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東京

【東京・北区】誰もが一緒に楽しめる優しい映画館『CINEMA Chupki TABATA』で癒しのひと時を

東京・北区東田端。山手線の田端駅北口から徒歩5分のところに、誰もが一緒に楽しめる映画館『CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)』が誕生しました。一見映画館とは思えないほど優しい色使いの館内。可愛いものがそこかしこに置かれた、ちょっと変わった映画館は、日本一小さくて、日本一優しい映画館です。

みんなで一緒に映画を楽しむために

こちらの映画館の運営団体は、元々視覚障がい者のための音声ガイドを作り、映画を上映していました。今でこそ、邦画では音声ガイドが入ることが主流となりましたが、洋画ではまだまだ対応されていなかったり、吹替がなかったりする映画もあります。
また、聴覚障がい者のための字幕付きの上映や、映画情報の発信などもしてきました。それらの活動も様々な制約があり、月に4回しか上映できないという、あくまでイベントでしかありませんでした。「もっと多くの人に、気軽に映画を楽しんでもらいたい」そこで、映画館を開こうと決意しました。
しかし「障がい者の方のための映画館だから」と、一般の方が入場をためらうような映画館にすることは本意ではないといいます。障がい者の方はもちろんのこと、小さなお子様連れの親子や、お年寄り、一般の方もボーダーレスに一緒に楽しめる映画館。それが『CINEMA Chupki TABATA』の目指す映画館の姿です。

映画館作りはハードルの連続

いざ映画館を作ろうとしたとき、物件探しが最初の壁として立ちはだかりました。映画館を開くには、商業地域であること、建築確認の検査済証があること、防火基準の最高水準をクリアしていることなど、様々な条件があり、すべてをクリアする物件でなければ映画館を開設できないというのです。そんな物件はなかなか見つかりませんでした。もうここがダメだったら諦めて事務所だけでも…。そう思い始めた時に出会ったのが、なんとすべての条件をクリアした物件でした。
内見の時、代表の平塚さんは、そこにスクリーンが映し出されている姿が見えたといいます。迷わず契約しようとしましたが、第二の壁として、資金不足が立ちはだかりました。しかし、建物のオーナーが理解ある方で、資金が貯まるまで待ってくれたそうです。平塚さんたちは映画館を開くために募金を集め、見事2016年9月1日にオープンとなりました。多くの方の理解とご協力のもと『CINEMA Chupki TABATA』が誕生しました。

“自然の光”を感じる優しくて癒される映画館

『CINEMA Chupki TABATA』の『チュプキ』とは、アイヌ語で『光』という意味。光と言っても強い光ではなく、太陽や月、星明り、水面の光の反射などの、自然が作り出す優しい光という意味なんだそう。内装も、アーティストの根本有華さんにお願いして、大きな木を描いてもらいました。その名も、“チュプキの木”。その葉っぱには、募金に協力してくれた方の名前を一人一人板に書いて貼り付けたもの。葉っぱは、今も日々増え続けているそうです。

館内のそこかしこで微笑むぬいぐるみは、佐藤浩章支配人が集めてきたもの。可愛いものが好きな女子力の高い支配人のおかげで、子供も喜ぶ優しい空間になっています。シアター内は、都会の騒がしさを忘れて自然を感じられるよう、森の中をイメージして人工芝を敷きました。

席数は固定席が15席。車いす用の移動席が6席。補助席も含めると全部で25席あります。他に、小さなお子様連れで、泣いてしまうのが心配な方用に、個室も完備しています。完全防音の親子鑑賞室になっていますので、安心して映画を見ることができますよ。

そして、映画館と言えばポップコーン!チュプキのポップコーンマシーンは、株式会社 大泉工場のCSR活動として寄付していただいたもの。このポップコーンマシーンを見て「ここは映画館なんだ!」と気づく方も多いのだとか。出来立てのポップコーンを食べながら、映画をお楽しみください。

声優が音声ガイドをしてくれる作品も

こちらでは新作・旧作問わず、優しい映画、見てほしい映画を選んで上映しています。中には、人気の声優さんが音声ガイドを吹き込んでくれた映画も。そんな作品には、声優さんのファンの方が沢山集まって見に来てくれることもあるのだとか。
上映作品や上映時間は、月ごとに変わります。午前の回、午後の回、夕方の回の1日3作品を基本として、月によっては夜の回の上映もあります。
ただし、この映画館の特徴として、他のお客様に上映を待っていただくこともあります。様々なハンデのある方に対応するため、予約の方が遅れたり、着席に時間がかかる場合、アナウンスでその旨お伝えすることがあります。お客様も、そういった優しさに触れて「こういうところがこの映画館のいいところだよね」と温かい気持ちで受け入れてくれているそうです。また、上映の入っていない夜の時間帯や、定休日は、1時間7500円で、シアターのレンタルも行っています。仲間を集めて映画会をしたり、演奏会・朗読会など、様々に活用いただけます。

人々が見過ごす映画からのメッセージ

支配人の考える今後のビジョンとしては、映画を通じて、人々の心を動かすにはどうしたらいいか働きかけていきたいとのこと。普通の人が見過ごすようなもの、気づかないようなものを、映画を通じて気付いてほしい。そのためにはどうすればいいか、もっとできることがあるのではないかと、考えておられるそうです。
代表の平塚さんは、とにかくこの映画館を、くつろげる場所、居心地のいい場所、帰りたくなる場所、そして、逃げられる場所にしたい、と考えています。普通の映画館のようなシステマティックな無機質な映画館ではなく、日常に疲れた人たちを包み込み、守ってあげられる、安心できる場所にしたい。そのために『CINEMA Chupki TABATA』は今も昔と変わらない、人のぬくもりや、温かさを感じるシステムで優しく迎え入れてくれます。

今まで映画館に行くのをためらわれていた小さなお子様連れの方や、障がい者の方、お年寄りの方にこそ心行くまで映画を楽しんでもらいたい。そして、遠くの映画館まで行かなければ映画が楽しめなかった映画好きの方も、一緒に映画を楽しめるのが『CINEMA Chupki TABATA』です。最近映画館がご無沙汰だなーという方は、ぜひ足を運んでみてください。席数が少ないので、ご予約をおススメしております。日本一小さくて優しい映画館で、癒しの時間をお過ごしください。

店舗名 CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)
住所 東京都北区東田端2-8-4
電話番号 03-6240-8480
アクセス 山手線田端駅北口から徒歩5分
営業時間 10:00〜23:00
定休日 水曜日
ホームページ http://chupki.jpn.org/