【北海道・札幌】じっくりコトコト体に優しい材料で作られたカレーが自慢『カレーとオムレツのお店 Suite』

※2024年現在こちらの店舗は閉業しています。

地下鉄二十四軒駅から徒歩2分。駅のすぐ近くに、2017年11月1日、新しくカレーとオムレツのお店がオープンしました。その名も『カレーとオムレツのお店 Suite（スウィート）』です。

福島での震災復興ボランティアでカレーに救われた

今回お話を伺った山口さんは和洋中華、居酒屋喫茶店など、飲食に関わることなら一通り経験してこられた飲食業界のベテランです。そんな山口さんが、カレーとオムレツという家庭的なメニューに辿り着いたのは、東日本大震災の復興ボランティアに参加したことがきっかけでした。
「自分にできることは、温かい食事で被災した人々の心と体を救うことだ。」そう考えた山口さんは、被災地で料理を振る舞い、復興を支えていました。しかし、家を失い、家族を失い、故郷を失った人々を目の当たりにすると、だんだん心が荒んできたと言います。疲れ切った山口さんが向かったのはカレー屋さんでした。そこで食べた素朴で優しい味に、ホッとしたのだそうです。
過去にはフレンチ、イタリアン、ホテルでの高級料理や和食懐石などを一通り経験した山口さんですが“料理の原点はここにあるんじゃないか”と、大衆料理の良さに気が付いたそうです。“カレーは人の心を穏やかにできる”そんな想いを胸に北海道に帰ってきた山口さんは、喫茶店を改装し、『カレーとオムレツのお店 Suite』を開店したのです。

野菜たっぷりのスープカレーが一番人気

『カレーとオムレツのお店 Suite』の人気メニューは、野菜たっぷりのスープカレー“野菜カレー”。鶏ガラ、牛骨、魚、エビ、野菜などで出汁を取り、じっくり煮込んだ野菜だけのカレーです。化学調味料は極力使わず、10kgのトマトを4kgになるまで煮込んで旨味を出したり、玉ねぎを煮込んで甘みを出したり、塩分は控えめにしたりと、体に優しい味づくりにこだわっています。

次に人気なのが、オムライスのデミグラスソースをカレーに変えた“オムライスカレー”です。カレーはスパイスを独自でブレンドし、小麦粉を炒め、オリジナルのデミグラスソースを加えたもの。他店では真似できない、ここでしか味わえない一皿に仕上がっています。

ずっとこの地で自分の店を

山口さんのお店は自宅の1階部分を使って、喫茶店をオープンしたのが始まりです。ずっとこの土地で様々な業態で料理を振る舞い、地元の人に愛されてきたのだそうです。それ以前にも華々しく料理業界で活躍されてきた山口さん。料理だったら何でも作れるとのこと。この『Suite（スウィート）』という店名も“sweet（甘い）”ではなく、“suite（一揃い）”という意味です。全てを兼ね備えた幅広い料理に対応できるという意味を持たせています。昔ながらの常連さんは、以前のお店時代のメニューをリクエストしたり、フランス料理のフルコースを予約したりするのだそうです。また、パーティー用のオードブルやおせち料理などのテイクアウトにも対応。お店でできることと、お客様の要望の中で折り合いをつけつつ、可能な限り様々な料理に対応できるのが、同店最大のアピールポイントです。

味はいつも試行錯誤の連続

そんな山口さんですが、カレーの味はいつも微妙に異なり、試行錯誤の連続だといいます。決まった通りの作り方をしても、出汁の出方がいつも違い、毎回味が変わるのが今の悩みだそうです。
独自の研究で始めたパン作りも“今日は可愛く焼けたな。今日は可愛くないなぁ”と、なかなか一筋縄ではいかないそう。
「料理は化学反応。味が違ったら取り返しがつく。しかし、パンの化学反応は焼きあがるまで分からないです。」と山口さん。試行錯誤をしながら焼くパンは、その分楽しくやりがいもあるとのこと。そんな努力の甲斐あってか、今ではリピーターも増え、パンの人気にも火が付いているとのこと。同店のパンは他のお店にも卸していて、そこでも人気商品となっているそうですよ。

今後のビジョンとしては、パン同様、カレーや他の料理も他店に進出させていきたいとのこと。同店でしか味わえないメニューの数々を、多くの場所で味わえる日が楽しみですね。
「遠慮なく、どんどんお店に入ってきてください。リクエストがあればお応えしますよ。」と山口さん。是非『カレーとオムレツのお店 Suite』に足を運んでみてください。
心がホッとする優しいカレーが、あなたの日々の疲れを癒してくれますよ。