【東京・駒込】気分は江戸へタイムスリップ　『骨董カフェ 陽』は美しい骨董品を実際に使用できるカフェ

　価値ある品物を手に、価値ある時間を過ごせる…そんな素敵なお店が、駒込駅からほど近い場所にあります。それが今回紹介する『骨董カフェ 陽（ひなた）』。2017年4月にオープンしたお店です。こちらは、骨董品の食器に盛り付けたスイーツや食事を楽しめる“骨董カフェ”という珍しいスタイルのカフェです。店内で開催される、季節ごとの骨董品の展示も見応えがありますよ。昼は高品質のコーヒーと手作りケーキを、夜はおばんざいと旬の日本酒を、美しい骨董品とともに、どうぞ。

貴重な骨董品を活かしたカフェ

　『骨董カフェ 陽』があるのは、JR駒込駅から徒歩２分ほどのところ。オーナーの伊東さんは、お父様がこれまで70年ほどかけてコレクションしてきた骨董品の数々をどうにか活かす方法はないかと考えていた折に、この物件と運命的な出会いを果たし、骨董カフェを開くことにしたそうです。店名の『陽（ひなた）』には、骨董品を陽の目に当てるとの意味と、“ひなたぼっこ”するようにお客様にのんびりくつろいで欲しいといった願いが込められています。

美しい骨董と和やかな空間に惚れ惚れ

　落ち着いた風合いの壁に浮かび上がる“骨董カフェ 陽”の文字を目印に、店内へ。扉を開けると広がるのは、懐かしい雰囲気の漂う和やかな空間です。日本で初めて作られた柱時計や野山の風景が繊細に描かれた大皿など、江戸時代から大正時代にかけて製作・使用されていた貴重な骨董品が並びます。中には、シーズンごとに“徳利”や“かんざし”といったテーマを設けて展示されているコーナーもあります。ひとつひとつの骨董に秘められた逸話も伊東オーナーが紹介してくださるので、とても興味深いひと時を過ごせます。

　テーブル８席、カウンター６席が設けられていて、親しい人と来店するもよし、一人でゆったりするのにも最適です。昼間はカフェ、夜は完全予約制の和食コースとお酒が楽しめる同店。訪れる時間帯によって楽しみ方も多彩なのが嬉しいですね。

ここでしかできない体験が話題

　スイーツやお食事が盛り付けられているのは、“骨董の器”。なかなかお目にかかれない価値ある骨董品が実際に使用できる点こそ、お店の最大の魅力です。骨董好きはもちろん、骨董品の醸し出す独特な雰囲気の中でくつろぎたい方、日本の文化を勉強中の海外からの留学生など、多くのお客様が“骨董に触れる体験”を求めて来店するそうです。

高品質のコーヒーと手作りケーキ

　昼の時間に提供しているコーヒーは、巣鴨のコーヒー豆専門店と協力し作っている特製のオリジナルブレンドを一杯ずつハンドドリップで淹れています。豆は、特定の産地で採れる高品質のものだけを使用しており、芳ばしい香りとコクを楽しめます。スイーツは、専属のパティシエによる手作りの品が揃います。濃く抽出したエスプレッソをアイスにかけるアフォガードや、ふわふわ食感がたまらないシフォンケーキなど、どれも魅かれるものばかりです。

　人気が高いのは、自家製のラムレーズンをアイスにかけた一品です。パティシエが厳選したラム酒にレーズンを浸けているのがポイントで、お酒の風味がよく効いた大人のためのスイーツに仕上がっています。

旬野菜のおばんざいと日本酒も

　夜には、完全予約制で和食のコースとお酒を楽しめます。料理は、長年季節料理店を営んでいた伊東オーナーのお母様がつくる、旬の野菜を使ったおばんざいをいただくことができます。コースは７〜９品ほどが付いて3,000円と、破格の値段です。どのお皿も日本人でよかったと思える優しい味わいが堪能できますよ。お酒のセレクトは、料理の内容に合う、店内の展示テーマに沿った銘柄をその都度仕入れているそうです。さらに、提供時には江戸時代で使われていた“蕎麦猪口”を用意してくれます。300年以上の時を過ごした風格ある蕎麦猪口でいただく日本酒は格別です。

“気に入ってくださるのが嬉しい”

　伊東オーナーは「ありがたいことに、みなさん素敵なお客様ばかりが集まってくださり、この雰囲気や骨董の良さを気に入ってくれています。父への親孝行のつもりで開店したこのお店ですが、私自身も本当に充実した日々を過ごせていて、お客様がそんな店を褒めてくださる、それが何より幸せです。」と話してくださいました。

　お店では、“蕎麦と日本酒”や“水餃子と日本酒”といった組み合わせを楽しむイベントも開催している他、骨董の販売も定期的に行っています。みなさんも長い時間を歩んできた骨董に触れて、その時代にタイムスリップしているかのような貴重な経験ができる『骨董カフェ 陽』を訪れてみてはいかがでしょうか。