ではありません。ただ、公開するかどうかは別です。当事者同士の会話の内容を録音するわけですから、第三者が勝手に録音する盗聴とは違います。

クレーマーは揚げ足を取ったり細かい人が多く、「あの時言ったじゃないか」になりがちです。録音データがあればベストですが、少なくとも備忘録として“いつ誰がどんな対応したのか”メモを取って残しておくのがベターです。何度もクレームを言ってくる客の場合は、録音も視野に入れておきましょう。

・遮らない・反論しない

筋が通らない、堂々巡りの話が続いても、お客様の言い分を聞くことが重要です。遮ると、「話もできなかった、聞き入れられなかった」とさらに揉める原因にもなりかねません。何を言われても「貴重なご意見として承りしました、上に報告させていただきます」と相槌をうっておきましょう。

・その場で回答しない

早く場を収めたいと、つい「なんとかします」などと言ってしまいがちです。そうすると「なんとかするって言っただろう!」とヒートアップしていく可能性があります。「自分では判断できません」と回答は後日に持ち越すのが得策です。その場でのやりとりでは熱くなりますので、冷却期間を置きましょう。また、すぐ判断できる権限の人が出てくると、「じゃあアレもしろコレもしろ」と要求がエスカレートしがちですので、経営陣が対応するのは避けましょう。とはいえ、小規模な店舗は経営者自身が対応せざるをえないこともあります。その場合は、あくまでカスタマー担当者として接し、経営者だと名乗らないのもひとつの手法です。


悪質なクレーム対応マニュアル


飲食店においては悪質なクレームは頻繁にあるわけではないので、マニュアルやガイドラインを作っておくと安心です。よくある事例、来店中、電話、ハガキといったようなそれぞれのケースに応じて大まかな流れを決めておきましょう。スタッフ全員が、いざという時に閲覧して確認できるように準備し、常備しておくことをおすすめします。

 

具体的なシチュエーションごとの対応方法を明示すれば、現場の従業員はいざというときに迅速な対応ができるようになるでしょう。

 

・電話対応の場合

お客様が帰られたあとに電話でクレームを受けることもあります。電話でのクレーム対応はお客様の顔が見えない分、温度感や表情が読み取りづらいのが特徴です。そのため、声のトーンに気を配りながら相手の心情を読み取る努力が必要です。

 

またこちらの誠意を示すために相づちにバリエーションをつけたりと、電話対応だからこそのテクニックが求められます。そして、相手と話していて「おかしいな」と思ったら、早めにモードチェンジすることが大切です。途中で唐突なガチャ切りはいけません。「誠に申し訳ございませんが、いま結論を出すことはできませんので、一度電話を切らせていただきます」「申し訳ございませんが、私どもではそのようなご要望にはお応えできかねます」と断りを入れてから切りましょう。

・対面での対応の場合

難しい理不尽な要求をしたり、「誠意を見せろ」などあいまいな表現を繰り返す悪質なクレームと判断した場合は、はっきりと「NO」を突きつけ、それ以上取り合わないことも重要です。理不尽な要求には「そのようなご要望にはお応えできません」と伝え、要求がはっきりしない場合は「これ以上は対応できません」と言い切って問題ありません。そのまま放置しましょう。

 

それでも問題行為が続くようであれば、クレーマー本人に通告したうえで業務妨害が起きていると警察や弁護士に連絡するのが最終手段です。悪質なクレーマーに「訴える」と言われても、「構いません」と伝えて問題ないのです。食中毒など人命に関わる重大な過失であれば別ですが、軽微な過失に対して過剰な要求をするクレーマーが、費用や時間をかけてまで裁判を起こすとは考えにくいでしょう。


クレーム対応の基本は「謝罪」と「誠意のみえる対応」!

まとめ

今回は、飲食店で悪質なクレームを受けたときの対応マニュアルをご紹介いたしました。

クレーマーと呼ばれる悪質な一部の人たちを除き、ほとんどのクレーム客は普通のお客様です。まずは、どんなクレームにも、まずは誠心誠意に対応する姿勢を示し、何に対して不満をもたれているのかを真摯に聞き出すことで、クレームからリピーターになる可能性もゼロではありません。

そして、想定できる範囲のクレームは、対応法をマニュアル化して、従業員全員が対応できるように体制を整えておくことも大切です。

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