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沖縄

【沖縄・那覇】地元作家の器でいただくおまかせ和食のお店『料理 いしみね』で一期一会の味わいに酔いしれて

 那覇バスターミナルからバスに揺られて約6分。開南の停留所から少し歩くと、アパートの一階に小さな日本料理店があります。こちらが、今回ご紹介する『料理 いしみね』。季節の食材を使った、店主おまかせの和食がいただけるお店です。地元の作家をたずねて買いつけた焼物と料理の組み合わせが、目と舌を楽しませてくれます。
 「うちは堅苦しいお店じゃないので、気軽に来てほしいです。Tシャツに短パンでも大歓迎ですよ。」そう微笑むのは、店主の石嶺さん。こだわりの器と季節の料理で、食事を心ゆくまで楽しんでほしい。そんな想いで腕をふるう、誇り高き料理人です。

10代のころからひたむきに目指した独立の道

 石嶺さんは、16歳で始めた居酒屋のアルバイトをきっかけに、和食の世界に身を投じました。ひたむきに修業に励む中で「いつか自分のお店を持ちたい」という想いを募らせていったそうです。「35歳までに独立を」というかねてからの夢を叶え、2018年5月8日に『料理いしみね』をオープンしました。
 「ひとりでも手が回る広さの店舗を探していました。この場所は紹介で見つけたんですが、もともと事務所だったみたいで。内装は一から全部やらなきゃいけなかったけれど、だからこそ、自分の好きなようにお店を作っていく楽しみがありましたね。」

 店内は、白木のカウンターが存在感を放つ上品な雰囲気。市松模様の壁が、シックでモダンな味わいを作り出しています。石嶺さんのお名前である「誠」の書が入れられた額縁は、オープン祝いにお客様からいただいた宝物なのだとか。
 そんな『いしみね』は、沖縄では数少ない、完全おまかせの日本料理店です。グランドメニューはなく、その日に何が食べられるかは来店してのお楽しみです。
 「おまかせは最初の数か月だけの予定でしたが、予想以上に好評だったので続けることにしました。自分が本当においしいと思ったものだけをお出しできるのが、おまかせのいいところですね。」と石嶺さん。

季節の食材が舌の上に感動を運ぶ

 同店には、旬の食材が織りなす料理との一期一会の出会いがあります。こちらは“さんまとトマトと焼き茄子のすり流し”。脂がのったさんまで包み焼きにしたトマトを、肝ポン酢でいただくシンプルなひと皿です。すじこのあしらいが美しいですね。

 大鍋でことこと炊いた穴子を使った“煮穴子の蓮蒸し”は、繊細な盛り付けが美しいひと皿です。蓮蒸しにするか、野菜と一緒に炊き合わせるか…手に入った食材を眺めながら、どんな風に調理しようか迷うのも幸せな時間なのだといいます。
 「ゆくゆくは、100%沖縄の食材で和食を提供したいです。地元の食材はたまに手に入るけど、それオンリーでというのはまだ難しくて…。県内の生産者を訪ねて交渉するとか、これからやらなきゃいけないことは多いですね。」
 料理人の仕事は、食材あってのもの。沖縄にお店をかまえたからこそ、沖縄でしか表現できない味でお客様を楽しまたいと願っているそうです。

作家の想いが込められた器を味わって

 『いしみね』のさらなる魅力は、器です。同店で使われている器は、やちむん(焼物)市場に足を運んだり、地元の作家と交渉したりして石嶺さんが買いつけたもの。修業時代から沖縄の工房を訪ね歩き、こつこつと集めてきたのだとか。

 「以前働いていたお店が、器にこだわっていて。僕も自分のお店では、地元の作家さんの想いがこもった器で料理を出したかったんです。工房を訪ねて直接お話を聞くと、使うときの思い入れも違いますよ。」
同店では、同じ料理を複数のお客様に出すとき、あえて器を揃えません。色、形、質感…そんな一枚いちまいの味わいを、料理とともに楽しんでほしいからなのだそうです。

 多くの工房を訪ねてきた石嶺さんですが、どの作家も共通して、あることを語るのだといいます。それは、「焼きあがってお店に並んだときではなく、料理を盛り付けたときに、はじめて自分たちの作品は完成する」ということ。食材の彩りと器の味わいが融合した料理は、ゆっくりと眺めて箸をつけたいひとつの作品です。
 「器にこだわっているからって、100円ショップで揃えたお皿を使っているお店はダメだとか、そういうことは思いません。僕はただ、一枚いちまいが語りかけてくるような、この器たちの味わいが大好きだから使っているんですよ。」

 料理と器を味わいつつ、ゆっくりと日本酒をたしなむ時間も『いしみね』での贅沢のひとつ。日本酒好きの石嶺さんが、関東の酒屋から厳選した地酒が揃います。その季節にしか食べられないおまかせ料理とのペアリングは無限大。通いつめた分だけ、新しい発見がありますよ。

肩の力を抜いて、料理とお酒を楽しんでほしい

 「日本料理のお店って、店構えとか、いかにも堅苦しいところが多いですよね。だから当店では、おしゃべりをしながら、緊張しないでご飯を食べてほしいなって。30代や40代のお客様が多いけれど、若い方にももっと来ていただけたらと思います。」と石嶺さんは話します。お客様のペースを見てお酒を注いだり、オーダーをうかがったりと、『いしみね』での時間を楽しみに来てくれる一人ひとりを誠心誠意もてなしています。

 何が食べられるか直前までわからない会席料理の楽しさを、おまかせ料理によって広めていくこと。そしていつか、沖縄の食材だけを使った、ここでしか味わえない逸品を提供すること。その2つを目標に、石嶺さんは今日も厨房に立ちます。

 作家の魂が込められた器と、美しく味わい深い料理が心に響く『料理いしみね』。あたたかく、優しい時間が流れる小さな日本料理店に、ぜひ足を運んでみてください。

店舗名 料理 いしみね
住所 沖縄県那覇市松尾2-17-29 タウンコート玉商Ⅱ 1F
電話番号 098-963-9772
アクセス 沖縄バス 東風平線・国立劇場おきなわ線・志多伯おもろまち線バス停開南から徒歩6分、ゆいレール県庁前駅から徒歩12分
営業時間 18:00~24:00
定休日 日曜日
ホームページ https://deskgram.net/isimine_.5.8