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【北海道・札幌】和菓子職人のオーナーが実直に作る『小樽和菓子工房 游菓』のどらやきは優しい美味しさ

 小樽駅から徒歩5分、中央通りから折れた道沿いにそのお店はありました。今回紹介する『小樽和菓子工房 游菓(ゆうか)』は、小樽の歴史的建造物・旧塚本商店の1階にオープンしたお店です。同店で販売されている小樽地鶏の卵など道産の食材を使ってふんわり仕上げたどらやきや種類豊富なフルーツ大福が、手土産や地元の方のおやつとして愛されています。お菓子作りにかける熱い想いを語ってくれたのは、生粋の和菓子職人、オーナーの青木さんです。

長年の修業を経て、満を持しての独立

 「昔からお菓子を作るのが大好きだったので、それ以外の仕事に就くのは考えられませんでした。」そう話す青木オーナーは、生まれも育ちもここ小樽。高校卒業後に和菓子の世界に身を投じて以来、老舗の和菓子店で計28年もの修業に明け暮れたといいます。長年、菓子職人としての道を歩み続け、満を持して独立。今年4月27日、こちらに『小樽菓子工房 游菓』ののれんを掲げることとなりました。

周囲の助けに支えられながらオープン

 同店の入る旧塚本商店は、呉服商の店舗として大正時代に建てられた、歴史ある建物です。歴史を感じる佇まい、そして和菓子屋さんに申し分ない落ち着いた雰囲気に、青木オーナーは一目で心惹かれたのだとか。「内装や設備は大工の友人にお願いして、カウンターやショーケースも手作りしてもらいました。建物の雰囲気を壊さないよう、もとからあった内装を活かして仕上げています。」

 職人としてお菓子を作り続ける一方で、全く接客の経験がなかった青木オーナーは、“作って、そして売る”ことの難しさに頭を悩ませたこともあったそうです。
「お菓子ができたら、それをお店に出せばいいだけ…と思っていたけど、いざやろうとなるとできないんですね。夜から仕込みをして、朝から売るとなると身体も持たなくて。家内に頭を下げて、店番を頼みましたよ。」奥様や友人をはじめ、周りには助けてくれる人がこんなにいたのか…と嬉しさを噛みしめたそうです。開店時には、お店が埋もれてしまうくらいのお祝いの花が贈られたのだそうですよ。

地鶏の卵を使ったどらやきの優しい甘さ

 『游菓』に来たらまず味わいたいのは、お店の焼き印がチャームポイントのどらやき(150円)です。優しい甘さの生地には小樽地鶏の卵が使われており、小麦粉、小豆に至るまで道産の素材にこだわっています。3日に1度しか生まれない小樽地鶏の卵は、鶏の体内で蓄えられた滋養がたっぷりで、黄身を箸でつついてもなかなか割れない弾力があるのだとか。その力強さが、生地のふんわり感をより一層引き立てているのです。

 オーソドックスな小豆のどら焼きの他、自分でカスタマイズできる“おてもりどらやき”(170円)も見逃せません。こちらは抹茶クリーム、生クリーム、粒あん、苺クリーム、カスタードから中身をお好みで選び、自分で挟んで楽しめるどら焼きです。粒あん+苺クリームですっきりと、カスタード+生クリームでシュークリームのように、など組み合わせてみるのも楽しいですね。

 生どらは冷凍販売で提供しているので、半解凍してアイスサンドのように食べるのがおすすめです。もちろん、完全に解凍し、トロリとしたクリームと餡のハーモニーを楽しむのもOKです。お好みの頃合いを見計らって食べてみて下さいね。

フルーティーな変わり種大福

 同店のもう一つのイチ押しは、フルーツを使った変わり種大福です。こちらのパイン大福は、白あん+パインという意外な組み合わせが斬新、なのにしっくりくる不思議な一品。生パインの甘酸っぱい果汁を白あんの素朴な甘さが受け止め、未体験の味わいが発見できる大福です。

 シャインマスカットは、銀座の高級果物店ではひと房何千円もするプレミアムなマスカット。甘くて香りが良く、皮まで食べられるのが特徴です。『游菓』では、このシャインマスカットの粒を求肥の中に閉じ込め、贅沢なシャインマスカット大福として提供しています。

 求肥の白と美しい黄緑のマスカットのコントラストも素敵ですね。

 冷凍みかん大福は、解凍具合によってシャリシャリ、ジューシーの2つの食感が楽しめます。フルーツ系といえばいちご大福しか知らなかった…というあなたも、一度味わえば必ずハマる爽やか大福の数々をぜひお試しください。大粒の栗の渋皮煮を丸ごと包んだマロン大福もおすすめですよ。

「自分の作ったお菓子を食べて、お客様に“美味しい”と喜んでもらえればそれだけで嬉しいんです。王堂の品ぞろえは守りつつ、他の和菓子屋さんでは買えないような変わり 種も登場させて、飽きのこないお店にしていきたいです。」と意気込む青木オーナー。店内にはイートインスペースもあるので、購入したお菓子をお茶と一緒に楽しむことができます。和菓子の王道、安心の美味しさの豆大福や蓬大福も忘れずに味わって下さいね。

まずは実直な和菓子作りに励みたい

 青木オーナーの30年近い和菓子職人のキャリアに反し、『游菓』はまだオープンして1年足らず。心機一転、今度はオーナーとしてお店と共に歩み始め、がむしゃらに頑張っている最中なのだそうです。これからの店舗展開など、将来のことはおぼろげだけれど、まずは実直に和菓子作りに励んでいきたい、とのこと。
「堅苦しいお店ではないので、肩肘張らずに立ち寄っていただければ嬉しいです。お土産を買いにも、ちょっとお茶したいときも、美味しいお菓子を作ってお待ちしていますよ。」と笑顔の青木オーナー。

 運河やガラス館、オルゴール堂…魅力でいっぱいの小樽にできた新しい和菓子屋さん『小樽和菓子工房 游菓』。観光客にも地元の方にも愛される、素直なお菓子に出会えます。近くにお越しの際はぜひ立ち寄り、その美味しさを確かめてみてはいかがでしょうか。

店舗名 小樽和菓子工房 游菓(おたるわがしこうぼう ゆうか)
住所 北海道小樽市色内1-6-27 旧塚本商店 1F
電話番号 0134-55-5747
営業時間 9:00~18:00
定休日 木曜日
ホームページ https://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010601/1056487/