【長野・大町】東京からのUターン。大町に新しい風を吹かせる『ALPSTYLE CAFE』

　長野県大町市は長野県の北西部に位置し、立山黒部アルペンルートの玄関口としても有名なまちです。山々に囲まれた田園風景の中に、一際目立つおしゃれなカフェ。「あれ。ここ大町だよね？」「こんなお店あったっけ？」と通り過ぎる人々を思わず二度見させてしまうような一軒です。
　そんな素敵なお店を仲間とともに作り上げた店長の髙橋さんに、お店に対する想いについてお話を伺ってきました。

東京からのUターン

　髙橋さんは、今も活躍されているダンサー。東京を拠点にして、忙しい日々を送られていたそうです。そんな髙橋さんが地元である大町市にUターンし、2018年の5月1日にお店をオープンされました。その理由は、地元である大町市を盛り上げたいと思ったからだそうです。飲食業界は未知の世界でしたが、大町に新しい居場所を作るため仲間とともに髙橋さんの挑戦が始まりました。

キッズスペース、wifi、コンセント…お客さまの用途に合わせた空間を

　場所や物件はすでに決めており、探す必要はなかったと言う髙橋さん。ですが、既存の物件は理想のイメージとかけ離れたものだったため、手を加えることにしました。業者に委託することは極力避け、ペンキ塗りや照明の設置、店内のオブジェの飾り付けなど、できることは自分達でおこないコストを抑えたそうです。

　内装で特徴的なのは、お客さまの用途に合わせた空間を提供していることです。お子さまがいるお客さまには、キッズスペースで楽しくゆったりと過ごせるように。仕事をしたいお客さまには、コンセントが付いているカウンターで有意義な時間が過ごせるように。また、コーヒーをご注文いただいたお客さまにお替りを100円で提供するなど、長居する方にも嬉しいサービスを提供されています。ぜひ用途にあった空間でお楽しみください。

エアロプレスで淹れる、こだわりのコーヒー

　オススメのドリンクは、コーヒー。そこにはたくさんのこだわりが隠されていました。
　まずは、豆です。”浅煎り”と”深煎り”の2種類から選べるのですが、そのブレンドはオリジナルのもの。浅煎りは、ドミニカ、ブラジル、ブルンジ、ホンジュラスの配合で、シトラスのようなクリアな酸味とやわらかな苦味ですっきりとした後味を楽しめます。深煎りは、マンデリン、インディア、タンザニア、コロンビアの配合で、華やかな苦味とナッツのような香ばしいコクと甘みで奥行きのある豊かな後味を楽しめます。どちらもとてもおすすめなので、ぜひ違いを楽しんでみてください。
　次に、抽出の仕方。同店では、近年注目が高まっているエアロプレスを導入しています。注射器のような形状が印象的で、これで淹れたコーヒーは酸味と甘みのバランスが良く、スッキリした後味になるのが特徴です。ブラックコーヒーが苦手な私でも「ここのお店ではブラックがいい！」と言うくらい、美味しいコーヒーです。ブラックが苦手だと思い込んでいる皆さまも、チャレンジしてみるのをおすすめします。

お値段以上のハンバーガー

　コーヒーのお供といえば、パン。『ALPSTYLE CAFE』では、無添加小麦粉で作るこだわりのパンを使って、さまざまな軽食を提供しています。美味しそうなメニューを見ていたところ、驚いたことに1,000円越えのハンバーガーも。ファーストフードやファミリーレストランが並んでいる通りで、正直なところかなり攻めた価格です。しかし、一番人気のメニューであるチーズバーガーを口に運ぶと、「…美味しい。」。今まで食べたことのない、深い味わいのチーズバーガーでした。他のメニューも気になるところ。何度も足を運んでしまうリピーターも多そうですね。
　また、冬季（11月から）はコーヒーを注文するとトーストが付いてくるモーニングサービスもスタートされたそうです。寒い日々が続きますが、早起きをしてぜひモーニングを体験してみてください。

地域のためにできること

　最後に、髙橋さんに今後の目標やに夢ついてお聞きしたところ、「みんなが集う場所にしたい。」とおっしゃっていました。FacebookやInstagramで日々の様子をお知らせしたり、イベントの企画や新しいメニューの開発など、飲食店運営未経験ながらも日々奮闘されている髙橋さん。その想いや熱意が今、人々を通して届き始めているように思います。キッズスペースでイベントを主催したい方や、写真や絵を展示したい方、貸切パーティーで使いたいう方など、お客さまの中からこのお店を通して何かをしたいという方も出てきているそうです。まだオープンして半年の同店。今後のどうなっていくのかがますます楽しみです。
　人がその人らしく輝ける場所を作る、『ALPSTYLE CAFE』。これからもたくさんの人の笑顔が生まれる場所になりそうですね。

■文、写真・南谷有美