【愛知・名古屋】「ふだん着」のタルトにこだわる洋菓子店『タルトストーン』
華やかなパティスリーのケーキも素敵だけれど、おやつに食べたくなるのは、近所のケーキ屋さんの素朴なケーキ。名古屋市西区にある『タルトストーン』は、なんでもない日に食べたい、「ふだん着」のタルトにこだわる洋菓子店です。
お店に並ぶのは、飾らず、気取らず、素材のおいしさを引き出したお菓子たち。いちご、ショコラ、ベイクドチーズ…。オーナーのやさしさが詰まったタルトやケーキが、ショーケースの中で輝いています。
パティシエになったのは、「なんとなく」
オーナーの米倉さんは、10代のころにパティシエを志し、県内のさまざまなお店で修業を重ねてきました。
レストランのパティシエ、洋菓子店のセントラルキッチンの統括役などを経て、2018年8月に独立。地元・名古屋に『タルトストーン』をオープンしました。
「昔からお菓子づくりが好きだったわけでも、ケーキ屋さんになるのが夢だったわけでもないんですよ。」と米倉オーナー。この業界に飛び込んだ理由は「なんとなく」なのだと、笑って話してくださいました。
当時は洋菓子の専門学校がなかったため、調理師学校で製菓を専攻したのだとか。現在では洋菓子協会に加盟し、パティシエとしてますます活躍なさっているそうです。
タルトの色が映えるシンプルな店内
オープンして1年足らずの『タルトストーン』ですが、すでに多くのリピーターを抱えています。
「層としては、30代や40代の方が多いかな。ありがたいことに、ご近所さんが何度も来てくださるんですよ。地域の人に支えられてるのを感じて、いつもうれしく思っています。」
タルトストーンとは、タルト生地の空焼きに使う道具の名前。ふくらまずに平らに焼きあがるよう、生地の上に敷き詰める石のことです。なにか、タルトを連想させるものの名前をつけたい…と考えて、ひらめいたのだとか。
内装は、「とにかく、ラフな感じに!」と工務店にお願いしたそう。コンクリート打ちっぱなしの壁は、この建物ができたときのままです。無機質な建物だからこそ、タルトや焼菓子のかわいい色が映え、あたたかい空間になっていますね。
同店は、このエリアではめずらしい2階建てのケーキ屋さんです。1階は5坪ほどしかなく狭かったため、キッチンを2階につくりました。
しかし、フロアをまるごとキッチンにするわけにもいきません。そこで、イートインをつくり、お客さまがくつろげるよう工夫したそうです。外の光がふんわり差し込んで、居心地がいいですね。
窓際のカウンターでは、ふかふかのソファにからだを預けて、お菓子とドリンクを楽しむことができます。そんなくつろぎタイムのおともには、ミルクたっぷりのチョコレートドリンクがおすすめ。甘すぎないので、タルトと相性抜群ですよ。
11:30~13:30の間は、タルトやドリンクのほか、手づくりキッシュのランチプレートを提供しています。ちょっと遅く起きた休日、ブランチを食べに訪れるのも素敵ですね。
店内には、『スター・ウォーズ』の帝国軍のコスチュームが。米倉オーナーは、帝国軍のコスプレ姿で活動する団体のメンバーとして、募金活動などのボランティアをしています。
「ディズニーにも承認されてる団体で、世界中に支部があるんですよ。あのコスチュームも、僕のサイズに合わせてつくってもらってます。」
お店のSNSには、マスクをかぶってタルトをつくる米倉オーナーのお茶目な姿が。もちろん、ふだんは素顔で接客しているので安心してくださいね。
飾らない、気取らない、手づくりのタルト
『タルトストーン』のショーケースには、季節のフルーツで彩られた、ふだん着のタルトやケーキが並びます。
「気をつけているのは、旬のフルーツを使うことくらいかな(笑)。」そう話す米倉オーナーのこだわりは、こだわらないこと。華やかなケーキよりも、やさしさの詰まった手づくりケーキが、地域に求められているからです。
家庭でつくるお菓子は、砂糖1gの違いでも味が変わります。でも、一度につくる量が多いケーキ屋さんにとっては、1gや2gの違いは微々たるもの。そのかわり、オーブンの温度や焼き時間は、プロのさじ加減で調節します。
看板商品は、お店の名前をつけたチーズタルト・“タルトストーン”です。とろりと中身がとけ出すレアの焼き方は、職人の腕がなせるワザ。濃厚でクリーミーなおいしさに、ファンの多い一品です。
一番人気の“マダム”(420円)は、タルト生地に、紅茶風味のスフレチーズと、マスカルポーネのムースを敷いたタルト。なめらかなチーズ生地とサクサクのタルト生地がマッチして、癖になるおいしさです。
『タルトストーン』では、生菓子はすべてアルコールフリーです。リキュールなどの洋酒を使っていないので、お子さまも安心して食べることができますね。
「いつもキッチンに入りっぱなしだから、お客さんとゆっくり話せなくてもどかしいです。でも、“あの方、よく来てくれてますよ~”って、スタッフが教えてくれるんですよ。」
近所にお住まいでも、まだ来店したことがない方は多いそう。そんな人たちにも、こころを込めてつくるタルトをぜひ食べてほしいと、米倉オーナーは話します。
カジュアルさとラフさを大切にしたお店づくり
お店を長く続けるためには、自分がつくりたいケーキばかりではなく、お客さまが食べたいケーキをつくらなければなりません。
「やっぱり、ケーキ屋さんで働くことと、自分でケーキ屋さんを経営することは違いますね。今後は、そうだなぁ…チャンスがあれば、もっと大きいところにお店を移転したいです。」
米倉オーナーのもうひとつの夢は、ダイナーを開くことです。ダイナーとは、食事だけでも、コーヒー1杯だけでもOKの自由なお店。タルトはもちろん、フードやドリンクなども提供し、お客さまに思い思いに過ごしてもらえる空間をつくりたいのだとか。
そのときも、パティシエとして大切にしている「カジュアルさとラフさ」を忘れずに、お店づくりに励みたいと話してくださいました。
うれしいことがあった日のおやつにも、しょんぼりした日のごほうびにも。『タルトストーン』のお菓子があれば、いつでもあなたをハッピーにしてくれますよ。
店舗名 | タルトストーン |
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住所 | 愛知県名古屋市西区那古野1-3-16 |
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電話番号 | 052-433-8686 |
アクセス | 名古屋市営地下鉄鶴舞線丸の内駅(8番出口)から徒歩8分 |
営業時間 | 10:00~20:00 |
定休日 | 火曜日 |
ホームページ | https://cafe-22379.business.site/ |