【北海道・旭川】何年経っても蘇る味を求めて!『手作りうどん杉』が生み出した唯一無二の手打ちうどん

北海道・旭川市。JR旭川駅から車で15分のところに、大きな“杉”の文字の看板が見えてきます。
こちらが、今回ご紹介する創作うどんのお店『手作りうどん杉』です。札幌で長年愛されてきた『手打ちうどん処杉』が、2017年7月6日、旭川に移転オープンしました。今回取材に応じてくれたのは、二代目店長の杉山さんです。先代のお父様が生み出した、オリジナルうどんについて熱く語っていただきました。

縁あって旭川に帰ってきました

現店長の杉山さんのお父様、先代の店長が『手打ちうどん処杉』を始めたのは、今から16年前。杉山さんのお母様と夫婦二人で始めたのが、この創作うどん屋の始まりです。それまでずっとサラリーマンだったお父様は、定年後にオリジナルレシピでうどんを打ち始めます。当時、杉山さんは紳士服の会社のサラリーマンで、日本各地を飛び回る生活をしていました。しかしお父様がご病気をして、治療に専念することに。そこで杉山さんは会社を辞め、3年ほど店を手伝い修行したそうです。

昨年9月のこと、お父様の体調が回復して戻ってこられた時「これからどうしよう」という話になりました。札幌は、仕事の都合で住み始めたのがきっかけ。札幌の店舗は狭く、設備にも問題があり、使いにくいと感じていたことから「思い切って旭川に帰ろうか」という話になりました。友人知人にそのことを相談すると「帰って来いよ」「できることは手伝うし」と、沢山の応援が!そこから一年経たずして、旭川に移転オープンすることになったのは、ひとえに周りの人たちとのご縁があったからこそだと、杉山さんは語っておられました。

店舗づくりも沢山のご縁が

そのオープンに至るまでの準備も、沢山のご縁に導かれます。たまたま何の気なしに物件を見に行った際に知り合った不動産屋さんが、杉山さんのお父様のことを昔からよく知っている方だったそうです。そんなご縁もあり、他の物件を探すまでもなく新店舗が決定しました。
店舗の内装にはあまり手を加えず、厨房は使いやすいように改装しました。設置したコンロは、その数12台!これは、うどんを茹でるのに13分かかるため。一人分ずつ丁寧に茹でて作っているので、他にサイドメニューも調理するとなると、そのぐらいの台数がないと間に合わないのだそうです。

客席のテーブルや椅子は、すべて旭川で新調したもの。特に、料理をお出しするまでの時間もくつろいでいただけるように、空間づくりに気を配りました。カウンターは取り払い、特注のテーブルを用意。2m50cmの巨大テーブルは、店の自慢。こちらはどうしてもこのサイズが欲しく、色々な業者に掛け合いましたが、大きすぎてなかなか請け負ってもらえませんでした。しかし、ここでも素敵なご縁に恵まれます。知人から、札幌の家具屋さんを紹介してもらいました。その家具屋さん、わざわざ旭川に来てくれただけでなく、破格の料金で請け負ってくれたのです。人と人とのつながりを大切にしてきた杉山さんだからこそ起きた、運命的な巡り合わせが『手作りうどん杉』のオープンを後押ししてくれました。

▲店自慢の特注テーブル

オリジナル製法のうどんは北海道の土地に合わせて

『手作りうどん杉』のうどんは、一般のうどんとは作り方が全く違います。まず、粉を捏ねるための塩水の濃度が薄いのです。そして、一般的に常温の塩水で捏ねるのに対し、こちらのうどんは塩水の2/3は熱湯を使用するというもの。これは、寒さ厳しい北海道の気候に合わせた製法。水の温度が夏と冬では全く違うので、温度を一定にするために先代が考えられたコツなのだそうです。それを、残り1/3の常温の水で冷まして捏ねます。
そして、うどんというと足で踏むイメージがありますが、これも同店では手で捏ねるというこだわり。足で踏むよりも力は劣りますが、その分細やかな調整ができるので、手捏ねにこだわっています。さらに今日打った生地は、一日熟成させて翌日切ります。なんとお店で茹でて出すのは、さらにその翌日。まる2日熟成させるのです。
そんな特殊な製法を経て作られる麺は、毎日違う表情を見せてくれるといいます。杉山さんは、毎日まかないでうどんを食べ、その出来栄えを研究しているのだそうです。

先代のお父様がこの麺にたどり着いた背景を探るには、製麺工場を経営していたおじい様の代まで遡るのではないかと、杉山さんは考えているそうです。しかもその製麺工場を起業したのは、おじい様のお父様というのですから、歴史を感じずにはいられません。
自身が幼い頃に食べていた麺をお父様が再現し、そして今、息子がオリジナル麺と共にお店を守る…代々続く味が『手作りうどん杉』を支えています。

カードタイプのお品書きで原材料表示

こちらのお品書きもまた個性的です。こちらの、一品一品切り離されたカードこそがお品書きなのです。カードの裏には原材料が表記してあるので、アレルギーのある方は前もって確認することができます。お客様目線に立った、細やかな心配りが光ります。
また、どれもおススメで一番なんて決められない!ということもあり、一覧型ではなくカードにしました。メニュー名だけでは想像できない個性的なラインナップだからこそ、生まれたアイデアですね。

夏でもうどんは鍋焼きが人気

いざ営業が始まり、統計を取ってみると、意外な傾向がありました。冬でも夏でも一番人気は、“鍋焼きうどん(980円)”!鍋焼きうどんと言えば、冬限定の人気メニューと思いがちですが「うどんと言えば、鍋焼き!」という、こだわりのお客様も多くいるようです。

▲野菜あんかけうどん(830円)

2番人気は、野菜あんかけうどん。「うどんなのにあんかけ?」という斬新なこのメニュー。杉山さんのお母様が、あんかけ料理が大好きということから生まれました。前の店舗の頃から16年間愛され続けている看板メニューです。麺は、いまだかつてないほどモチモチして弾力があり、こだわりが感じられるうどんです。

▲ぶっかけかしわおろしうどん(780円)

人気第3位は、ぶっかけかしわおろしうどん。かしわ(鶏肉)と大根おろしを煮込んで一晩寝かせます。翌日煮凝りになったかしわを上に乗せ、つゆをかけていただくうどんです。つゆは濃くなく、最後は出汁で割りスープのように飲むことができます。
元は、お父様がお酒のつまみに食べていたものを、メニューに盛り込みました。甘じょっぱく煮込んだかしわを、大根おろしでサッパリいただくことができる、一味違った独自のうどんメニューですね。

つゆおにぎり(小200円・大350円)という個性的なメニューは、出汁で炊いたご飯を焼きおにぎりにして、さらに出汁に浸した状態でお出しするメニュー。ある日小さなお子様が焼きおにぎりを、出汁の中に入れて食べているのを見て「子供ならではの食べ方だな」と思った杉山さん。それがまた思いのほか美味しいのですが、大人はちょっと人目を気にしてしまいそう。だったら、メニュー化してしまおうと思いついたそうです。今では、大人も喜ぶ人気メニューの仲間入りです。

他にも、様々なオリジナルメニューがラインナップされていますが、そもそも定番のメニューは、あえて外しているのだとか。きつねうどんやたぬきうどんなどは、意外と人気がなく、“ここでしか食べられないオリジナルメニュー”を、お客様は求めていると考え、このようなスタイルにしているそうです。季節ごとにメニューを入れ替えているので、いつ来ても、新鮮さとワクワク感が味わえますよ。

「うどんの打ち方も我流なので、普通のうどんと違うかもしれないけれど、興味があったら食べてください。何年経ってもあの味が蘇る…そういううどんを作りたい」と語る杉山さん。この旭川の大地に根を張って、長く愛される店づくりを目指しています。
わざわざ足を運んででも食べてみる価値アリの、ここでしか味わえない“唯一無二の創作うどん”です。

【店舗情報】

  • 店舗名  手作りうどん杉
  • 住所   北海道旭川市忠和5条1丁目6-15
  • アクセス 最寄バス停:忠和5条1丁目 旭川駅から車で16分
  • 電話番号 0166-86-0318
  • 営業時間 平日11:00~15:00(夜は要問合わせ)
    土日祝11:00~15:00 17:30~20:00
  • 定休日  水曜日 第三木曜日
  • HP   https://udonsugi.amebaownd.com/