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【東京・宮ノ前】下町でカタルーニャの味を。住宅街に突如現れた本格バル『Pino de Comer』

 下町情緒溢れる東京都荒川区。なかでも宮の前付近は昭和の雰囲気が残る住宅街となっており、付近にある商店街はいつも活気に満ちあふれています。飲食店は街の中華屋料理店や定食屋、スナックに喫茶店など、どちらかと言うとレトロなお店が街を彩ります。
 そんな宮の前に2018年2月5日、他のお店とは異なり、良い意味で宮ノ前っぽさのないモダンなバルが誕生しました。その名も『Pino de Comer』。横文字のお店が少ないこの地では、店名・外観ともに異彩を放っているのは間違いありません。オープンから8ヶ月、地元の方々からの支持も厚く、早くも人気店の仲間入りを果たしているようです。

荒川区とは思えない、欧州を彷彿とする店内

 お店にたどり着いた時モダンな外観を見て少し驚きましたが、店内はそれを上回るほどお洒落でカジュアルな雰囲気をまとっています。木目調で揃えられており、木のぬくもりが伝わってきますね。高級感あふれるソファーや一枚板のカウンターテーブルも主張しすぎず、統一感があって落ち着きます。

 ソファー席に加えて広めのテーブル席やカウンター席と、さまざまなタイプがあります。ゆっくり飲むならソファー席、お食事メインならテーブル席、サクッと飲むならカウンター席と用途にあった使い方ができるのも嬉しいです。

カタルーニャ仕込みの絶品料理の数々

 オーナーの松本大祐さんは学生の頃から海外に憧れていて、ニューヨークに行ったりロンドンで語学留学も経験しました。留学時代に南米の人達と仲良くなったことがきっかけで、次第にスペイン語やスペインの文化にも興味が沸くようになりスペイン料理店で働くことを決意。
 帰国後はイタリアンレストランで修行をしたのち、恵比寿の人気スペイン料理店『フォンダ・サン・ジョルディ』で働いてスペイン人シェフから技を習得したと言います。

 なかでもカタルーニャの伝統料理・ロメスカーダ(1,100円)は、ジョルディ直伝、秘伝のロメスコソースを使用しています。ロメスコソースとは、ニョラやシェリービネガーなどを使い2日間ほどかけてつくるオリジナルソースのこと。コクと深みのあるソースがシーフードによく絡み、白ワインが止まらなくなります。

 強いこだわりは、日本でも人気のスペイン風オムレツ・トルティージャ(370円)からも感じられます。「手を抜きがちな、簡単な料理こそ本気でこだわりたい。」と言う松本さん。トルティージャを作る際、じゃがいもやたまねぎの火入れを慎重に行います。弱火でじっくり煮込むことで甘みが引き出され、それが卵全体に広がるのです。お店に来るたびにこのトルティージャを頼むお客さまもいるのだそうですよ。


▲上(細い方)・チストラ、下(太い方)・ブティファラ

 そして『Pino de Comer』ではソーセージまで自家製というから驚かずにいられません。豚バラや豚肩ロースを使用して、シンプルな味付けで作られたチストラ(450円)や、オレガノなどの香草でハーブの香りを楽しめるブティファラ(650~750円)と、メニューへのこだわりに余念がありません。

 スペインバルということもあり、どのメニューもワインと合わせたいところですが、同店では意外にもビールの人気も高いです。4種類の生ビールはどれもクラフトビールとなっており、期間限定の珍しいビールなども取り揃えられています。この日は一年に一度しか作られないHOP FESTというビールをいただきましたが、華やかなホップの香りが鼻から抜け、ついつい飲みすぎてしまいそうです。

 もちろんワインやシェリー酒も豊富。奥さまの知美さんはワインスクールに通っていたこともあり、料理やお好みに合わせて、オススメのお酒を選んでくれます。

 お酒でいい気分になっているところにお待ちかねのパエリア(2人前 2,300円)が運ばれてきました。さまざまな味付けや米を使用して試行錯誤した結果、現在の組み合わせになったと言います。

 特にパエリアで最も大切と言われる、ソフリットとピカーダの比率にはこだわっています。素材の味を引き立てつつも、しっかりと香りも残っていて食欲をそそりますよ。食感は本場同様硬めなので、〆としてのみならずお酒のアテにもいいかもしれません。

 お腹が膨れてきた頃にデザートが運ばれてきました。こちらはカタルーニャのお菓子・クレマカタラーナ(500円)です。表面がザラメでコーティングされているためクリームブリュレに似ているのが特徴。甘すぎず、さっぱりしているのでいくらでも食べることができます。まさにデザートは別腹とはこのことですね。

 前菜からデザートまで、手作りで一切妥協をしないのが、『Pino de Comer』流。情緒溢れる都電に乗って、下町の新たな人気酒場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

■文、写真・片岡力也

店舗名 Pino de Comer
住所 東京都荒川区西尾久2-8-2
電話番号 080-8729-3524
アクセス 都電荒川線・宮の前駅から徒歩3分
営業時間 17:30〜22:00
定休日 月曜日(祝日は要確認)
ホームページ https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132303/13220546/
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