※閉店※【大阪・鶴見橋】音楽好きが集まる『ゼットばァー』でお酒と音楽に酔いしれる

大阪府・西成区の鶴見橋商店街。昔ながらのお店が並び、地元の人で賑わうこの場所に、音楽を聴きながらゆっくりとお酒を楽しめるバー『ゼットばァー』があります。
昔から音楽が好きで、経営経験も豊富なオーナー・須藤さんにお話をうかがいました。

4度目のオープン！

2018年6月にオープンした同店。実は須藤さん、お店を始めるのは今回で4度目になるのだそうです。これまでにどのような経験をしてきて、どういった経緯で『ゼットばァー』をオープンすることになったのでしょうか。

――今までに3回も経営の経験があるそうですね。どのようなお店だったのでしょうか？

「たこ焼きバーを2回、鉄板焼料理を扱うお店を1回経験しています。25歳くらいの時にたこ焼きバーを始めたのが最初ですかね。今でこそ似たようなお店が増えて大阪中に広まっていますが、当時は全然なかったのでけっこう珍しかったんですよ。」

――たこ焼きバーが流行るきっかけを作ったのですね！今回バーを選ばれたのも、これまでの経験があったからそれを活かしてというかたちですか？

「そうですね。今までずっとこの業態を続けてきたので、自分にはこれがあっているのかなと。いい年齢にもなってきたので、最後にもう一回チャレンジしたいと思ってバーを選びました。」

――この道一筋という感じが素敵です。店名の“ゼット”の由来があれば教えてください！

「これはアルファベットの最後の文字の“Z”からきています。僕がこの業界に入った時に、いろはを教えてくれた方が考えてくれたんです。最後のチャレンジだと伝えたら、じゃあこれが良いのではないかと。意味がぴったりでちょうど良いなと思い、つけました。」

理想のお店が完成

多くのお店が立ち並ぶなか、こぢんまりとしたお店ながらもパっと目を引く外観が特徴の同店。そこには、須藤さんのこだわりがつまっています。

――こちらの場所を選ばれた理由はなにかあるのでしょうか？

「実家が近いこともあって、通いやすい場所で物件を探していたときに見つけたのがここだったんです。西成区はローカル色が強い地域だと思うので、地元民の僕なら商売もしやすいかなと思って決めました。」

――商店街のなかでもあるので、地域の方と関係性を深めるには良い場所ですよね。とても素敵なお店ですが、外観や内装づくりでこだわったところはありますか？

「できるだけコストをかけずに済ませるため、最善の方法をいろいろと考えながら進めていきました。もともとある設備を利用したり、できるだけ手作りで済ませたり。それで、いかに理想に近いものを作れるかにこだわりました。初見の方でもどんなお店かわかりやすいよう、レコードの装飾をしてみたり、外にもメニュー表を置いてみたりと工夫はしています。」

――確かにどのようなお店なのかわかりやすいです！準備は大変でしたよね。

「そうですね。二ヶ月半くらいは毎日準備に追われて、とても忙しかったです。ただ、その分納得のいく仕上がりになったと思います。自分がやりたかったものができたので、とても気に入ってます。」

好きな音楽をみんなで楽しめる空間

自分の好きな音楽をみんなで共有できる空間をつくりたい。そんな想いから、『ゼットばァー』は音楽を楽しめるバーをコンセプトにしています。

――中学生の頃からずっと音楽が好きだそうですね。

「途中少し離れてしまった時期もありましたが、ずっと好きです。中学生の頃は、友達と好きな音楽を入れたカセットを持ち寄って、みんなで聴いたりしていました。今でも、好きな曲があればレコードやCDを問わず買うこともあります。」

――本当に好きなのが伝わってきます！どのようなジャンルがお好きですか？

「一番好きなのは、1970年代頃に登場したニューウェーブです。ジャンルでいうとロックになりますが、それまでとは違った新しいスタイルの音楽で、当時はとても話題になりました。」

――なるほど。店内で流しているのもニューウェーブが中心になるのでしょうか？

「ニューウェーブのほかにも、レゲエやヒップホップ、ソウルミュージックなど洋楽を中心にさまざまなジャンルを流しています。少しですが邦楽もありますよ。あまりにもジャンルが違うものは難しいですが、リクエストに応えたり、お客さまが持ってきたものを流すことも可能です。」

――いろいろな音楽を聴けるのは楽しそうです。

「好きな音楽について楽しく話しながら過ごせるのが、当店最大の魅力だと思っています。それによって、より好きになったり、新たなジャンルを知るきっかけになれたらうれしいです。お店はワンルーム程度の広さですが、けっこうな大音量で流しているので、音楽を存分に感じて楽しんでもらえたらと思います。」

お財布に優しい価格がうれしい！

バーでありながら、本格的な鉄板焼きメニューが並ぶ同店。店内で食べられるのはもちろんですが、テイクアウトも承っているためお土産に買っていくことも可能です。

――料理は鉄板焼きがメインですね。

「そうです。経験もありますし、お店のキャパを考慮して鉄板焼きに絞りました。バーではありますが、本格的な味わいを楽しんでいただけると思います。お酒が飲みたいときだけでなく、お腹が空いた時にも立ち寄っていただけたらうれしいです。」

――バーでもしっかり食べられるのは良いですね。メニューはどのようなラインナップとなっているのでしょうか。

「お好み焼やモダン焼、ジャガバターや豚キムチ、玉子焼など、鉄板で作るメニューを用意しています。どれも注文を受けてから作りはじめるので、いつでも出来立ての状態を楽しんでいただけますよ。おすすめは定番の焼きそばやホルモン、大阪ならではのかすうどんやかすそばです。ぜひ食べてみてください。」

――どれもおいしそうです。それに価格が安くてびっくりしました！

「近隣にあるお店と比べてみても、かなり安いと思います。正直、儲けはほとんど考えていないんです(笑)。どちらかといえばお酒をメインに楽しんでもらいたいので、食事はできるだけ安く提供しようと思っています。」

――本格的な鉄板焼きがリーズナブルに食べられるのはとても魅力的です。お酒も他のバーに比べると安いのではないでしょうか？

「そうかもしれないですね。基本的にすべて500円で提供しており、あまり高いものは置かないようにしています。一杯飲みたくなったときにふらっと立ち寄れる気軽なお店を意識して、あえてそうしているんです。」

自由に楽しんでほしい

お客さまがいつでも気軽に利用できるお店づくりをしている須藤さん。地域の方からも親しまれており、同店にはさまざまな目的の方が訪れています。

――お客さまはやはり地元の方が多いですか？

「そうですね。ほとんどが地元民で、けっこうご年配の方が多いかもしれません。音楽やお酒を楽しみに来る方もいらっしゃれば、食事を楽しまれる方、あとはおしゃべりを楽しまれる方も多いです。」

――皆さま思い思いに楽しく過ごされているのですね。須藤さんご自身も、楽しまれているのが伝わってきます。

「お店を続けていくなかでは大変なことや辛いことももちろんありますが、好きなことをできているのでしあわせです。これからもお客さまに楽しんでもらえるお店づくりをしていくので、ぜひ遊びにきてもらえたらと思います。」

音楽好きやお酒好きにぴったりの『ゼットばァー』。好きな音楽に包まれながら過ごせるこの場所で、楽しい一夜を過ごしてみてはいかがでしょうか