【福岡・千早】ラグジュアリーなジェラートをあなたに。『ジェラート ナトゥラーレ』

　博多からJRで3つ目の千早駅から10分ほど歩くと、自然豊かで落ち着いた住宅街が広がり、ひっそりと手作りジェラートのお店がありました。その名も『ジェラート ナトゥラーレ』。民家を改装したおしゃれなお店で、笑顔の素敵なオーナーが出迎えてくださいます。オーナーの浦本さんにお話をうかがいました。

イタリアで気づいた日本との意識の差

―――イタリアでジェラートとコーヒーを修行されたとうかがいましたが、そもそもこのお店を出そうと思われたきっかけは何だったんですか？

　「イタリアはオーガニックの食材を扱うお店がたくさんあるんです。オーガニックの食材は、農薬や化学肥料に頼らず、自然本来の姿で植物や動物を生育し、食物連鎖の健全なかたちを維持して作られた食材のことを言います。福岡にもオーガニック食材を扱うお店はあるけれど、まだまだ少ないですよね。世界的に見ても日本はかなり遅れているように思います。ゆくゆくはオーガニック食材を広めていきたいと考えているのですが、いきなり全部というわけにはいかないので、まずはイタリアのジェラートとコーヒーから始めることにしました。」

―――ということは、こちらで扱っている食材は全てオーガニックということですか？

　「もちろんです。例えばジェラートに使う牛乳は、熊本の玉名牧場で、通年自然放牧で育てられたジャージー牛のものを使っています。東京ドーム約3個分の広さの牧草地で、年中青い牧草だけを食べて育つ牛の乳は濃厚なうまみと甘さがあり、後味はとてもさっぱりしています。また砂糖には鹿児島県の喜界島産の白黒糖を使っています。無肥料・無農薬で育てられた原種のさとうきびを使って、通常では考えられないほどの手間をかけて作られた白黒糖は、ミネラル・ビタミン等の栄養素が豊富に含まれ、香り高く、深い味わいがあります。」

素材の良さが実現する味と香り

――その牛乳はここでも購入できるんですね。1リットル…900円!?ちょっと庶民には手が出しにくい高級品ですね（笑）。ほかにも黒糖とかゴマとかきな粉とか…。ここで販売しているものを使って、ジェラートを作っていらっしゃるんですよね。

　「こういう食材はなかなか手に入れにくいので、ここでお求めいただけるようにしています。私はジェラートに使用している食材の生産者の方と必ず会うようにしています。そうでなければ、その方のこだわりや想いは理解できないと思っているからです。現地で見て感じたことをダイレクトにお客さまに伝える事で、価値は伝わると思います。」

――喜界島の黒糖が600円とか、自然農法のきな粉が550円で買えるというのは、むしろ安いかもしれませんね。こういう材料を店頭に並べてしまえるのも自信があるからですよね。浦本さんの熱意が伝わってきます。

　「私が作っているジェラートは、保存料や着色料、合成甘味料、香料、遺伝子組み換え作物、増粘剤、乳化剤も一切使わないことにしています。増粘剤や乳化剤を使わずにジェラートを作るのは非常に難しいのですが、イタリアで学んだ技術をベースに試行錯誤して作り上げました。フルーツなどの仕入れ状況によってメニューは変わりますが、10種類前後のジェラートがお楽しみいただけます。」

――どれも色鮮やかでおいしそうですね。浦本さんオススメのジェラートはどれですか？

「プレミアムミルク」や「ハニージンジャー」…それから「モスト・ドゥーヴァ」もオススメですね。イタリアから取り寄せている葡萄ジュースがベースになっているんですが、砂糖を一切使っていないんです。もちろんジェラートにも砂糖は使っていません。赤ワインのように香り高く、葡萄ジュースのようにしっかり甘みがあって濃厚です。葡萄本来の味と香りが堪能できると思います。ん～、でも「煎茶」も捨てがたいなぁ…（笑）。これは鹿児島の知覧茶を使って作っています。お茶も無農薬栽培で、春先に採れる1番茶しか商品にしないという農家さんから分けていただいています。標高400～500ｍの高地で栽培されているので虫が少なく、寒暖差があることでお茶の香りや甘みが強いんです。ぜひ手づくりのワッフルコーンと一緒にお召し上がりいただきたいです。このコーンも毎日ここで作っているんですよ。

オーガニックの豆で淹れるコーヒーも魅力

―――さっきからお店に広がっているのは、コーンが焼ける匂いだったんですね。すっごくいい香り！どれもこれも厳選された素材が使われているのに、550円から楽しめるというのはおトクに感じます。オトナのご褒美にピッタリですね。

　「そう言っていただけると嬉しいです。ジェラートと一緒に本場イタリアの味を再現したコーヒーもぜひお楽しみください。豆は有機無農薬でフェアトレードコーヒーを扱う福岡・東区のPOPCOFFEES（ポップコーヒーズ）から分けていただいています。最近主流のシアトル系コーヒーも、ルーツはイタリアなんですよね。イタリアのコーヒーは圧力をかけて抽出するエスプレッソが基本なんです。日本にはイタリアン・スタイルで飲めるコーヒーがあまりないので、ここでは本場のメニューをお出ししています。」

―――福岡にいながらイタリアの味が楽しめるんですね。違いのわかる大人の贅沢って感じ！イートインスペースも落ち着いていて、リラックスできそうです。ここで大切な人と一緒に、上質の時間を楽しみたくなりました♪