【福岡・大名】鮮魚を片手に釣り師が集う！『居酒屋 磯飯倶楽部』が盛り上がる秘密

　個性あふれるお店が多い大名エリア。2017年6月に釣り仲間が集まる『居酒屋 磯飯倶楽部』がオープンしました。今回は美人女将の奈緒美さんにお話を伺いました。

私たちが釣った魚を食べてほしい！

――普通の居酒屋さんとはちょっと違うって聞いて、フェイスブックを拝見したんですが、女将ご自身が釣りをして、魚を獲ってくるんですね～！写真を見てビックリしました！

　「そうなんです。ここは釣った魚をみんなに食べてもらいたくて始めた居酒屋です。市場で仕入れてきた魚と、「今日はこれを釣ったんだよ！」って言われて食べる魚とでは、やっぱり違うじゃないですか。釣りたての魚って、釣りをしない人はなかなか食べられないですしね。ここでの食事を通じて釣りという趣味も知ってもらえればいいな、というところから始まったお店です。」

――もともと女将は釣りがお好きだったんですか？

　「オーナーに誘われて釣りに行ったのがきっかけで、それまでは全然やったことがありませんでした。それも1回か2回、防波堤でサオを振る練習だけして、釣れるところに行かなきゃ面白くないって言って連れていかれて（笑）。うちらのやる釣りが“フカセ釣り”って言って、エサを撒きながらしょっちゅう動いてる釣りなんです。魚をエサで集めて、ここで食わせるって決めたらそこに仕掛けを作ったりして、いろいろ考えながらやる釣りなんで、難しいんですけど、すごく楽しいんですよね。」

――初めてやって、結構ハマっちゃった感じですか？

　「そうですね。もともと動くのが好きなんで。実はダーツバーの経営もしていて、ダーツのインストラクターの資格も持ってるんですけど。」

――え！？すごいですね。ダーツのプロってことですか？多才ですね！

　「そうなんです。店が忙しかったりしてなかなか大会にも出られないんですけど、そんなこともできます（笑）。」

磯の上で食べるおいしさをお店でも

――磯飯倶楽部っていうお店の名前には、何か由来があるんですか？

　「磯の上で食べるご飯ってめちゃくちゃおいしいんですよ。カップラーメンでもおにぎり1つでも、磯の上で食べるってホントにおいしいんですよね。その延長で、釣りをしながら鍋とか焼肉したりして、食事も楽しんでるのが磯飯倶楽部の活動なんです。」

――ということは、かなり頻繁に釣りに行かれてるんですか？

　「ん～、天候にもよるので、月に2～3回ですね。基本、壱岐に行っています。この店には自分が釣った魚を手土産に来てくれる釣り師のお客さんもいるので、持ち込みの魚を無料で調理する代わりに、半身をお客さん用にもらったりします。この間もクーラーボックスからはみ出るくらいの大きなシイラを持ってきてくれた釣り師さんがいたんですけど、ちょうど女子会をやっていたお客さんたちがキャーキャー言いながら写真を撮って、その魚でオーダーを取ってさばいたりとかしてて。」

――それは盛り上がりますね！

　「もしかするとサプライズで、持ち込みの本当に新鮮な魚を食べられるかもしれないっていう楽しみがありますよね。これからの季節、味が良くなるメジナやヒラマサなんかは刺身やフライ、それから酒蒸しもおいしいですしね。持ち込みの魚で、会ったばかりの人たちが一気に意気投合して盛り上がる様子が見られるのは、本当に嬉しいです。」

肉料理や鍋もおすすめ

――新鮮なお魚のほかに、おすすめしたいメニューはありますか？

　「釣りをしながら磯でよく食べる豆乳ネギしゃぶをお店でも出してるんですけど、これは豆乳嫌いの人でも食べられるほどクセがないので、おすすめです。サラッとしたダシで豚肉をしゃぶしゃぶするんですけど、特製のポン酢系のタレがまた絶品で、タレとダシをあわせるとごくごく飲めるくらいおいしくなります。風邪予防のネギと美肌の豚肉で利用満点ですし、シメには坦々麺かチーズリゾットが選べますよ。」

――女性が絶対好きなメニューですね。おいしそう！

　「それから豚バラ大根もおいしいです。豚バラとダイコンをダシで煮込んだ料理ですが、豚バラのイメージをくつがえすあっさり感には驚かれると思います。寿司が握れる職人もいるので、1貫から注文できるお寿司も自慢です。相性の良い日本酒や焼酎もたくさん用意してますので、是非お酒と一緒に楽しんでいただきたいです。」

深夜は定食も食べられます！

――営業時間が翌朝5時までと、かなり長時間ですね。

　「18時から0時までは居酒屋ですが、0時から5時は定食もお出しする深夜食堂として営業しています。遅い時間までお仕事をされている方は、日付が変わると食事するところが少なくて困ると思うので、ぜひお食事処としても使っていただきたいと思っています。」

――この周辺でお仕事をされている人にとってはありがたいですね。

　「釣りを通じて社会や地域に貢献したいんです。実は私たち、九州磯連にも入っているんですよ。磯連で子ども釣り大会とかもあるので、そこで釣った魚を持ってきて、お母さんと一緒に魚をさばく料理教室のようなイベントも今後やりたいと思っています。その延長で子ども食堂なんかもやりたいんですよね。魚離れが進んでいるので、大人にも子どもにも魚に親しんでもらえる活動をしていきたいと考えています。」