【東京・西日暮里】小麦粉を一切使わないこだわりのカレースタンド『シルクロード』
荒川区と文京区の境目に位置する西日暮里駅のすぐ目の前に、昼頃になるとよく列を作る小さなカレー屋『シルクロード』が2016年11月にオープンしました。券売機は外にあり、店内はカウンター6席のみ。手前にお客さまがいる場合奥の席に行くには一苦労するほどの決して広いとは言えない店内ですが、なんだかアットホームで嫌な気はしません。カレー屋さんというよりはカレースタンドという言葉の方が似合うお店です。スペースが狭い分、節約できるコストをメニューに還元しているためかカレーはなんと540円から。ただ安いだけではなく、小麦粉を一切使わなかったり、全てのカレーを異なったスパイスで作るなど、並々ならぬこだわりもあります。そんな新たな業態カレースタンドの正体に迫ります。
今までありそうでなかった業態
カレー屋というとテーブル席はもちろん、小上がりの席などもある広めのイメージが強いかと思います。おそらく経営者のインド人が自国の店をイメージして作っているからでしょう。値段や、手軽さなどはラーメンに似た業態であるにも関わらず、ラーメン屋に多い”カウンターのみ”のようなインドカレー屋はかつて見たことがありませんでした。
しかし店内は非常に狭く、まさに小さなラーメン屋といった雰囲気なのです。キッチンが目の前にあり、シェフが今何をしているのかも全て見えるところもラーメン屋に似ています。食券を購入し先に渡すシステムも同様です。ありそうでなかったこのスタイルが、このお店の驚異のコストパフォーマンスを作り上げています。
コストパフォーマンス抜群のメニューの数々
インドカレー屋のカレーは確かに美味しいですが、やや高いイメージがあります。スパイスの調合から始まり、そのほとんどが輸入に頼っているので当然と言えば当然です。しかしこちらのお店ではカレーの単品がほぼ全て、540円と破格。山手線の駅を目の前にしてこの金額で維持できるのは、やはり小さなお店で、無駄を徹底的に省いていることも理由と言えそうです。
その540円のバターチキンカレーがこちら。クマールさんにお話を聞くと、全てのカレーを別々にスパイスの調合をしており、小麦粉を一切使用していないといいます。通常メニューのカレーだけで6種類あるのにその全てを別々の作り方で、しかも小麦粉を使用せずに調理するほどのこだわりを持つクマールさん。理由を聞くと「シーフードならシーフードにあったカレーの味があり、チキンならチキンにあったカレーの味がある。」また「小麦粉を使うとどれも同じような味になり素材が引き立てられない。」と言います。印日で17年間シェフと働くクマールさんは、過去にインドの有名ホテルなどでもシェフをしており、カレーには並大抵ではないこだわりがあります。
ナンも毎日手作りで、どのカレーにも合うように塩のみでシンプルな味付けになっています。
ここではビリヤニも非常に人気です。一見普通のビリヤニに見えますが、中にはゴツゴツした大きな塊肉がいくつも入っており、満足感の非常に高いビリヤニになっています。
この日はマトン肉を使ったビリヤニで、スプーンに乗り切らない程大きなお肉が入っています。
またビリヤニを頼むと小カレーがついてくるのも非常に嬉しいです。この日は野菜カレーでした。
本当のインド料理
「日本には本当のインド料理屋は少ない。」とクマールさんは言います。インド料理と謳っていても、インドで料理の経験がなかったり、そもそもインド人でない人も多数いると言います。また、物価の安いインドではカレーは低価格で食べられる庶民の味方であるはずなのに、日本ではインドカレーは高いとも言います。本当のインドを感じたくなったら、ぜひとも『シルクロード』へ行ってみてはいかがでしょうか。
■文、写真・片岡力也
店舗名 | シルクロード |
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住所 | 東京都荒川区西日暮里4-23-1 |
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電話番号 | 03-3822-7007 |
アクセス | JR山手線・京浜東北線・東京メトロ千代田線西日暮里駅1番出口から徒歩3~4分 |
営業時間 | 11:30~14:00(店内13:30L.O) / 17:30~23:00(店内22:30L.O) |
定休日 | 火曜日(祝祭日は翌日定休) |
ホームページ | https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131105/13204354/ |