【東京・立会川】元気な日も疲れた日も…品川の“おかん”に会いたくなる！『おでんとおばんざいの店　おかん』

　温かいおでんと優しい味わいのおばんざい、そして朗らかな“おかん”が迎えてくれるお店にハマる人が続出中です！今回紹介する『おでんとおばんざいの店　おかん』は、京急本線・立会川駅から徒歩４分ほどの場所にあります。カウンター席には、旬のお野菜と関西のお出汁で作る手作りのおばんざいがズラリ。１年中いつでも食べられるおでんも人気です。常連さんから“おかん”と慕われている杉田オーナーに、開店秘話や店づくりで大切にしていることを伺いました。

有言実行！お客様に宣言し開店

　『おでんとおばんざいの店　おかん』は、2018年６月にオーナーの杉田正子さんが開いた居酒屋です。兵庫県出身の杉田オーナーは、食堂を経営していたご祖母様の姿を見て育ち、“いつかは自分も料理屋さんをやりたい”と幼心に感じていたそうです。関西の飲食店へと就職し、店舗の東京進出にともなって、この品川区へと引っ越しました。徐々に常連さんも増え、順調な毎日を送っていましたが、やはり“自分のお店を持ちたい”との思いが忘れられず、独立を決意。当時の常連さんたちに「1年以内に開店するから待っていて」と約束し、その宣言通り11ヶ月後には同店をオープンさせたといいます。

　「常連さんたちが通いやすいよう、以前のお店と近い場所で物件を探していました。ここを見つけてからはトントン拍子で話が進み、１年以内で開店できたのも、たくさんの方のご協力のお陰です。人とのご縁に恵まれていたので恩返しがしたいという気持ちで日々頑張っています。」と杉田オーナーは微笑みます。

名物の“おばんさい”と“おでん”

　“おかん”の文字が目印の暖簾をくぐり中へと足を踏み入れると、優しい笑顔の杉田オーナーと温かい雰囲気の店内が迎えてくれます。内装に使われているのは、直線の木目が美しい杉の木。杉田オーナーの名前にちなんでこの木材を選んだそうです。カウンター席に座ると目の前には、色とりどりの“おばんざい”と、出汁の香りが食欲をそそる“おでん”が並びます。

　おばんざいは、仕入れる食材によって毎日メニューが変わりますが、煮物やポテトサラダ、金平牛蒡、煮魚…どれも手作りの“お袋の味”を堪能できます。また、年間通して食べることができる“おでん”は、基本の昆布出汁に醤油などで風味づけし、継ぎ足し作っている特製のおだしが味の決め手です。大根・卵・練り物・こんにゃく・ちくわぶ・巾着などの具材にしっかりとだしが染み込んでいて、奥深い香りと味わいがジュワッと口いっぱいに広がりますよ。

とろろ焼きと牛すじが一押し

　豊富なメニューの中でも、おかんの一押しは“とろろ焼き”と“牛すじ”なのだそう。とろろ焼きは、すりおろした長芋に卵とねぎを入れて焼いたシンプルな料理です。「とろろ焼きは“めちゃくちゃ美味しい”と言っていただけます。味付けは、醤油と塩コショウと愛情！やっぱり愛情込めて作るのが美味しさの秘訣です。」そう言って出してくれる出来立てのとろろ焼きは、ふわふわトロトロの食感と絶妙な焼き加減が病みつきになります。もう一つのおすすめの“牛すじ”は、おでんの出汁で炊いた一品です。同店では、串で刺さず一口サイズに切って煮たものをお皿に盛り、生姜とお醤油をかけて提供しています。じっくり煮込まれた柔らかい牛すじは、生姜と相性抜群。牛の旨味がしっかり味わえる上質な牛すじに、お酒もついつい進んでしまいます。

おかんと慕われる杉田オーナー

　カウンターには旬の野菜が並んでいて、それを使ってメニューにない料理をリクエストしてもいいそうです。そんなお願いまでしちゃっていいの？と驚くようなこのサービスも「おかんやからなぁ」とすんなり笑顔で応じてくれる杉田オーナー。常連さんたちが何度も足を運びたくなるのも納得のお人柄ですよね。そしてもう一つ、おかんと慕われる杉田オーナーの人柄を示すものが、トイレにあります。お店のトイレには“おかんの小言”と称して毎日書かれるメッセージが飾られていて、お客様からは「心に響く」と話題になっています。

　「お客様とお話しさせていただく中で感じたことを書いています。“おかんも一緒に飲んで話聞いてー”と慕ってくださるのが、ありがたいですね。ここで話して気分良く帰ってもらえたら嬉しいです。」

　本当の“おかん”のような杉田オーナーと、人柄がにじみ出た優しい味わいの料理に癒されに、皆さんも『おでんとおばんざいの店　おかん』を訪れてみてはいかがでしょうか。