【沖縄・首里】モコモコでふわふわ!王宮で愛飲されてきた幻のお茶“ぶくぶく茶”を体験できる『嘉例山房』

沖縄には昔から愛飲されているさまざまなお茶があります。さんぴん茶、月桃茶、うっちん茶、ゴーヤ茶…。耳に、そして口にしたことがある方も多いですよね。しかし、沖縄ならではのお茶は、これだけではありません。
古くは琉球王朝時代から伝わる沖縄固有の茶道。そこで親しまれてきた“ぶくぶく茶”をご存知でしょうか。まるで雲のようなモコモコでふわふわの泡がお茶の上にのせられたぶくぶく茶。戦争によって一度は絶えたこの幻のお茶の伝統を、現代に蘇らせた茶房『嘉例山房(かりーさんふぁん)』では、その不思議なお茶をいただくことができます。今回は二代目代表・みつぼしさんにその歴史やお茶の楽しみ方について伺ってきました。
伝統ある“ぶくぶく茶”を現代に再現!

今から約600年前、琉球王朝時代の王宮ではお祝いの席や月見会などで“ぶくぶく茶”が飲まれてきました。元は“福福茶”と書き、福を呼び込む縁起の良いお茶として飲まれていたそうです。それが長年の間に音が濁り、“ぶくぶく茶”と呼ばれるようになりました。
このぶくぶく茶は、第二次世界大戦時に350年前の文献が失われ、一度はその伝統を絶やした幻のお茶です。それを現代に蘇らせようとぶくぶく茶を研究する団体が発足されたのは平成に入って暫くしてからのこと。そこには、みつぼしさんのお母さまが在籍されていました。今から20年以上前には再現されていたものの、当時はごく一部の人しか飲むことができなかったようです。

首里城のほど近くに“福福茶”ののぼりを掲げた『嘉例山房』は、自分でお茶を泡立てることができる体験型のお茶屋さんです。
現在は二代目のみつぼしさんが店を切り盛りし、三代目が修業中とのこと。それでは、幻のお茶・ぶくぶく茶とはどんなお茶なのか、ご紹介しましょう。
素早くかき混ぜることでモコモコのふわふわに!
ぶくぶく茶は、湧き水でのみ泡立つという特徴があります。中でも沖縄南部の“硬水の湧き水”は泡立ちが良く、同店では南城市玉城にある垣花樋川(かきのはなひーじゃー)の湧き水を使用しています。垣花樋川は全国名水百選にも選ばれているほどの名高い水です。
泡の正体は何かというと、炒った米をこの水で煮た煮汁と、さんぴん茶、番茶を混ぜたもの。これを専用の茶せんで素早くかき混ぜると、モコモコでふわふわの泡が立ち始めます。20分ほどかき混ぜ続けると、器が見えなくなるほどの泡で溢れはじめるのだとか。

ぶくぶく茶は泡そのものを楽しむお茶。泡をお茶などのドリンクにのせて、砕いたピーナッツをかけていただきます。ドリンクはさんぴん玄米茶、月桃茶、うっちん茶、ゴーヤ茶など11種類のなかから選べます。お茶だけではなくコーヒーやジュースなどで楽しむこともできるそうです。さまざまなドリンクと一緒に泡を味わってみて、お気に入りの組合せを見つけてみたいですね。

雑貨に囲まれた賑やかな店内

『嘉例山房』は、みつぼしさんの自宅の一角を店舗としています。色とりどりのソファーやクッション、可愛い雑貨や美しい絵画などで店内はとても賑やか。陳列されている焼き物は、みつぼしさんの知人の陶芸家の作品で、気に入ったものを購入することもできますよ。観光で訪れた方がお土産に買われることも多いとのこと。

縁起を担ぐ“ぶくぶく茶”で旅の安全を祈願

“ぶくぶく茶”はかつて、王家に仕え中国との貿易のために船で旅立つ者たちが、出発前に飲むと無事に帰って来られるとして、縁起を担ぐために飲まれていたこともあるそうです。旅行で沖縄に訪れた際はこの幻のお茶を飲んで、旅の無事を祈願してみてはいかがでしょうか。
「縁起の良いぶくぶく茶を飲んで、健康的で幸せな生活を送ってください!」と、みつぼしさん。ぜひ首里城とあわせて『嘉例山房』に、足を運んでみてくださいね。
店舗名 | 嘉例山房(かりーさんふぁん) |
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住所 | 沖縄県那覇市首里池端町9 |
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電話番号 | 098-885-5017 |
アクセス | 首里城公園入口バス停から徒歩30秒 |
営業時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 火曜・水曜 |
ホームページ | https://tabelog.com/okinawa/A4701/A470102/47000295/ |