【東京・三ノ輪】情緒溢れる路面電車を眺めながら美味しいお酒が飲める蕎麦屋『吉まぐれ屋』
下町情緒溢れる荒川区は、昔ながらの商店街や古い建物だけでなく、東京都で唯一残る路面電車・都電荒川線さくらトラムが街を活気づけています。
そんな都電の終点であり、昭和にタイム スリップしたような気持ちにさせてくれる風情ある三ノ輪橋駅の目の前に、のんびり都電を眺めながら日本酒と肴を楽しめる蕎麦屋『吉まぐれ屋』がオープン(2017年6月30日)しました。
日本酒好きなオーナーがセレクトした20種類以上の銘柄と、酒のペースを加速させる和洋中折衷な創作料理。また、名物の「よろこんぶ蕎麦」とは何なのか。その真相に迫ります。
お店の目の前をゆっくり通り過ぎる、東京で唯一の路面電車
『吉まぐれ屋』は、三ノ輪駅からほど近いところに位置しています。そのため、店内からは駅に発着する電車の車体をじっくり眺めることができます。多くが廃線した都電の中で唯一残った荒川線は、電車好きな人にとって高い人気を誇ります。荒川の穏やかな風景に映えるこのクラシックな車両を見ながらちょっと1杯……なんて、この上なく粋な飲み方ができるお店なのです。
宴会やイべントなどで使用されている2階の大きな窓から外を覗くと、目の前には都電と下町らしい街並みが広がっています。奥にはスカイツリーが顔をのぞかせ、ふたつの異なる東京の姿を一望できます。
素材へのこだわりを何よりも大切にしたい
オーナーの林さんのこだわりは、何といっても「素材」。調理学校を卒業し、飲食店一本で歩んできた林さんは、和食をはじめ中華や洋食の経験もあり、その腕は誰もが唸るほどです。
そんな林さんは、修行時代に働いていたお店で、大嫌いだったレバーと牡蠣を食べた時、その美味しさに感動したと言います。その日に採れたものを生のまま直送しており、今まで食べていたレバーと牡蠣が嘘であったかのように感じたとのこと。それを機に、「素材」の大切さを身をもって実感し、少しでもいい素材にこだわるようになりました。
結果、吉まぐれ屋は素材にこだわりすぎて、今では生産者の方々を一斉にお店に呼んで様々なイベントを開催するまでに至りました。2階の広いスペースを生産者と消費者を結ぶ場として利用することで、より多くの消費者に素材の大切さを伝えたいと林さんは語ります。
このイベント時には、食材やお酒などの生産者の方々を4人呼び、長野県佐久地区の旬食祭を開催しました。このイベントの後には1〜2週間、お店で佐久地区の料理やお酒が期間限定で提供されます。
長い飲食経験によって生まれた数多くの生産者との繋がりを活かして、今後は2ヶ月に1回ほどのペースで「○○県〇〇地区の旬食祭」というイベントを続けていくようです。その度にお店に並ぶ限定メニューも楽しみですね。
長年の経験が詰まったお酒に合うオリジナル創作料理
洋食2年、和食7年、中華4年と様々な料理を作ってきた林さんは、とにかく創作料理が得意です。今まで学んできたものの良いところを活かしたオリジナル料理は、それを目当てにお店に訪れるお客さんも多いようです。
これは、イタリアンで使用する大きな「トリッパ」と日本の居酒屋の定番「煮込み」を掛け合わせた商品。絶妙な甘辛さと、噛めば噛むほどに出る旨味が病みつきになります。
こちらは、西京味噌に2日漬けた背脂赤身肉をタネにし、餃子の皮ではなく油揚げで巻いた商品。カリカリな油揚げと西京味噌香るジューシーなお肉の絶妙なハーモニーがたまりません。
中にはぎっしりお肉が詰まっていて、中華料理の餃子と、京都を代表する西京味噌や日本の伝統的な食品である油揚げを掛け合わせた創作料理となっています。お酒が進まないわけがありません。
美味しい肴についついお酒が進んでしまいますが、〆にはこの店一番の人気料理「よろこんぶ蕎麦」をオススメします。麺自体にこんぶを練りこんだこの蕎麦は、味・食感ともに普通の蕎麦とは一線を画します。
上品な鰹の出汁が香るつけ汁は、こんぶの味を引き立てるために敢えて薄味。昆布をじっくり感じながら食べているときは、「日本人でよかった」と思わず喜んでしまうこと間違いありません。
林さんは、蕎麦も酒も肴も全て手を抜かずにこだわりたいと言います。確かに、食事・お酒・〆のどれもが、一つのお店で、かつこの高クオリティーで楽しめるのはかなり希少です。
「今日はハシゴせずのんびり飲もう」そんな日は、情緒溢れる都電に乗って、ぶらりと『吉まぐれ屋』に寄ってみてはいかがでしょうか。
■文、写真・片岡力也
店舗名 | 吉まぐれ屋 (キマグレヤ) |
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住所 | 東京都荒川区南千住1-16-8 |
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電話番号 | 03-6806-8436 |
アクセス | 都電荒川線三ノ輪橋駅から徒歩1分 |
営業時間 | 〔月・水~金・土・日・祝〕 11:30〜14:00(L.O) 17:00〜22:30(L.O) 、〔火〕 17:00〜22:30(L.O) |
定休日 | 毎月第2月曜日、第2月曜が祝祭日などのお休みの場合は翌週の月曜 |
ホームページ | https://www.kimagureya.co.jp/ |
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