【福岡・小倉】九州に新風を吹き込む『ガンダーラ KUSINA』の多国籍料理！

※現在は閉店しています（2020年3月）

　2017年12月、北九州モノレール平和通駅前の商店街にオープンした『ガンダーラ KUSINA』は、関東に2店舗を構える多国籍料理のお店です。元気いっぱいの笑顔あふれるマネージャーの中村幸子さんにお話をうかがいました。

社長との縁がきっかけで飲食店経営へ

――中村さんは飲食の世界が長いんですか？

　「私はもともと自衛官で、その後は専業主婦だったので、飲食の経験はバイト程度です。3年前に主人が亡くなって、職探しをしているときに社長と出会いました。彼はパキスタン人で、本業は中古車の解体と部品の輸出なんですけど、面接のときに自分の店を持ちたいという夢の話をしたら、店とシェフを用意してあげるから経営をやってみなさいと言われて、それで千葉の成田でインド料理のお店を始めました。成田の方はまあ、なんとか軌道に乗せることができて。」

――すごい！ドラマみたいなお話ですね。

　「社長は車のほかに不動産の売買とか、いろいろやっている人なんですよ。中東では日本の車がすごく人気で、走行距離18万ｋｍの車の部品でも喜んで買ってくれるんですよね。今、中古車の買い付けで人気なのが九州全域なので、この辺りにも縁があるんです。同業者の方にこの場所を紹介してもらったこともあって、お店を出すことになりました。ここのシェフのラシードさんは、インドに限らずいろんな国の料理が作れるんです。母国パキスタンの料理がメインですけど、サウジアラビアやインドネシアの料理も上手なんですよ。」

北九州ではキーマカレーが人気

――福岡市内にはネパールカレーのお店がいくつかあって、何件か取材したんですけど、パキスタンのカレーって全然違いますね。ネパールカレーはスープに近い感じでしたが、ここのカレーはドロッとしていて具材がしっかり煮込まれていて、あまみもあって。こんなに違うものとは思いませんでした。

　「本物のカレーはインドとかパキスタンだと思います。ネパールはちょっと違いますね。スパイスなどの材料はそれほど変わらないけど作り方が違いますね。同じイスラム教徒の国だからハラール食材の店から仕入れると思うけど…ナンもお店によって全然違いますよね。薄くてカリカリのところとか、しょっぱいのとか。スリランカやネパールは甘いのがありますよね、チョコナンとか。でもインドやパキスタンでは甘いナンは作らないんですよ。」

――確かに、ネパール料理のお店はデザートっぽい甘いナンを何種類も置いているところがありますね。やっぱり土地によって違うんですね。

　「こんな小さい日本の中でも独自の食文化がありますよね。関東ではバターチキンカレーが人気だったし、ラム肉も良く出たけど…ここではキーマカレーが人気です。この辺りは「ラムは臭いから」っておっしゃる方も多いし、土地によって好みもだいぶ違う印象ですね。」

おすすめは野菜のカレー

――それにしてもカレーの種類が多いですね～。中村さんのオススメはどれですか？

　「そうねぇ、サーグチキンがオススメかな。サーグって言うのはホウレンソウのことで、色がきれいなんですよ。玉ねぎとか野菜がたくさん入っていてヘルシーだし。カレーになると野菜嫌いの人でも匂いとか気にならなくなるから良いですよね。昼間はカレーのセットが良く出るけど、夜はお酒を飲む人が多いから、タンドリーとかシシカバブとかをつまみにしている人が多いですね。あ、それからパコーラもすごくおいしいです。」

――パコーラ？どんな料理なんですか？

　「インドやパキスタンの野菜の天ぷらです。あ～、でもラシードさんはタンドゥール料理が専門だから、タンドリーも食べてみてほしいな。チキンティッカとかカバブとか！インド料理にもいろいろあって、タンドゥールって言うのは釜の意味なんですよ。釜で作る料理のことで、ナンはタンドゥールで焼くけど、チャパティはフライパンで焼くの。チャパティに野菜や肉をくるんで食べる料理がチャパティロールカバブで、これはテイクアウトにオススメです。」

――テイクアウトもできるんですか？

　「もちろん！デリバリーもOKです。成田では出前館っていうサイトを使って良くデリバリーをしてました。北九州は出前館の知名度があんまり高くないみたいだけど。平凡かもしれないけど、とにかく自信を持っておいしいと言える料理だけを出しているお店です。2018年2月15日には東京の西神田に、もう１店舗オープンします。インドネシア料理のミーゴレンやナシゴレンも評判が良いので、ぜひ一度食べに来てください！」