【東京・綾瀬】ヘルシーで美味しいベトナム料理店がついに綾瀬にやってきた！『昔のベトナム』

　「健康 × 美味しい」は飲食店の永遠の課題です。そんな中、今世界中で注目されているのがベトナム料理。ベトナムは世界で最も肥満が少ない国と言われていますが、その理由は野菜豊富なヘルシーな食べ物が多いからと言われています。ベトナム料理はタイ料理や中華料理などのアジア料理はもちろん、フランス料理の影響も強く受けており、ヘルシーでありながらその味も大変評判です。

　そんな「健康 × 美味しい」を兼ね備えた人気のベトナム料理店が、2017年12月5日、ついに綾瀬にもやって来ました。家族経営で営まれる『昔のベトナム』で、今回はオーナーの息子さんであるファンさんにお話を伺いました。

まさに一昔前のベトナム

　『昔のベトナム』という名前の由来は、店内やメニューに昔のベトナムの様子を表現したかったからと言います。内装は昔ながらのレンガ（昔はこのようなスタイルのお店が多かったよう）をイメージ。また料理も伝統的な家庭料理がほとんどで、モダン料理やフュージョン料理が注目される昨今において、一昔前の伝統的なベトナム料理を提供しています。

　店内には、多数のベトナムの伝統的な衣装やグッズが飾られています。

　日本でも有名なベトナムの伝統的衣装“アオザイ”は、店内に彩りを加えます。照明などもベトナム雑貨が多く、店員さんやお客さんもベトナム語で会話しているので、思わずベトナムに旅行に来たような感覚に陥ります。

　店内にはカウンター席もあり、お酒の種類も豊富なので、一人で飲みに来る方にもぴったり。カウンターからはキッチンの中も見えるので、料理を作っている姿も楽しめます。キッチンが見えるのはやはり安心できますし、「ベトナム料理ってこうやって作るのか」といった発見もあるかもしれませんね。

　今回は、ベトナム料理の定番中の定番“生春巻き”を作っている様子を見せてもらいました。一つひとつ丁寧に巻いていきます。

北部、中部、南部、すべてのベトナム料理を堪能できる

　ベトナム料理は北・中・南と大きく分けて3つの種類があります。“フォー”や“ブンチャー”をはじめとする北部料理は薄味で出汁を効かしたものが多く、“チャ・カー”などをはじめとする中部料理は、東側が南シナ海に面していることもあり、海鮮料理が人気です。味付けは辛めのものが多いとのこと。そして“生春巻き”や“バインセオ”をはじめとする南部料理は、やや甘みのある味付けで、日本人に最も合うと言われています。そんな異なる3種類のベトナム料理が全て食べられるのも同店の特徴です。

▲ベトナムのハムバインミー 530円

　近年日本でも大人気のバインミーは、ベトナムでは庶民に欠かせない代表的な朝食です。たっぷりのパクチー（抜きも可）に目がいきがちですが、手作りのハムとパテは甘みがあって非常に美味しいです。ファンさんの父親は同店の料理長を務めていますが、なんと20年以上前からベトナム料理をつづけ、和食やヨーロッパ料理まで修業しに行ったこともあるようです。

▲海老と豚肉の生春巻き 590円

　野菜たっぷりの生春巻きももちろん人気メニュー。生春巻きといえば海老のイメージですが、ここは豚肉のチャーシューが入っています。なんとこれも料理長の手作りだそうで、噛めば噛むほど海老と豚の美味しさが広がります。甘辛いタレがよく合い、お酒が進むこと間違いありません。

▲鶏肉のフォー 730円

　「どのお店も独自の味がありひとつずつ違う」というフォーは、ベトナム料理で最も人気のメニューのひとつ。『昔のベトナム』では、鶏肉ベースのあっさり塩味。日本の塩ラーメンに近い味わいです。朝早くから仕込みが始まり、丁寧に鶏肉から出汁を取っているこの透き通ったスープは絶品です。パクチーは別皿なので、苦手な方も心配いりません。

ヘルシーで美味しいベトナム料理をぜひ食べてほしい

　日本に来て4年のファンさんは優しくて気が利き、笑顔の素敵な方です。日本語も4年とは思えないほど上手で、日本語のメニューもすべて自分で作ったようです。よくアジア料理店などにいくと、少し変わった日本語が使われていることもありますが、「日本人が作ったのでは？」と思うほどの完璧なメニューが揃っています。

　そんな努力家のファンさんは、日本文化や日本のビジネスをもっと学んで、気軽に入れるお店をつくり、ヘルシーで美味しいベトナム料理を広げていくのが夢だと語ります。今後のファンさんと『昔のベトナム』に注目です。

■文、写真・片岡力也