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リース・割賦・レンタルの違いとは?

会社は年間を通して様々なものを購入しますが、現金購入の他にいくつか方法があります。それが、リース、割賦、レンタルです。今回はこれらの違いについて説明していきます。

リース、割賦、レンタルと減価償却の関係

何かを購入、レンタルする場合、どのような方法にするべきかを選択するのに考える必要があるのは、そのモノは会計上どのような方法で処理しなければならないのか、ということです。会計上経費として計上できるか、資産として計上しなければならないのかによって決算処理は変わり、経営に大きく影響を与えることもあります。

経費であれば、購入した金額をそのまま経費として計上します。それに対し、固定資産、償却資産とされるものは、定められた償却期間に従って、数年に渡って経費を計上する必要があります。例えば200万円の機械設備を購入した場合、6年に渡って約33万円ずつ費用に計上していきます。

また償却資産の場合は、固定資産税がかかる場合もありますので、注意が必要です。固定資産は金額が大きいものが多く、減価償却での計上を考えていく必要があるため、キャッシュとのバランスをコントロールしていかなくてはなりません。

同じものを使う場合でも、購入方法によって会計計上の方法が変わってきます。なので必要な物を揃えるときに、「一括購入」にするのか、「リース」にするのか、「割賦」にするのか、「レンタル」にするのかも経営するうえで重要な選択と言えるでしょう。

≪固定資産税の対象となるもの例≫
・土地
・建物
・償却資産

≪償却資産の対象となるもの例≫
・車両
・機械装置
・事務机
・看板
・パソコン
など

リースとは

企業が購入したいものを、リース会社が購入し、その企業に対して合意された期間で賃貸する取引のこと。所有はあくまでリース会社になります。そのため、契約が満了したときには商品を返すか、同じものをさらに低価格で再度リース契約、または買取するということになります。

リース取引は3種類

大きく分けると、「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」に分けられます。

ファイナンス・リース取引

ファイナンス・リース取引とは、リース期間の途中で契約を解除することができない取引で、使用に伴い生じるコスト、例えば故障などがあった場合は、借りている企業側がコストを負担します。
ファイナンス・リース取引は、「所有権移転ファイナンス・リース取引」と「所有権移転外ファイナンス・リース取引」の2種類があります。

■「所有権移転ファイナンス・リース取引」
・リース期間終了後、又はリース期間の途中に所有権が借手に移転する。(資産をもらうことができる)
・売買処理で処理される。
・基本的に自己所有資産と同様の処理。(ローンを組むのとほぼ同じ)

■「所有権移転外ファイナンス・リース取引」
・リース期間満了時にも資産をもらうことはできない。
・契約を続けるには再度リースを組む、または買取などが必要。
・リース資産をリース期間定額法により減価償却で処理。

オペレーティング・リース取引

オペレーティング・リース取引は、ファイナンス・リース以外のリース取引。中途解約ができるもの、またはリースの保守やメンテナンスをリース会社が負担するもの、またはその両方を満たす取引が対象になります。リース期間満了時にはモノは返却します。

会計計上について

ファイナンス・リース取引は、減価償却資産として減価償却します。ただし、中小企業の場合は、負担軽減の為、通常の賃貸借取引として処理が可能とされています。オペレーティングリース取引は、賃貸借取引とされます。リース料を経費として処理します。

リース取引のメリット・デメリット

リース取引のメリット
・高額な事務機器や車両など、一括で支払う現金がない場合でも購入できる
・契約の内容によっては、固定資産の管理などを行う必要がない
・経費の計上が長期になるので、年間のコストが下げられる

リース取引のデメリット
・手数料や利息を支払わなければならないので、総額は購入するより高くなる。
・契約の内容によっては、契約の満了時にリース会社に返却しなければならない
・基本的に中途解約できない

割賦とは

割賦とは、「2カ月以上の期間にわたり3回以上に分けて代金を支払う」契約のことを言います。
一般的に「分割払い」と言われ、クレジットカードでの分割払いやリボルビング払いもこれに当たります。

・契約期間にあわせて分割払いし、契約終了後の所有権は購入者自身になる
・契約期間中の中途解約は禁止
・所有権があるので、固定資産となり各処理が必要

割賦取引のメリット・デメリット

割賦取引のメリット
・高額な事務機器や車両など、一括で支払う現金がない場合でも購入できる
・購入した物は資産になる。売却することも可能
・経費の計上が長期になるので、年間のコストが下げられる

割賦取引のデメリット
・一括で購入する場合よりも割高。利息や手数料を支払わなければならない。
・中途解約はできない
・固定資産税がかかる

レンタルとは

レンタル会社が既に所持しているモノを、必要な期間借りることを言います。もちろん所有権はレンタル会社になります。購入やリースより割高になりますが、短期間で使いたい場合には向いています。

レンタルのメリット・デメリット

レンタルのメリット
・短期契約が可能
・支払いを経費処理できる
・固定資産税などの申請は必要ない

デメリットのデメリット
・リースよりも割高
・借りているだけなので、会社のものにはならない

リース、割賦、レンタルの違い

リース

モノの選択:欲しいものを選んで契約できる
契約期間 :通常3~10年
所有権  :リース会社(後に所有権を移転できる場合もある)
会計処理 :原則リース料全額を損金処理
中途解約 :原則できない
料金   :リースの方がレンタルより割安
      購入に比べると割高
      リース期間満了後の再リース料は更に割安
期間満了後:所有権を移転、またはリース会社に返却、または再リース契約で延長利用するなど

割賦

モノの選択:欲しいものを選んで契約できる
契約期間 :通常5年以内
所有権  :会社(購入者)
会計処理 :減価償却で処理
中途解約 :原則できない
料金   :レンタルより割安
      購入に比べると割高
契約満了後:購入者の資産となる

レンタル

モノの選択:レンタル会社が所有しているものの中から選んで契約する
契約期間 :短期間から借りられる
所有権  :レンタル会社
会計処理 :レンタル料全額を損金処理
中途解約 :可能(各レンタル会社の規定による)
料金   :リース料より割高。期間が短いほど高い。
期間終了後:レンタル会社に返却、またはレンタル延長など

まとめ

資産になるような大きな買い物の場合、どの方法をとるか迷ってしまうこともあるかと思います。
そのモノを所有したいかしたくないか、長期で利用したいのか短期でも良いのか。所有する場合は固定資産税が掛ってくることに留意が必要です。長期で利用したい場合は、購入又は割賦、リース契約がよいでしょう。所有しなくてもよく、短期の利用でよい場合はレンタルを選んでもよいかもしれません。

リース、割賦、レンタル、または一括で購入するべきかは、それぞれのメリット・デメリット、特徴を理解すると、会社の状況や使いたい頻度などにより選ぶことができると思います。状況に合わせ確実に判断していきましょう。

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