【東京・赤土小学校前】下町の商店街に突如現れたヨガスタジオ『Chacra』

　東京きっての下町・荒川区には、他の区と比べて未だに商店街文化が根強く残ります。その中に、決して目立ちはしませんが、庶民の台所としてひっそりと続く商店街があります。

　その名も「熊野前商店街」。観光客の多い谷中商店街などとは異なり、ローカル色どっぷりの、地元民に愛されるこの商店街に、周りのお店と比べると明らかに異空間に見えるお洒落なヨガスタジオ『YOGA & NAIL Studio Chacra』がOPENしました。

　いったいなぜこの地に？ そしてYOGA & NAIL とは？
　今回はオーナーであり、ヨガインストラクター兼カラーセラピストの斎藤典子さんにお話を伺いました。

この商店街に活気を取り戻したい

　大型スーパーやネットショッピングの台頭もあり、日本では商店街の過疎化が急速に進んでいます。熊野前商店街も例外ではなく、昼間でもシャッターの閉まっているお店が目につきます。

　この街で育った斎藤さんはなんとかこの商店街に勢いを取り戻したいと考え、この地でヨガスタジオをオープンさせることにしました。そしてお店をオープンするだけに留まらず、様々なイベントも開催し、2017年10月には商店街の様々な飲食店などとタッグを組み、2,000人以上を動員した「ヨガフェス」を催行しました。

　この場所に2,000人を動員と聞くと誰もが驚くことでしょう。ヨガによって身も心も商店街も元気にしてしまう斎藤さんのパワーには思わず脱帽してしまいます。

気軽に体験できるアットホームなヨガ教室

　店内はお洒落で清潔感があり、中に入ると心安らぐ音楽が聞こえてきます。レッスン費用は、パーソナルレッスン50分が2,000円、グループレッスン40分（最大6名）が1,000円と破格。その上、1回のレッスンから受けることができるので、買い物ついでに気軽に行くこともできます。（要予約）

　そしてさらに驚かされたのは、なんと定休日がないということ。そう、斎藤さんは月曜日から日曜日まで休むことなくレッスンを行なっているのです。

　そこでとっさに湧き上がった疑問が「体調を崩すことはないのか」ということ。聞いてみると、「インフルエンザにかかったこともないし、最後に風邪をひいたのも覚えていません」とのこと。ヨガが体の内部にも影響を与えていることをまさに身をもって体現していると言えますね。

単なるヨガスタジオではない！？

　このヨガスタジオの一番の特徴は、お店の奥にネイルサロンとフェイシャルエステサロンが併設されていることです。実はこのヨガスタジオはネイリストとフェイシャルエステティシャンの知人との共同経営。ヨガで体を温めてから、フェイシャルエステを受けることができるなんて、女性にとっては天国のような場所です。

　また、斎藤さんはカラーセラピストでもあるため、カラーセラピーの授業を受けることもできます。そしてこのレッスンでカラーセラピストの資格まで取得することができるというから驚きです。このこじんまりしたアットホームな空間で誰がこんなにも多くの体験ができることを予想できるのでしょうか。

繋がりを大切にするスタジオ

　ヨガのレッスンをしたい人はもちろんですが、ここにはエステを受けたい人、ネイルをしたい人、カラーセラピストになりたい人と様々な人がやって来ます。その上、イベント好きな斎藤さんは、お料理教室とコラボをしたりフェスまで開催したりしてしまうため、たくさんの地域の方とここで繋がることができます。

　ヨガの語源に“繋がる”という言葉があるように、ヨガやイベントを通して多くの地元民が繋がり、商店街全体にもポジティブな影響を与えていることが肌で感じ取れます。このマルチプルなスタジオと、勢いを取り戻しつつある熊野前商店街の今後に、注目しないわけにはいきません。

■文、写真・片岡力也