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【東京・神田】心を込めたおもてなしと本物の食材。老舗料理店『車力』が60余年愛される理由

秋葉原駅の昭和通り口から浅草橋方面へ進むと見えてくる、旅館のような温もりある門構え。今回ご紹介するのは、今年で創業61年を迎えた、老舗の小料理店『車力(しゃりき)』です。三代目店主の飯島さんが自慢の目利きで仕入れる食材は、色々な料理に姿を変え、お客様の目と舌を楽しませています。接待や大切な会食の席に利用される同店では、従業員一同がお客様の満足を一番に考えており、いつでも温かいおもてなしで迎えてくれます。

創業60年以上の老舗小料理店

『車力』の創業は、自宅で洋服店を営んでいた飯島さんのお祖母さんの代にさかのぼります。“美味しいものに価値を求め、共に食卓を囲むことで、人と人の繋がりが生まれる”そんな時代の流れを感じ取ったお祖母さんは、洋服店を改装し、日本料理のお店として再出発を決意します。そして、その後60余年に渡り『車力』の歴史が刻まれることとなりました。
心を込めた料理で、多くのお客様の心に感動をもたらしてきた同店。常連様の思いと先代の誇りを引き継いだ飯島さんは、おもてなしの心を胸に毎日腕をふるっています。

従業員の心をひとつに

「お店の規模が大きいので、従業員をうまくまとめなければなりません。接客でも厨房でも、互いの連携が取れていないとお客様をお待たせしたり、不快な思いをさせてしまいますから…。商人と職人の考え方の違いがあるのか、料理人とうまく折り合いをつけていくことにも、何度も頭を悩ませました。」老舗を支えていく中では様々な苦労があり、時には他の従業員とぶつかり合うこともあったのだそう。でも皆、“最高の味を届けて、お客様に喜んでもらいたい”という心はひとつ。その気持ちを柱に、従業員一同をまとめ上げてきたのだと飯島さんは話します。

自分たちの持てるおもてなしで勝負

▲ゆったり過ごせるテーブル席(2名様~16名様)

接待に重宝される一方、少人数向けのテーブル席があったり、お昼には1,000円代で食べられる定食が用意されていたりと、『車力』はビジネスシーンに限らずどんな方でも温かく迎えてくれるお店です。
行列のできる人気店、グルメサイトで話題のお店…繁盛店の基準は数あれど、“料理、接客、環境など自分たちの持てる力で勝負する”というのが飯島さんの考え方です。つまらないものに左右されず、『車力』の味を心から愛し、価値を感じてくれるお客様に支えられていることが、励みになっているのだといいます。

お客様に合わせた柔軟な対応

▲広々とした、大宴会向けの掘りごたつ個室(32名様まで)

「接待は、お客様のお客様を相手に準備をしなければなりません。人数とか、食べられないものがあるとか、どんな状況にも臨機応変に対応することが大切です。大手には真似できない融通を利かせることが、お客様からの厚い信頼に繋がるんです。」マニュアルに縛られず、その場の状況に合わせた接客を大切にお店作りをしている飯島さん。そのため、従業員の育成には、他店には決して負けない自信を持っているそうです。

月の食材をふんだんに使った会席料理

宴会メニューは、旬の鮮魚と野菜を中心にした6,000円のコース、肉料理、鮮魚、新鮮野菜を心ゆくまで楽しめる8,000円のコースがあります。月の食材は公式HPで紹介されており、今の時期には脂の乗ったさんまや秋鮭など、秋の深まりを感じる食材が登場します。お酒をメインに楽しみたい方や小食の方には、料理のボリュームを抑えた5,000円の小会席コースがおすすめですよ。
その日、一番美味しい食材を、新鮮なうちに楽しめるコース料理。でも型にはまることなく、お客様の希望や苦手なもの、アレルギーなどをお伺いし、全員が楽しい時間を過ごせる構成を一番に考えているそうです。

伝統の技が光る一品料理

夜は会席料理以外にも、職人の技が光る一品料理が楽しめます。ダシが香る割り下と、採れたての地鶏の卵を使った“関東風厚焼き玉子”(700円)は、創業以来変わらずに愛されてきた一品です。押された焼き印から、料理に込められたお店の誇りを感じますね。ふっくら優しい甘さに大根おろしの辛味が加わり、懐かしくて心休まる味が楽しめます。

お刺身の盛り合わせは、“梅”(2人前1,800円)、“竹”(3人前2,800円)、“松”(4人前3,800円)から選ぶことができます。キラキラと光る鯖、引き締まった桜色の身が美しい鯛、透き通った生しらすなど、その日仕入れた採れたての海の恵みが並びます。いつでも新鮮なものを提供するため、品切れ次第、メニューの記載とは別の魚に変わるそうです。また、特にお好みのネタがある場合は、事前に連絡をすると、対応してくださるとのこと。

2人前1,500円の天ぷら盛り合わせは、えび、獅子唐、茄子など具材の食感を活かし、衣を薄く上品にさっくり揚げています。1本300円で海老天を追加することもできますよ。
きのこたっぷりの野菜あんかけが美味しい揚げ出し豆腐“こはく豆腐”(800円)や、創業以来継ぎ足してきたタレに漬け込み、遠火でじっくりと旨みを閉じ込めた“銀たら照り焼き自家製たれ”(1,600円)など、伝統の技が光る逸品の数々をお楽しみください。

その日一番美味しいものを

「当店のメニューは、365日変わります。どの食材にも“四季”という4つではくくれない旬があるので、その日一番美味しいものを目利きで選んでいます。暑いかと思えば次の日は涼しかったりして、お客様が“食べたい”と思うものも毎日変わっていきますからね。」ランチの定食は15種類もあり、選ぶ楽しみもひとしおです。夜も食材を常に50種類ほど用意し、“本日の献立”として日替わりの色々な料理が楽しめます。
また、日本料理に多い、食べられない飾りを使った過剰な演出は、料理の味を曖昧にしてしまうと飯島さんは考えます。そのため、同店では余計なあしらいをせず、シンプルかつ美しく盛り付けることにもこだわっています。

変わらないことと、変わること

▲時間を忘れてくつろげる、少人数向けの掘りごたつ個室(6名様まで)

現在の店舗は、40年ほど前に作られ、つい最近改装を加えたものなのだとか。その際、柱を残して、掘りごたつを作るなど、古いものを残しつつも現代風に作り上げたそうです。それまでのものを全く変えてしまうのではなく、古き良きものの味を残して磨きあげ、時代を取り入れたおもてなしをする。そんな老舗の鏡ともいえる『車力』は、訪れた人の心に安らぎをもたらし、幸せな気持ちにしてくれる料理店です。

根の深いお店にしていきたい

「変わった料理を考えたり、店舗展開に躍起になったりして横に広げるのではなく、もっと下に掘り下げていこうと思います。例えば、いつも来て下さる皆さんに心からのおもてなしをするとか、意見を柔軟に取り入れるとか。“車力の料理と人が好きだから、いつも宴会をお願いする”と言ってもらえるような、付加価値のあるお店を目指したいです。」と飯島さんは力強く語ってくれました。

こだわりを持って選んだ食材が織りなす、季節の移ろいを感じる料理。守られてきた伝統の味を楽しみに、皆さんも一度、『車力』を訪れてみてはいかがでしょうか。

店舗名 車力(しゃりき) 
住所 京都千代田区神田佐久間町2-10 
電話番号 03-3861-6170 
アクセス 秋葉原駅から233m
営業時間 月~金11:00~13:30/17:00~22:30、土11:00~13:30(昼のみ営業) 
定休日 日・祝 
ホームページ http://shariki.jp/">http://shariki.jp/

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