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福岡

【福岡・渡辺通り】お客様に本場仕込みのスペイン料理と居心地の良い“空気”を提供する『炭焼きスペイン料理 Aire(アイレ)』

 今回訪れたのは、天神から渡辺通りを薬院方面へ進み、ジュエリーショップ4℃のある角を左に入って3分ほどのところにある、炭焼きスペイン料理のお店『Aire(アイレ)』。本場スペインで修行された経験もあるという、店長の伊藤さんにお話をうかがいました。

本物を知りたくてスペインへ

 元々、スペイン料理店に5年ほど勤められていた伊藤さんは、自分がやっていることが実際どれぐらいリアルなものかを知りたいと思い、本場スペインへ修行に行かれました。スペインはバスク地方にあるミシュランの星付きレストランで修業した後、日本に戻って働きながら本場の料理だけでなくそれを日本人に合うよう模索して、本場のリアルな部分とアレンジの部分を融合させて今のスタイルを作ったのだそう。このスペインでの経験は、自分自身にとって良い経験であり、大きな自信になったと言います。

本場のスペイン料理を日本人向けにアレンジ

 『Aire』のおススメは、パエリアとアヒージョ、そして店名にも入っている炭火焼料理。伊藤さんが自信を持って提供するこれらのお料理は、お店に来るほとんどの方が頼まれるそうです。

 みんなで一気に食べてもらいたい特製パエリアは、魚介とお肉を混ぜたミックスパエリアで鯛のお頭も付いています。お客様の要望があれば、イカスミのパエリアなども出しているとのこと。また、このようなお店の場合パスタを出していると思われがちですが『Aire』ではパスタは出しておらず、代わりにパスタの麺をボキボキと折ったものを使った、パスタのパエリアがメニューに入っています。

 アヒージョは、海老かマッシュルーム、砂ずりの3種類。どれか1つを選ぶスタイルですが2種類合わせたいなどの要望を受けることも可能となっています。実は私達の知っているアヒージョは、スペインのマドリード地方で出される形で、本来アヒージョとは“ニンニク風味”という意味で、炒め物でもニンニク風味であればアヒージョと呼ばれるとのこと。

 『Aire』で出されるアヒージョは、3種類の食材ごとに伊藤さんなりのちょっとしたこだわりを加えており、さらに全てにシェリー酒を足しているとのこと。マッシュルームの場合はイベリコ豚の端切れを刻んで入れていて、砂ずりは固くならないように一度オリーブオイルと香草で炊いたものを入れています。これも固くなりがちな海老は、まず頭から最初に火を入れ頭から出る香りと味噌をオイルに馴染ませてから身を投入します。お客様の席に出した時に、7~8割程度火が通った状態になるよう計算しているそうで、理由はアヒージョが来た時、グツグツしていてスグに食べる人はいないので100%火が通った状態で出すと固くなってしまうので早めに火から上げるということです。また、アヒージョにつくパンは毎日伊藤さんが焼いている自家製パン。フランスパンほど固くなく、日によってオリーブのパンだったり、香草、ゴマ、ガーリック風味だったりと味を変えているのだそうです。今日はどんなパンかな~と、それだけでも行くのが楽しみになりますね!

 お店の名前にも入っている炭焼き料理は、熊本の赤牛を880円というお手頃価格で食べられると大人気。サシの多い一般的な和牛と違って、噛んでしっかりと味を感じられる赤身が自慢の赤牛は、少しの量でも食べ応え抜群です。

Brasa y Taberna(ブラッサ イ タベルナ)

 洋風居酒屋と聞くと、どことなく“バル”をイメージするかと思いますが、この『Aire』ではスペイン語で居酒屋を表す“Taberna(タベルナ)”を使っています。Taberna(タベルナ)とは、レストランとバルの中間のような形であり、レストランほどの堅苦しさもなく、バルのようなカウンター重視のお店にはしたくないという伊藤さんの思いから『Aire』は作られています。

 居抜き物件を改装して作られたおよそ10坪の店内は、スペインカラーの赤と炭焼きの炭をイメージした黒で統一されており、食器類も白などは使わず赤と黒で揃えているというこだわりぶり。席数は、貸し切りパーティーなどにも対応できるよう、ゆったり入って21席はあるとのこと。自身で石を貼りつけて飾ったネタケースのあるキッチンカウンターには、イベリコ豚の生ハムが1本置かれていてインパクト抜群です。こちらのイベリコ豚も‟スペイン産ハモンイベリコ”を注文すると頂けます。

お店の全てがおススメ

 先程、パエリアやアヒージョをご紹介しましたが、伊藤さんに言わせるとおススメは全てだとのこと。ご紹介した3点以外にも、スペイン・バスク地方の伝統料理である『バカラオのピルピル』は、なかなか置いているお店も少ない一品。名前を聞いただけでは、どんな料理か全くイメージ湧かないですよね。これは、一見白い煮込み料理なのですが、シチューなどのように乳製品や小麦粉などは一切使用していないのに、初めて食べた人は乳製品が入っていると思ってしまうくらいねっとりとしたトロミのある料理です。ピルピルは、魚のタラの骨と皮から取り出したコラーゲンを煮込み、そこにオリーブオイルを入れて乳化させたことで白濁したものが出来あがるのだそう。

 他にも、低価格で人気のスペイン産ワインも多数揃えているそうで、あえてワインリストは作らずワインセラーにタグをつけて並んでいる物からお客様に選んでもらうシステムになっています。味わいと金額、品種は記載していますが、分からない方は店長さんに相談するとそれに合うお料理とともに紹介していただけるので安心です。

何もかもが初めてづくしの毎日

 今回、お店を出すにあたって今までの自分の考えが甘かったことを知ったという伊藤さん。何もかもが初めての事だらけで、今まではオーナーありきで任されるだけでしたが、一から十まで自分で考えて動かないといけなかったので、オーナーあっての自分だったんだなと気付かされたそうです。さらに、オープン前からご近所の方から換気扇の音などで指摘を頂いたりしてキツイなという気持ちがありましたが、色々あった後にその方がお店にご飯を食べに来てくれてすごくホッとしたとのこと。開店前は、自分の店を開いたらめちゃくちゃ嬉しいんだろうと思っていたけど、実際は安堵感の方が大きかったとおっしゃいます。

ココだけで終わらせるつもりはない、やりたいことがまだある

 現在36歳の伊藤さんは、今回オープンしたお店だけでなく、まだまだ始めたいことがあると話します。そのためにも、早く安定した営業ができるようにしていきたいと話します。次の目標は40歳までに、その次の目標は45歳までに達成したいと、既に先を見据えて話す伊藤さんはとてもキラキラしていました。

 「まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします。」と、照れながらおっしゃる伊藤さん。この気さくな人柄が『Aire』のアットホームで落ち着く雰囲気を作り出しているのだろうと感じました。お一人様でも入りやすいお店なので、一度ぜひ自慢のパエリアを味わってみてはいかがでしょうか。

店舗名 炭焼きスペイン料理 Aire
住所 福岡県福岡市中央区渡辺通3-6-24 WING天神南 1F
電話番号 092-519-3193
アクセス 福岡市営七隈線渡辺通駅2番口から徒歩4分
営業時間 17:00~翌1:30(LO.翌1:00)
定休日 第一火曜日(月1回)
ホームページ http://www.fukuoka-aire.com/