飲食店経営でスタッフの離職率を抑えるために知っておきたいポイント4選
みなさんこんにちは。開店ポータル編集部です。「なぜ、うちの従業員はすぐ離職してしまうのだろうか。」とお悩みのオーナーの方、いませんか?今回は、飲食店のオーナーや飲食店の独立開業をしようとしている方に知っておいて貰いたい“飲食店の離職率”について考察してみたいと思います。飲食業においては、正社員やアルバイトスタッフの離職率がしばしば問題になります。そこで離職率が高いことの問題点や、離職率に影響を与える要素について簡単にまとめてみました。
そもそも離職率とは
離職率とは正確に言うと、ある一定の期間内に仕事を離れた従業員がどの程度の割合いるのかを表す指標で、よく取り上げられるのが新卒社員(新規学卒者などとも呼ばれる)の3年後離職率などであり、毎年厚生労働省から発表されています。正社員、契約社員、アルバイトなどの雇用形態で分類して離職率を出す場合や、業種別、年齢別で分類した離職率を算出する場合などがあり、労働環境や賃金水準の指標として人事管理等に活用されています。また、継続してその会社に勤務している割合を「定着率」と呼びます。
非常に高い飲食業の離職率
2017年10月には、平成26年3月卒業の新規学卒者の3年以内離職率が発表されており、高卒、大卒共に「宿泊・飲食サービス業」の離職率が最も高くなっています。数値は高卒が64.4パーセント(全業種の平均は40.8パーセント)、大卒が50.2パーセント(全業種の平均は32.2パーセント)となっており、いずれも全体の平均の1.5倍以上の離職率となっています。
飲食業の労働環境は悪いのか?
飲食・サービス業の離職率が高い事実はお分かりいただけたと思いますが、ではなぜこんなも離職率が高くなってしまうのかを考えてみることにしましょう。
離職率を高める要因1.土日出勤の勤務体系
飲食店を始めとするサービス業においては、土日・祝日などの一般的な会社員のお休みが書き入れ時となります。世間の7割の社会人が土日休みの勤務体系で働いているといわれますが、その関係上、どうしても友人や家族と休みを合わせることが難しくなってしまいます。
離職率を高める要因2.ルーチンワークでやりがいに繋がりにくい
また、飲食店において必要不可欠とも言えるアルバイトやパートの従業員は、他業種と比較すると教育も容易であり即戦力として期待できる半面、ルーチンワークになりやすく、毎日同じ業務を淡々とこなすことになるため、やりがいを見出しにくくなってしまいます。
離職率を高める要因3.昇給や昇格が見込めない場合が多くキャリア形成が難しい
これは要因2とも関連する部分ですが、アルバイトに限らず、正社員であっても仕事の手順がマニュアル化されており、ルーチンワークになりやすく、将来的な賃金的、職格的なキャリアパスが描きにくいという問題があります。
離職率を高める要因4.料理人やソムリエなど一部の職種を除けば専門知識・技術が不要なため転職が容易
アルバイトにおいては、専門の技術が必要とされる場面は多くなく、キッチンスタッフであってもマニュアルさえ読めば習熟できる仕事が多いため、転職のハードルが低くなっています。また、基本的に業務の成績などによってインセンティブ(追加の給与)が与えられることが少ないことも挙げられます。
離職率を高める要因5.景気改善による飲食業の慢性的な人手不足からの離職(人的資本の流動性)
飲食店では、昨今、若干の景気改善によって従業員を確保することが少しずつ難しくなってきています。アルバイトの従業員などは、少しでも労働環境の良い職場、時給の良い環境に移りやすくなっていることで離職率が悪化しています。このことからも、離職率が高いことはあながち悪いわけではないことが分かるでしょう。2008年のリーマンショック時から比べると、現在では有効求人倍率も改善しており、新規学卒当時に希望とする業種・職種に就けなかった人が希望していた職種への転職に動いていることも考えられます。
90年代前半の就職氷河期前後の新規学卒者、2008年前後のリーマンショック前後の新規学卒者の3年以内離職率は総じて高くなっている(出典:新規学卒者の離職状況(厚生労働省HP報道発表資料))
離職率が高いと・・・
では離職率を下げる方法にはどんなものがあるのでしょうか。と、その前に離職率が高いとどういった問題が起こるかについて簡単に整理しておきます。
■新たな求人を出して雇い入れるコストが発生する
■新たに雇った従業員を教育するためのコストが必要となる
■人間関係の構築を始めから行う必要があるので精神的にも時間的にもコストになる
まとめ-飲食店従業員の離職率を下げる方法-
①従業員のミスをフォローしてあげられる体制づくり
②従業員は褒めて伸ばす
③急なシフト変更を無くす
④評価制度を導入する
参考URL/グラフ引用元:
新規学卒者の離職状況(厚生労働省HP報道発表資料、外部サイト)