【東京・浅草橋】ワンアンドオンリーの拘り。モノづくりの街で出会った職人のお店『Echelle』
東京都台東区浅草橋の下町に『Echelle(エシェル)』がオープンしました。『Echelle』は、小物縫製メーカーのスケールクラフト株式会社が運営する職人技のオリジナルとセレクトのお店です。
御徒町、蔵前から続くこの辺りのエリアは徒蔵(カチクラ)と呼ばれ、昔から装飾品や工芸品などの産業が盛んなのだそうです。
浅草橋駅からの道すがら、資材や手芸小物・アクセサリーパーツなどの問屋がたくさん並んでいるのを見かけました。最近では若いクリエイター達も参入し、伝統の職人技と先端の技術が混ざり合う地域なのだとか。『Echelle』はそんな“モノづくり”の街の一角にあるお店です。
代々続く帽子職人であり、スケールクラフト株式会社の代表でもあるオーナー田島さん。そして自身も “MiiM®(ミーム)”のデザイナーであり、スケールクラフトのトップクリエイターでもある店長斉藤さん。お二人に色々とお話をお伺いしました。
旗艦プロダクトの“[SEN] BRAIDED Series”は、帽子用のブレードと呼ばれる素材をメインに使った拘りのオリジナルブランドです。日本製ブレードをメイン素材にして作られた商品は、なんと日本でも唯一こちらだけだといいます。
そもそも、この素材をこのようなカタチに縫製すること自体が大変難しく、トップレベルの技術なのだそう。これを一人で完成させる腕を持つ職人は、国内探してもそう何人もいないだろうという程なのだとか!
そんな風に伺うと、大変高価な商品なのかとおそるおそるお値段を見てみると…意外にも購入しやすい価格帯。オーナー田島さんも愛用中のペンケースやブレードのキーリングなど、気軽に買えるような小物類が多く置かれています。実はこれには田島さんのブランドと商品への想いがありました。
「初めのうちは、手に取っていただきやすい価格帯の商品を揃えていきます。そうすることで、まずはこの素材と商品の良さを知ってもらいたい。新しい素材なので…いくら良いものでも、それを分かってもらうまで数年は必要だと思っています。」
「まずはブランドやスケールクラフトを認知してもらうために手に取ってもらうこと。どんな商品が売れて、喜んでもらえるのか、商品構成も考えながら…そうして徐々に種類や価格の幅を広げていきたいと考えています。」
「数年後には[SEN] BRAIDED Seriesが日本を代表する商品になっているかもしれない。そうなっても可笑しくないぐらい、うちはモノづくりに関しては本物です。本物の職人が作る本物の商品を、目で見て、手に取って触れてもらいたい。まずはそこからですね。」と、話してくれました。
商品に拘りと自信があるからこそ、まずは多くの人の手に取ってもらえるように。そして日常的に使ってもらうことで、商品の良さを実感してもらいたい。そんな想いを感じます。
しかし、気軽に色々と見させていただいていましたがこれらはまぎれもなく「日本製の拘りの素材を使い、トップレベルの技術を持った職人に作られた商品」たち。
一般的に考えると「すべて手作業だから高くても良いモノですよ」「素材に拘っているから価格は上がるけど使い心地は素晴らしいですよ」となってしまうようなものだと思います。でも彼らはそれをしていません。
こちらのシリーズのお財布がどのくらいの期間で作られるのか気になり伺ったところ…なんと回答は「2時間」。
「3時間で作っていてはこの価格では販売できない、では2時間で作るためにはどうすればいいのか?」…たくさんのお客さんの手に届く価格で販売するためにどうすればいいのか、そこの試行錯誤を繰り返すのだといいます。
「2時間で作られてしまうんですね…」と思わず漏らした言葉に「2時間で作らないと商品にならないと(田島さんに)いわれたので…そしたら2時間で作るしかないですよ(笑)」と斉藤店長が笑って答えてくれました。
そこにクリエイター(作り手)としての拘りと、メーカー(売り手)としての拘り、両方を見ることができた気がします。
さて、お二人の拘りは商品だけでなく、ディスプレイにまで及びます。商品を展開するための什器はなんとすべてオーダーで作られたもの。パッケージやPOPまで自分たちで作られるのだというから驚きの拘りっぷり!
店内にはオリジナルブランド以外にも、“本物”に拘ってセレクトされた商品たちが並んでいました。
●“日常に潜む生き物”をテーマにした、羊毛作家 渡辺泰子さんのシリーズ
●“simple but unique”がコンセプトのレザーブランド“comma(カンマ)”
●“人と帽子が出会う瞬間により多く立ち会いたい”との思いで帽子を製作してい る“TERAIcraftment”
●“さまざまな紙を使い暮らしを彩るアイテムを展開していく”デザインプロジェクト“ilocami”
●そして、斉藤店長の“拘り”と“想い”が詰まったオリジナルブランド“MiiM®”
店内のセレクト商品は全て別注仕様。Echelleのお店に来てくれた人には、ここにしか置いてない商品と出会ってもらいたいとの想いからだそうです。
週末のお店では、斉藤店長が実演でミシンを踏んでいます。実際に商品が縫い上げられていく様子を見ることができるかもしれません。
「企画開発から生産まで関わっている本人が実際に話をして、その商品を買ってもらえるというのは実店舗では少ない例だと思います。本人だからこそ、商品の細かい部分まで話すことができる。実際にお店に来て、触れてもらってこそそれを伝えることができるので…」
「ネット販売もあるのですが、できればぜひ一度実物に触れてもらいたい。お店に来てもらいたいですね。」と、斉藤店長。
この、“商品の良さを知ってもらうために、まずは手に取って触れてもらいたい”という想い。これはお二人の共通の想いであり、“拘り”なのだと感じました。
ワンアンドオンリーで作られる拘りのオリジナル縫製小物とセレクトのお店Echelle。カチクラ界隈に来た際は、ぜひ“本物の拘り”に触れに行ってみてはいかがでしょうか。
【OPEN特典】
オープン記念品として4,500円以上お買い上げでプレゼントしているこちらのデニムブレード製のキーリング。「開店ポータルを見た」と言っていただいた方には2,000円以上ご購入でプレゼント!(プレゼントは無くなり次第終了となります)
■文、写真・yoshikokuroiwa
店舗名 | Echelle |
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住所 | 東京都台東区浅草橋3-29-3 |
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電話番号 | 03-6240-9985 |
アクセス | 都営浅草線浅草橋駅から徒歩7分 |
営業時間 | 平日17:00~19:00/土曜日13:00~19:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
ホームページ | http://echelle.tokyo |