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【千葉・松戸】とれたてのみずみずしい梨を召し上がれ!ひと玉ひと玉に愛情を込める『竹村梨園』のこだわりとは?

 今回取材に訪れたのは、梨の生産量日本一を誇る千葉県。松戸市の『竹村梨園』では、有名な“幸水”、“豊水”をはじめとする6品種の梨を、丹精こめて育てています。ひと玉ひと玉に込める想いや栽培方法のこだわりを、担当の竹村さんに教えていただきました。

梨に親しみ、梨とともに育った少年時代

 東武アーバンパークラインの六実駅から歩いて7分。281号線沿いの小さな看板が、『竹村梨園』の目印です。半世紀ほど前、農家をいとなむ竹村さんのおじい様が、野菜畑に梨を植えたことが園のはじまりでした。現在では、4,200坪におよぶ梨畑を、竹村さんとご両親の親子2代で守っています。
 「意外かもしれないけど、僕も家族も“梨が大好き!”ってわけじゃないんです(笑)。だって、昔からそばにあるのが当たり前でしたからね。」そう話す竹村さんは、幼いころからご実家の梨を食べて育ってきました。

 『竹村梨園』では、甘さと水分が豊富な“幸水(こうすい)”、果肉が柔らかく、かすかに酸味のある“豊水(ほうすい)”、上品な香りの“新高(にいたか)”など6品種を栽培しています。それぞれ、旬、香り、甘さと酸味のバランスなどが違うのも面白いところ。8月上旬から10月上旬ごろまで、季節の移り変わりとともに色々な品種の梨を味わえます。

おいしい梨のキーワードは“累積温度”、そして“水”


▲桜に似た白い花が可憐な梨の花

 梨の栽培スケジュールは、毎年の開花時期に左右されます。梨の花は、寒くなって葉が落ちてからの気温が毎日5℃、8℃…と累積して、一定以上の温度になると咲くのだとか。そのため、暖冬だと開花が早まって、収穫も早くなるそうです。
 また、受粉から収穫できる大きさになるまでの日数は、だいたい決まっているとのこと。雨が少ない、病気が多いなど、その年その年で生まれる課題はさまざま。それらとしっかり向き合いながら、竹村さんはおいしい梨を作るために奮闘しています。

 梨のできばえを左右するもうひとつの要素が、水です。成長しやすい時期と雨の日が重なると、ぐんぐん実が大きくなります。
「雨の少ない年は、スプリンクラーを使って水をまいています。けど、サッと降る雨でも人の手でまいた水より浸透しやすいから、自然の恵みが一番なんですよね。」
とはいえ、雨は多すぎてもいけません。実が急激に大きくなると表皮が成長についていけず、亀裂が入ってしまいます。適切な量の水は、きれいなツヤツヤの梨を作る上で、とても重要なのです。

手作業の受粉と完熟にこだわったひと玉

 『竹村梨園』の梨には、ふたつの大きなこだわりがあります。まずひとつは、授粉を手作業でおこなうこと。ミツバチを使って受粉をおこなう農家が多いなか、同園では人の手で丁寧に、時間をかけて授粉をおこないます。花粉の付け方しだいで、実の形や大きさが変わってくるそうですよ。
 「“豊水”と“新高”はあまり花粉が出ないから、前の年に保存しておいた“幸水”の花粉を使って授粉させます。輸入花粉を使えば楽だけど、それはしたくないんです。100%自分のところで採れた花粉で、安心して食べられる梨を作りたいですからね。」

 もうひとつのこだわりは、必ず完熟を待って収穫すること。梨はバナナや桃のように追熟しないため、完熟前にとってしまうと、青くさい、味が薄いといった問題が生じます。
 「週に1回みんなで味をチェックして、全員が“うん、完熟だね!”って納得してから売り始めるんですよ。みんながOKを出すまでは注文は受けつけるけど、絶対に売らない。これが僕たちのモットーです。」
 完熟してからの日持ちがよくないのも、梨の難しいところ。発送の際は、届け先の距離と完熟具合を考えて、目利きをしながら箱詰めをするのだとか。

美味しい梨だけを、胸を張ってお客様に届けたい

 梨の生産量が日本一の千葉県は、他県よりも土の質が梨に適しており、大きく味のよい梨が育ちます。そんな土地のよさに甘んじることなく栽培に工夫を凝らし、自分たちのブランド梨を育てる農家たち。竹村さんも、そのひとりです。
 「お金をいただくからには、皆さんに本当においしい梨だけを食べてほしくて。お客様がいつも“竹村さんのとこの梨はうまいから!”ってうれしい言葉をくれるから、絶対に裏切りたくないですね。喜んでもらうたびに、“来年もいい梨を作らなきゃなぁ”ってシャキッとします。」
 『竹村梨園』では、発送承りのほか、傷があるなどの“わけあり品”を家庭用に販売しています。規格外でも、おいしさは発送用とまったく変わりません。3日に一回のペースで園に来て、キロ単位で購入していくほどのファンもいるそうですよ。

 現在、新しく3品種の開発に挑戦している同園。“美味しかったら栽培を続ける。そうでなければ木を抜く”というシビアな姿勢も、すべてはお客様の笑顔のため。梨にかける情熱を垣間見せていただきました。
 「授粉から収穫まで、ひと玉にたくさんの手間ひまがかかってます。誠心誠意、心をこめて作る僕たちの梨を、食卓に上げてもらえたらうれしいです。まずは食べてみてください!」と竹村さん。

 『竹村梨園』では現在、小さな梨の実がスクスクと育っています。収穫が今からとても楽しみですね。最初に旬を迎える“幸水”が出回る8月上旬を狙って、ぜひ訪れてみてください。

店舗名 竹村梨園
住所 千葉県松戸市六実2-13-1
電話番号 047-387-4328
アクセス 東武アーバンパークライン(野田線)六実駅から徒歩7分
営業時間 直売所は9:00~18:00、梨狩りは17:00まで
定休日 梨狩り期間中は無休
ホームページ https://takemura-nashienn.jimdo.com/