【北海道・発寒】明治からつづく伝統の味が楽しめる『元祖雷除 志ん古』で、古き良き和菓子の魅力を

 札幌市西区、西野グリーン公園のそばにある『元祖雷除 志ん古(がんそかみなりよけ しんこ)』は、150年の歴史を持つ小樽の名店『雷除 志ん古』の味を継承している和菓子屋です。同店の看板商品は、もち米とうるち米のみで丁寧に作った大福。さらりと上品な十勝産の餡が、本物の味わいを引き立てています。季節ごとに変わる桜餅や草餅、秘伝の醤油を使った醤油だんごなど、職人の魂がこめられた和菓子が愛されているお店です。

明治時代から続く老舗の和菓子店

 店主の藤野戸さんは、本家の味を守り続けて3代目。伝統の技を受け継ぎ、ご家族でお店を経営しています。
 「小樽にある本家は今、4代目となる弟が営業してるんです。のれん分けの形で俺が中央区にお店を出して、二十五、六年くらい続けてたかな。本当は移転のタイミングでお店とたたむつもりだったけど、息子が“あとを継ぎたい”って言ってくれてね。嬉しかったし、俺の代で途切れなくて本当に良かったなって。」
 2017年9月、中央区からこちらに移転オープンした『元祖雷除 志ん古』の歴史は、明治時代にまでさかのぼります。もともとは藤野戸さんのひいおじい様が、お城の近くでおもちの行商をしていたのが始まりでした。


 気になる『雷除 志ん古』の由来は、“明治時代、雷で停電したときに蝋燭に火をつけ、もち米のふかし時間を計っていたこと”。そして“雷が鳴っても口から離れないくらい、コシが強い餅だから”など、いくつかの説があるようです。この屋号は、先代からずっと引き継がれてきたものだそうですよ。

 「前からなじみのお客さんは、今でもたくさん来てくれてるんですよ。西野に移転することは全然宣伝しなかったから、今後はこの辺りの人にももっとお店を知ってもらうのが目標かな。」
 心を込めて仕上げる和菓子を、お客様が“美味しい”と喜んでくれるのが、藤野戸さんの何よりの幸せだそうです。

昔ながらの素材と製法で丁寧に

 『元祖雷除 志ん古』では、毎朝7時くらいから仕込みが始まります。大きな窯ではお米がふっくらと炊き上がり、厨房がふわっと温かな湯気に包まれます。
 こちらのお餅を食べると、まずコシの強さに驚きます。それは、もち米とうるち米のみを使用し、昔ながらの機械で丁寧についてねばりを引き出しているから。保存料などは一切使用していないので、その日に作ったものは次の日は売りません。
 

 厨房一の働き者がこちら、昔ながらの機械“どんつき”です。数ある和菓子屋の中でも、どんつきが現役で稼働しているお店は少ないそうですよ。
 「これを使うとね、コシが違うんだよ。今の機械じゃ作れない滑らかさが出るし、その日の気温とかを見ながら人の手でつき具合の調整ができるんだ。ただ、動かすと朝からすごくうるさいから、お隣さんのいない物件に入れて本当によかったよ(笑)。」と藤野戸さん。

 開店時間の9時には、ショーケースにずらりと和菓子が並びます。手間暇かけているためたくさんは作れず、毎日お昼ごろには売り切れてしまうのだとか。

職人の技が光る繊細なお菓子

 「他のも美味しいけど、やっぱりうちで一番食べてほしいのはこれだね!」と藤野戸さんが胸を張るのは、看板商品の大福です。創業当時からこだわっている十勝産の小豆を使った餡は、少し塩味が効いたさらりと上品な味わい。こしあんと粒あんの2種類が用意されています。大福はずっしりと大ぶりで、お餅を食べている満足感がしっかり味わえます。柔らかな食感は、昔ながらの手作業でつきたてを提供しているからこそです。藤野戸さんが摘んできたよもぎをたっぷり使う、上品な香りのよもぎ大福も見逃せません。

 小樽の本家が大福専門店であるのに対し、『元祖雷除 志ん古』では大福の他にも串だんご、すあま、桜餅などが店頭に並びます。品ぞろえは季節で切り替わり、ひな祭り、子どもの日、お彼岸など時期によって異なるお菓子と出会えます。
 醤油だんごは、とろみのあるみたらしではなく、さらさらの醤油たれを絡めるのが同店ならでは。100年以上継ぎ足してきた、秘伝の醤油が使われています。甘さが抑えられ、醤油の味が生きた人気商品です。ごま、砂糖、塩を振りかけたシンプルなごまだんごもおすすめですよ。

 店名を冠したお餅“雷除志ん古”は、赤、白、ごま、豆、草の5種類が揃います。うるち米を挽いた上新粉から作っていることが名前の由来です。こちらは夏限定の商品なのだそうですよ。
 また、お正月用ののし餅や、誕生祝いの紅白餅の注文をいただくこともあるそうです。普段のお茶菓子としてだけではなく、“特別な日だからこそ食べたい”と、多くのファンに愛されるお店となっています。

一度味わえば、きっと違いが分かる

 店内には簡単なイートインコーナーがあるので、購入した和菓子をお茶とともに楽しむことができます。お買い物のついでに訪れて、ひと息つくのもいいですね。
 「俺も68になるからそろそろ引退だけど、お店はこれからだしね。次の代が技をしっかり引き継いでくれて、安心して任せられるようになるまではがんばるよ。」と笑顔の藤野戸さん。代々続く老舗の看板を背負い、丁寧に、そして正直に菓子づくりに励んでいます。

 「一度食べて、他のお店との違いを比べてみてほしいな。餅のコシにもあんこの味にもこだわっているから。みんなに“ここのは本物だね!”って言ってもらえる自慢のお菓子を、これからも作り続けていくよ。」と藤野戸さんは語ってくれました。

 職人の魂がこもった、こだわりの和菓子に出会える『元祖雷除 志ん古』。素朴ながら歴史の深い大福を、一度味わってみて下さい。

店舗情報

店名 元祖雷除 志ん古
住所 北海道札幌市西区西野4条3-4-1
電話番号 011-671-3644
アクセス 地下鉄東西線発寒南駅から徒歩約20分
営業時間 9:00~売り切れ次第終了
定休日 火曜
URL https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010204/1056792/