【福岡・渡辺通】絶品つまみでお酒が進む！居酒屋感覚の立ち飲み『九州海鷹 清川店』

　渡辺通りから少し入ったところにある『九州海鷹 清川店』は、個性的な立ち飲み屋。立ち飲みなのに椅子もあり、おつまみメニューが豊富です。オーナーの斉藤さんに出迎えていただきました。

マグロの希少部位をお刺身で

――このお店はベイサイドにある『九州海鷹』の2号店だそうですね。

　「のれん分けって形で私がオーナーになってます。もともと『海鷹』は、親会社のネットショップで扱っている九州各地の名産品が買えて、なおかつその場で食べたり飲んだりできるのかコンセプトなんですよ。気に入ったらネットでも買ってねっていう。」

――アンテナショップみたいに商品を手に取れるんですね。清川でも買えるんですか？

　「こっちはそういうスペースがないんで、お土産で買えるのはちょっとだけ。でも九州の珍しいものはパラパラあります。一番のうちでの売りは、マグロを自分のところでさばいてることなんですよ。生マグロを。普通マグロ専門店でも冷凍しか扱わないけど、うちは長浜市場から生で仕入れて解体して、自分のところでさばいてるんで、マグロの希少部位…頬とか頭とか目玉とかが刺身で500円なんですよ。」

――目玉の刺身なんて聞いたことないです！

　「目玉は目を動かす筋肉の部分で、さばくのがホントにめんどくさい。だから出す店はほとんどないの。あったとしても3,000円くらいする。それがうちでは500円。中落ちも生だからめっちゃうまい！甘み、うまみが全然違う。他にも赤身で作った自家製シーチキンとか、ゴマサバのマグロ版とかもある。この鮮度でこんな価格の店はほかにないよ～！」

じっくり煮込んだおでんが最高！

――そもそも立ち飲み屋さんでお刺身なんて出てこないですもんね。すごいなあ～。…あ、おでんもある！

　「うちのおでんの牛すじはA5ランクの和牛のを使ってるの。食べてみる？これの旨みがだしにも反映されるし…脂がいいでしょ？」

――ホントですね、おいしい～。だしがむちゃくちゃ良いです！これからの季節には持ってこいですね。ちなみにおでんの種類は何種類くらいあるんですか？

　「牛すじ、大根、厚揚げ、こんにゃく…天ぷらはその日によってごぼう天とか丸天とかいろいろ変えてますけど、あと卵。常時6種類かな。だしの取り方にもこだわって、そこに牛すじのうまみ成分が染み込んでさらにおいしい。和牛のA5を使っておでん出す店もなかなかないよね。」

――おつまみメニューは全部で何種類くらいあるんですか？

　「40くらいあるかな。立ち飲みにしてはメニューが豊富で、居酒屋感覚で使ってもらえると思うよ。」

貴重なお酒もリーズナブル

――お酒の種類もいろいろありますね。

　「焼酎は鹿児島の知覧酒造さんをメインにいろいろ取り扱ってる。うち酒屋もやってるんで、三寿美（みすみ）っていう年間2,000本しか製造されない焼酎も置いてるの。有名なホテルやバーで扱うようなお酒だから、立ち飲みで飲めるっていうのはそうそうないよね。」

―― 一般の酒屋さんでは買えないんですね。すごーい！三寿美ってどんな味なんですか？

　「今風の飲みやすい焼酎で、何かで割るよりもロックとか、ちょい水がおすすめ。香りがまた増して、飲みやすいんで、ついつい飲んじゃう感じ。あと、余市とか竹鶴とかプレミアムなウイスキーなんかも、500円～600円くらい。お手頃な値段で飲めますよ。」

――安い！海鷹さんならではの価格なんですね。

　「あとはホッピーとかバリキングね。ホッピーは東京の下町の飲み物で、バリキングは今、北海道でブレイクしているリキュール。ジンジャーとかが入ってて『親父の2杯目新定番』なんてコピーがついてる（笑）。オッサンたちが最後にあっさり飲むのにいい。バリキングのバリは福岡の“バリ”じゃなくて”馬力”のバリね。」

――へぇー、面白いですね。ラベルも昭和レトロな感じで雰囲気ありますね。

実はパワースポット!?

――このお店は注文時にその都度代金を払うキャッシュオンスタイルですが、基本はセルフサービスで、アットホームな感じがすごく落ち着きますね。

　「全部一人でやってるから、基本はセルフでしてもらってるんだよね。まあ、よっぽど忙しい時でないとお願いしないけど。でも常連さんはもう自分で勝手にやってくれちゃうんだよね。」

――壁の竹の絵とかのれんとか、結構和風な店内なのに、かかってる音楽は洋楽のカッコいい曲が多くて、でもそれが自然とマッチしていて…何とも不思議です。

　「外から見ると入りづらいけど、一度中に入ってしまえば全然大丈夫でしょ？（笑） このサイズだから、知らないお客さん同士がすぐに仲良くなってしまう。最初彼氏と一緒に来て、2度目は1人で寄ってくれた女性なんかもいるよ。」

――ふらっと来やすいですもんね。やっぱりそれもサイトウさんの人柄が大きく影響しているんでしょうね。笑顔で迎えてもらえるとホッとしますもん。

　「まあ、お客さんが楽しめる空間を作っていくのが目標だから、ここを気に入って何度も来てくれる人がいるのは本当にうれしいよね。全然宣伝してないのに（笑）。予約で貸し切りにして宴会する人もいるし、いろんな使い方ができる店だと思ってもらえてるのはありがたいね。ちなみに、このあごひげはパワースポットって言われてるの。触ると幸せになれるよ！（笑）」