【愛知・名古屋】マスターのトークとおいしいご飯に誰もが虜の『cafe de bell』
これからご紹介するのは、名古屋市中川区にある『cafe de bell(カフェ ド ベル)』。日中はモーニングやランチが楽しめる喫茶店として、夜は創作イタリアンとして営業しています。
2012年7月のオープンから愛されているのは、マスターのフレンドリーな人柄と、お客さまのリクエストに応えてつくるノージャンルな料理。マスターが直接柳橋に買い付けに行く鮮魚やジビエ料理、創作パスタなど、どれを食べても間違いなしのおいしさです。
人が好き。そして、会話が生まれる場所が好き
インタビューに応えてくださったのは、個性的なキャラクターで常連さんの心をつかんでいるマスターの鬼頭(きとう)さん。「なにか食べたいものある?」「お兄さん、お腹へってる?」と、どんなお客さまにもフレンドリーに接します。
鬼頭さんはこれまで、パン屋さん、フレンチ、居酒屋、パティスリーなど、あらゆる飲食店で働いてきました。独立して喫茶店を開いたのは、“コミュニティをつくりたかったから”だと話します。
「もともとパン屋さんになりたくて修業してたんだけど、商品を売って、ちょっと話して、“ありがとうございました”で終わっちゃうでしょ?そうじゃなくて、みんながおしゃべりできる雰囲気というか…会話が生まれる空間をつくりたかったんだよね。」
「お店を持とうと思ったのは、やっぱり人が好きだからじゃないかな。」そんな鬼頭さん自身は、人の輪に入って盛り上がることが好きなわけではありません。誰かと誰かがおしゃべりをして盛り上がっている、楽しそうな様子を眺めるのが好きなのだそうです。
ぬくもりあふれる路地裏の喫茶店
お店があるのは、ひと通りの少ない、静かなエリア。不特定多数の人が入ってくるような場所を避け、お店を好きになってくれるお客さまだけを大切にできる、落ち着いた場所を選んだのだそうです。
「ピカピカのお店は好きじゃなくて。ここを見つけたときに、ただのボロじゃない、アンティークっぽい雰囲気が気に入ったんだよね。」
レトロさとおしゃれさがミックスされた店内は、鬼頭さんのDIYと、お客さまからいただいたインテリアでつくられています。
“ここにこんなものがあったらいいな”と考えながら、壁を塗ったり床材を貼ったりと、何度も何度もマイナーチェンジをくり返しているそう。
『cafe de bell』には、小さなお子さま連れからご年配の方まで、幅広い世代のお客さまが訪れます。
「好き勝手にお店づくりをしてるだけなのに、テレビが取材に来てくれたり、それを見てお客さんが来てくれたり。本当に感謝しかないよ。それにうちのスタッフは、みんな元はお客さんなの。求人なんて出したことないんだよ。」
鬼頭さんのモットーは、“接客”をしないこと。訪れるお客さまには「いらっしゃいませ!」ではなく、「おはようございます」や「こんにちは」と声をかけます。敬語を使わないフレンドリーな応対は、お客さまを客ではなく“人”として見ているからなのですね。
リクエストから生まれたメニューの数々
“全部がおすすめメニュー”と、キッパリ断言する鬼頭さん。メニューはすべて、お客さまのリクエストから生まれたものです。 食べたいもののリクエストがあれば、気軽にお願いしてみてくださいね。
“あさ・ひる・よる・ベル”がキャッチコピーの『cafe de bell』は、火~土曜日はモーニング、ランチ、ディナーの3部制で営業しています。日中はご年配の方やマダムが多く、夜はさまざまな年代の方が入り混じります。
彩りよく盛り付けられた料理を見ると、思わず「ここ、本当に喫茶店!?」とビックリ。食材一つひとつへの愛を感じます。
ランチタイムには、日替わりの鮮魚料理と肉料理、パスタが登場します。お魚かお肉のランチには、サラダとバゲット、またはご飯とお味噌汁がつきますよ。
料理に使われているのは、お隣の魚屋さんから買い付ける漁港直送のお魚。ぶりのステーキや黒ムツのブイヤベース、甘鯛のポワレなど、どんなお魚が食べられるかはその日の仕入れ次第です。
“王様のビーフシチュー”は、柔らかく煮込まれた牛すじの旨みがたっぷり。ふわふわ&とろとろのたまごと濃厚なシチューが間違いない組み合わせです。
鉄板ナポリタンは、名古屋めしのひとつ。昔の名古屋の喫茶店で、「冷めないように」とあつあつの鉄板でスパゲティを出したのがはじまりなのだとか。
根菜と豚バラ、トマトを煮込んだ田舎風パスタ、“濃厚ウニのクリームパスタ”など、マスター渾身のオリジナルパスタもお見逃しなく。
ディナータイムには、愛知県のブランド豚“いさむぽーく”、馬やラム、鹿といったジビエ、合鴨などがいただけます。特製ダレに漬け込んだ牛タンステーキは、たっぷり150gで880円!ほかのお店には真似できない太っ腹価格が、ファンの心を掴んでいます。
お店では、うま味調味料やマヨネーズ、ソースなど、素材の味を消してしまう調味料を使いません。揚げ物や焼き物に使うのは、フレッシュなオリーブオイルや菜種油。旬の食材そのままのよさを引き出す調理を心がけています。
モーニングのトーストには、人工油脂のマーガリンではなく、エキストラバージンオリーブオイルと岩塩を。「両親よりも顔を合わせている大切なお客さまに、安心できないものを食べさせたくない」。そんな想いで、鬼頭さんは腕をふるいます。
夢は大きく海外へ!マスターのチャレンジは続く
「喫茶店なのに、フォアグラもヒレ肉もあるんだぜ!さっきも、ちょうどブリを買ってきたところだし。」と笑う鬼頭さん。
『cafe de bell』は他店にお弁当も卸しているほか、定休日にはサバイバルゲームのフィールドに。なんでも屋さんと呼べそうなフリーダムさもまた、同店の魅力です。
最後に今後の展望について尋ねたところ、さまざまなことを話してくださいました。
「一見さんお断りのディープなお店にしたり、新しいこともしてみたいなって。それと、トラックに乗って季節を追いかけながら、移動販売をするのもあこがれるよね。」
さらには、フェアトレードを推進したり、人材派遣の仕事をしたりと、海外で活動する夢もあるのだとか。一軒の喫茶店から、新たな物語がはじまっていきそうですね。
「いらっしゃいませぇ!とかって、鼻息が荒いとダメなんだよ。誰でもできるような接客をするくらいなら、券売機を置けばいいんだし。大切なのは、お客さんを“人”として見ること。いつも来てくれてるみんなには、本当にありがとう、これからも変わらず来てくださいって、伝えたいね。」
とびきりフレンドリーなマスターがくれる、お家のようにあたたかい空間。仕事の疲れも学校での悩みも、『cafe de bell』のご飯とお酒が吹き飛ばしてくれますよ。
店舗名 | cafe de bell(カフェ ド ベル) |
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住所 | 愛知県名古屋市中川区中野新町5-38 |
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電話番号 | 052-870-3192 |
アクセス | 西名古屋港線(あおなみ線)・中島駅から徒歩12分 |
営業時間 | 日・月 モーニング 7:30~11:00(L.O)、火~土 モーニング 7:30~10:00(L.O) 、ランチ 12:00~14:00(L.O)、ディナー 18:00~22:00(L.O) |
定休日 | 祝日 |
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