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福岡

【福岡・警固】『鳥いち』で関東風のあっさり焼き鳥を食べてみませんか?

 2017年11月にオープンした『鳥いち』は、福岡では珍しい関東スタイルの焼き鳥をサクッと楽しめる専門店です。新鮮な若鶏の焼き鳥が食べられると聞きつけ、早速オーナーの松永さんにお話をうかがってきました!

朝引きの地鶏を関東スタイルで

――横に長いカウンターがバーンとあって、お客さまとお話がしやすそうですね。

 「焼き鳥はやっぱり焼きたてが一番おいしいので、すぐに提供できるように全てカウンター席にしてるんです。テーブルがあると運ぶまでに冷めちゃうんで(笑)。焼き鳥自体がシンプルな料理なので、お店もシンプルで統一感のあるデザインにしました。」

――朝引きの若鶏が食べられると聞いてきたんですが、朝引きだと何がいいんですか?

 「鶏肉も魚と同じで、ベタベタ触ったりすると、そこからどんどん悪くなっていくので、誰も手を付けてない状態でもらうってのが一番重要なところですね。うちは丸鶏を使ってるんですけど、鮮度を保てるし、自由に好きな形で切り分け出来るのもいいところですね。」

――ちなみに今は何の作業をされているんですか?

 「これですか?これは砂肝ですね。今は余計な水分をとっているんです。砂肝の周りを銀皮って言うんですけど、この部位は焼いたら硬くなるのと独特の香りがするので取り除く作業をしてます。」

――下処理もお店でしているからこそ、新鮮でおいしい焼き鳥が食べられるんですね!そうそう、こちらのお店の焼き鳥は関東スタイルって聞いたんですが、九州とはどう違うんですか?

 「九州は豚バラ、牛、鳥以外のものも焼くんですけど、関東は基本鶏しか焼かない焼き鳥専門店がほとんどです。“おまかせ”や“○本コース”というスタイルも関東ならではですね。本数も“おまかせ7本コース”とか“10本コース”とかで。『鳥いち』は5本のスタイルでやってます。」

――どうして5本なんですか?

 「まあ警固っていう場所が、やっぱり食べ物好きな人たちがいろんなお店をはしごするってイメージがあったので。この辺は立ち飲み屋も多いので、1軒目で軽く、もしくは2軒目に来て飲めるようなスタイルにしてます。福岡では焼き鳥専門店で軽く飲めるとこが少ないと思ってうちは軽く、サクッと飲めるように考えています。」

――なるほど。確かにお店の見た目も内装も、ちょっと寄れそうな雰囲気がありますね。

 「おひとりさまでも入りやすいように、メニューも全部1人前で、価格設定や量も全部1人から注文できるようにしています。昨日もお一人のお客さまが5組来ましたね。」

食べたい部位を教えてください!

――松永さんの配慮がお客さまにしっかり届いているんですね~。ところで、おまかせコースの5本だと、どんな焼き鳥が食べられるんですか?

 「基本は1本目にサビ焼きっていう、ササミにワサビを乗せたのを必ず出すようにしています。あと、だんご……いわゆるツクネですね。ツクネってつなぎを入れたりしてつくねるからツクネって言うんですけど、うちはつなぎを全く入れてないんでだんごって呼んでます。モモとかムネとか、全身のお肉、皮とかも入ってるんですよね。いろんな食感と味が楽しめる一本になってますね。」

――なんでつなぎを入れてないんですか?

 「まあ、つなぐ必要がないと思って。もちろんつなぐ意味としては、焼きやすくするためにとか、焼いてる途中に崩れないようにってことなんですけど、つなぎを入れないことによって、より無駄なものを省くっていうか、焼き鳥自体シンプルな料理なので、余計なものを入れないで本来の素材のおいしさを引き出したいっていう思いがありますね。なので、ネタのほとんどは塩焼きです。タレはネギ巻きとかしわとレバーくらいで。」

――お店の根底のところにシンプルっていうのがあるからこそ、余計なものは入れてないと。

 「そうですね。必要ないと思ったものはなるべく入れないって形をとっています。おまかせ5本のうち、残りの3本は日によって変わります。砂肝、ぼんじり、ネギ巻きなど全体のバランスを考えながら5本を決めていきます。一応5本以外もネタを用意してるんで、5本食べた後にアラカルト注文できるようなスタイルにしてるんですが…。」

――でもメニューには書いてはないですね。

 「書いてはいないんです。なんで書いてないかっていうと、その一羽からとれる数ってのが限られてるからです。例えばハツは心臓ですけど、1羽に1個しかついてないんで、数としてはそんなに取れないんですよね。」

――じゃあ「今日はこれがありますよ。」「売り切れましたよ。」っていうのを口で伝える感じですか?

 「そうなんです。全部メニューに書いちゃうと、「あれもない、これもない。」って感じになるんで、あえて書いてないんですよね。ある意味不親切なんです。わかってる人だけが注文するみたいな感じなんですよね、今は。「5本しかないんだ。」という感じで帰ってく方もいらっしゃるので、うちの楽しみ方をもっと知ってもらうことが今の課題ですね。」

――大々的にメニューには書けないけど、ぜひお客さまに食べてほしい部位ってどれですか?

 「部位ですか?えーっと、そうですね、おすすめ…。今僕が使っている若鳥って飼育日数が50日くらいの鳥なんですね。骨が成熟する前の鳥なんです。だから骨が結構やわらかくて、部位によっては軟骨として食べられる部分もあります。ゲンコツっていう膝軟骨とか、あとスジって呼んでるんですけど、アキレス腱もよそでは食べられない部位ですね(笑)。オススメです。」

野菜やワインも楽しめる!

――なんかこう、通の人しか知らないような部位ですね(笑)。メニューを拝見すると、鳥刺しとかレバーパテに紛れて、いぶりがっこっていうのがあるんですけど、これって確かたくあんの燻製ですよね?

 「そうです、秋田の郷土料理ですね。僕は佐賀出身で全然関係ないですけど(笑)。炭火の焼き鳥って肉の油が落ちるじゃないですか。その油が落ちて、煙が上がって、その煙でいぶされて焼き鳥に炭の香りがつくんですよね。いぶりがっこもそれに通ずるものがあるので。これもあったりなかったりなんですけど。」

――へぇ~、珍しい!それから焼き野菜もおいしそうですね。ヤマイモ、ナス、ズッキーニ……洋風の野菜もある!

 「ズッキーニを焼くと結構うまいんですよ。シンプルに塩だけなんですけど、厚切りにしてしっかり焼くってよりは中をサクッていう歯ごたえがあるぐらいで仕上げるんですよね。すごく面白い食感になります。これからどんどんズッキーニが大きくなって、種のところがどんどん柔らかくなるんで、ホントに今だけの味です。」

――じゃあ焼き野菜も季節によって変わったりするんですね。焼き鳥の間に焼き野菜が入ると味にバリエーションができて食が進みそうです。こういう料理にはどんなお酒が合いますか?

 「そうですね、日本酒かワインがいいと思いますね。」

――ワインですか?

 「はい。うちは自然派ワインを60~70種類ほど置いてます。自然派ワインは軽くて飲みやすいものが多いんですよ。若鶏って飼育日数が短いので、地鶏に比べると味が淡白で優しいんですよね。うちの焼き鳥は「素材の味が楽しめてすごくいいね。」ってよくお客さまに言われるんです。やっぱり素材の味を大事にしてるんで、それを崩さないようなワインとなると、普通のワインより軽くて飲みやすい自然派の方がいいと思います。無添加なので抜栓して1日~2日しか持たないので、ほとんどボトル売りですが。」

――その中でも「あーこれは出るな。」っていうワインの銘柄とかありますか?

 「これ!っていう銘柄とかはないですが、赤、白ともにブルゴーニュのワインは結構出ますね。白ワインはシャルドネ、赤ワインはピノノワールっていう品種でどちらも料理に合うワインですね。」

厳選された日本酒&焼酎も味わいたい

――日本酒の種類も多いですね。

 「日本酒も力を入れてる方だと思います。季節によって、冬は燗酒に向いたやつとか、夏はやっぱり冷酒に合うスキッとしたやつとか、コロコロ変えてますね。あと焼酎も。特に芋焼酎はよく出るんで“大和桜”っていう焼酎を使ってるんですよね。結構こだわって焼酎作りされてる酒蔵なんですけど。」

――大和桜はどちらの酒蔵ですか?

 「鹿児島です。全部手作業で作ってる小さい蔵なんですけど、個人的に大好きで。今使っているのは紅芋って種類なんですけど、ほんのり甘い香りがしてバランスがいいんです。ソーダ割にすると甘い香りが上がってきて、すごく心地よい感じですね。もちろんロックとかでも全然いける焼酎ですけど、これから暑くなるので、ソーダ割はお勧めですね。あとは“安田”。これも鹿児島なんですけど。」

――芋焼酎はやっぱり鹿児島がいいですか?

 「そうですね、宮崎や鹿児島の焼酎はおいしいですね。安田は蔓無源氏(つるなしげんぢ)っていう、貴重なサツマイモで作った焼酎で個性的です。それを何本か持ってて、今出してます。」

――へぇ~。焼き鳥に限らず、野菜とかお酒とか、細部にわたって気配りされてる感じがひしひしと伝わってきますね。

 「B級グルメなんて言われる焼き鳥で、丁寧にクオリティを高めた仕事をするっていうのが、僕らの仕事っていうか。一見カジュアルだけど、ちゃんとしたものが出てくるっていうのが、今の時代に合ってるんじゃないかなって思うんですよね。とにかく食べ物が好きな人に、ホントにおいしいものを楽しく食べてほしいんですよ。」

――ほんとに気軽に来れる価格帯なので、幅広い年齢層に喜ばれそうですね。焼き鳥5本とワインでサクッと飲むことができるっていうのも、今までにないカジュアルさがあって若者ウケしそうな気がします。

 「若い人にももっと焼き鳥のおいしさを知ってほしいですね。僕は田舎育ちだったんで、20代の頃に焼き鳥専門店があることなんて全然知らなかったのでぜひ一度試していただきたいです。」

店舗名 鳥いち
住所 福岡県福岡市中央区警固2-15-23 1F
電話番号 092-712-0020
アクセス 地下鉄空港線・赤坂駅から徒歩8分
営業時間 18:00~24:00(L.O.23:00)
定休日 日曜日・祝日 ※変更の場合あり
ホームページ https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40048025/
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