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北海道

【北海道・厚別】みんなの居場所を目指した『手打ち十割そば屋酒 空のかおり』で手打ちのこだわりそばを堪能

 閑静な住宅街のなかに、夫婦で営むそば屋がオープンしました。その名も『手打ち十割そば屋酒 空のかおり』。丹精込めて打ったそばや、一品料理やお酒、さらにはコーヒーにデザートまで楽しめます。

 オープンして間もないながら、早くも口コミで評判となってきている同店。あたたかい雰囲気のなかで味わえるこだわりのそばを求めて、一人また一人とお客さまが訪れます。

 サラリーマンから転身してお店をオープンした、ご主人の佐藤さんにお話をうかがいました。

一冊の本との出会いがターニングポイントに

 もともとは会社勤めのサラリーマンだった佐藤さん。特にそばが大好物だったわけではないそうです。では、何がきっかけとなってそば屋への転身を決めたのでしょうか。

――そば屋をはじめることにしたのはなぜですか?

 「直接的な理由としては、12年ほど前にたまたま読んだそばの本の存在が大きいと思います。あとは、海外での経験もきっかけの一つになっているかもしれません。学生の頃スポーツ系の大学に在籍しており、進路を決めるときにたまたま青年海外協力隊の募集を見かけたんです。体育系の教員になるか海外に行くかで悩みましたが、教員ならいつでもチャレンジできると考え、卒業してすぐ海外へ。日本とは違う価値観や生活スタイルなどを体感し、そこから人生観や物事の考え方が大きく変わっていきました。」

――本との出会いや価値観の変化から、そばに対する見方が変わっていったのですね。

 「もともとそばを食べ歩いていたわけでもなければ、特別好きなわけでもありませんでした。でも、子どもからご年配の方まで性別や世代関係なくみんなに愛されているのを見て、その魅力はなんだろうと不思議に思ったんですよね。それに、学生時代に手打ちのそばやうどんのお店でバイト経験があったため、いつか自分もやってみたいと思ったことがありました。時が経ってその気持ちはすっかりしぼんでいましたが、本を読んだことで再度膨れ上がっていったんです。」

――なるほど。そこからどんどんのめりこんでいったと。

 「一度ハマるととことん突き詰めたくなるタイプなので。そばに関する本を読んだりインターネットで検索したりと、勉強がてらとにかくずっと調べていましたね。将来的には奥さんとお店を開きたいと話をしていたことや、そば屋を開いて職人として生きることへの憧れもあったことから思い切って会社を辞め、48歳で修業をはじめました。」

“やりたい”を実現したお店

 修業に励みながら、資金集めのためにアルバイトもこなしつつ物件探しをおこなっていた佐藤さん。なかなか時間を割くことができないなか、ようやく今の物件を見つけられたといいます。

――この場所を選んだ決め手はありますか?

 「隠れ家とまではいかなくても、路面店ではない、ひっそりとした場所で開きたいと思っていたんです。ここなら駐車場のスペースもあって、条件的にちょうどよかったので決めました。初めて来店される方でも“こんにちは!”と気軽に入れるような、堅苦しくない空間づくりを目指しています。」

――確かにあたたかみのある雰囲気を感じられます。店名にはどのような意味が込められているのでしょうか?

 「空は四字熟語の色即是空からとっています。あとは、空を見ていると、嫌なことを忘れられたり昔のことを思い出せたりしますよね。二ヶ月ほど入院していた時期にずっと空を見ていたんですけど、とても不思議だなと思って。お店を開くときには空を店名に入れようと決めていたんです。」

十割そばならではの食感と香りがポイント

 主にそば粉の種類によって、いくつにも種類がわけられるそば。そのなかでも、同店は十割そばにこだわっています。

――十割そばはよく聞きますが、いったいどのようものですか?

 「そばをつくるときは通常、小麦粉をつなぎにして生地をつくります。ところが、十割そばの場合はつなぎを使いません。生地の10割がそば粉なので、十割そばと呼ばれているんです。そしてつなぎの割合が一割、二割と増えていくと、九割そばや二八そばに変わります。食感や香りが全然違ってくるので、そこを楽しみながら味わっていただきたいです。」

――なるほど!十割蕎麦を選んだ理由があれば教えてください。

 「そばについてインターネットで調べていた時、十割そばは打つのが難しいわりに利益が少なく、仕事にするのは大変だと書かれているのを見つけたんです。ふつうはそこで考え直すのかもしれませんが、僕はそれを見れば見るほどやらなければならない使命感にかられ、あえて選びました(笑)。」

長居したくなるラインナップ

 『手打ち十割そば屋酒 空のかおり』とだけあってイチオシはもちろんそばですが、同店ではあわせて一品料理やお酒、コーヒーなども楽しめます。

――そばはどのようなメニューがありますか

 「メインは、空のかおりセットです。十割そばと小鉢やサラダなどがセットになったもので、こちらを注文されるお客さまが多いですね。単品なら、十割もりそば、粗びきそば、合盛りそばの三種をご用意しています。粗びきそば九割そばとなっているため、違いを食べ比べられる合盛りそばもけっこう評判が良いです。」

――食べ比べできるのは惹かれます。そば以外の料理も楽しめるのですね。

 「珍しい地酒などお酒をいくつか揃えているので、それにあう一品料理をご用意しています。そばがきやそば揚げなどそばにアレンジを加えたものや、季節の食材をつかったものなど。食事の時間をゆっくりと楽しみながら召し上がっていただけたらうれしいです。」

――コーヒーやスイーツもあって、まるでカフェのようです。

 「そば屋ではありますが、カフェ感覚でいつでも気軽にご利用いただきたいと思っています。ちょっと一休みしたいときや甘いものが食べたくなったときでも大歓迎ですので、ぜひお立ち寄りください。淹れたてのコーヒーや自家製のスイーツでゆっくりとティータイムをお過ごしいただけたらと思います。」

みんなの居場所になりたい

 一人ひとりと向き合い、お客さまを大切にしている佐藤さん。その想いや姿勢が伝わり、お客さまから愛されるお店になっています。

――営業していて良かったと思うことはありましたか?

 「たくさんの出会いがあることですね。毎日いろいろな方が来店されるので、とても楽しいです。あとは、来店してくださった方々がお店を気に入って、僕たち夫婦を応援してくれることです。人って誰かを応援すると自分も元気になれるじゃないですか。お互いに元気を与えあえる、そんな場所になれているのかと思うとうれしいです。ここにくるまで時間はかかってしまいましたが、良さをわかってもらえると、お店をはじめて良かったと思えます。」

――ありがとうございます。最後に、今後のビジョンを教えてください。

 「孫の代まで来ていただけるような、地域に根差した長生きなお店にしていけたらと思います。100歳まではそば打ちを続けていくことを目標にしているので、実現できるよう頑張ります!地域の方や、たまたまここにたどり着いた方。年に一回でも何回でも。蕎麦でなくコーヒーだけでも。好きなときに好きなだけ、好きな用途でご利用ください。」

 お客さまにとって、そして佐藤さんにとっても居場所となるようなお店づくりをしている『手打ち十割そば屋酒 空のかおり』。店内にはピアノが置いてあるため、ゆくゆくは演奏会などイベントを開催することも検討しているのだとか。

 おいしいそばを堪能するだけでなく佐藤さん夫婦にも会いに行きたくなる、そんな素敵なお店です。ぜひ一度足を運んでみてください。

店舗名 手打ち十割そば屋酒 空のかおり
住所 北海道札幌市厚別区厚別東4条6-3-1
電話番号 011-898-5215
アクセス 夕鉄バス 厚別東小学校前バス停留所から徒歩10分、JR函館線森林公園駅から徒歩14分
営業時間 11:30~20:00 / 月曜日 11:30~15:00
定休日 火曜日
ホームページ https://www.soranokaori.com/
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