【福岡・春吉】日本の中華に食べ飽きたあなたに!『長楽』がお届けする本場四川の伝統の味
粕屋・西新など場所を移転し、今は春吉でお店を営む中華料理店『長楽』。ここでは本場中国で修業をされたオーナーの孫さんが腕を振るいます。日本ではなかなか味わうことが出来ないパンチの利いた辛さに、あなたもシビれてみませんか?
本場四川料理が楽しめるお店
――孫さんはもともと、中国で最も有名なお店で修業されていたとお聞きしたんですが。
「中国四川省の成都市にあった、成都飯店(セイトハンテン)で18歳から10年間、四川料理の修業をしていました。店自体はもう閉店してしまったんですけど、当時は「中国の料理店といえばココ!」っていうくらいに有名でしたね。当時の中国は乗用車が普及していない時代だったんですけど、成都飯店は裕福な人や外国人観光客が集まってくる華やかな場所でした。高級車を持っているお客さまも多かったですし、他の店にはない駐車場もありました。店の跡地には今でも石碑が建っています。」
――石碑が建つお店は、なかなか聞かないですね。
「そこでみっちり経験を積んで、20年近く前に自分の腕を試したくて日本に来たんですよね。日本の食堂で修業をしたことが無かったので、最初は中国で学んだ味が受け入れられるか不安もありました。まずは安くお店を出せるところを探して、粕屋でオープンして。そこでお客さまにも支持してもらったから、春吉に移転する決心もつきましたね。今でも移転先に足を運んで下さる方もいます。」
――お店をやる上で苦労した点はありましたか?
「たくさん悩むこともありましたね。日本では砂糖をたくさん使うので、甘みが強い中華料理に慣れているんですね。本場の四川料理は辛いので、日本の方が食べると舌がビリビリしちゃうみたいで。初めは僕も加減が分からなくて、そのままの辛さでお出ししていたんです。お客さまから「美味しいんだけど辛くて食べられない、辛さを抑えて!」などいろいろ指摘をもらって、試行錯誤の繰り返しでした。」
日本人も活用したい!四川料理の辛さの秘密
――四川料理ってどうして辛いんですか?
「四川料理は唐辛子や花椒(ホアジャオ・中国山椒)などが入っているため辛いんですけど、辛いものを食べると汗が出ますよね。四川料理が生まれた地域は盆地で、日照時間が短くて曇りが多く、蒸し暑いんです。健康を維持するために辛い食べ物によって発汗を促していたんですね。」
――辛い物を食べて体内から改善していくんですね。
「そうですね、漢方薬みたいな感覚かな。特に空調がない時代は薬膳としての役割が大きかったので、今よりもっと辛かったみたいです。四川の気候を知らない人は「運動して汗をかけばいいじゃない!」って思うでしょうが、運動だけじゃ不十分なんです。運動して、薬効が期待できるものを食べることで体質から変わっていくんですよね。」
――四川の元気のもとですね。現代の日本人も参考にしたいです。
「代謝も良くなりますからね。四川の人は一週間も四川料理を食べないと、「具合が悪くなってくる。」「風邪っぽい感じがする。」というくらいですから。ただ単に辛いものが好きっていう理由だけじゃないんですよね。」
――よく注文があるメニューはどれになりますか?
「まずは“陳麻婆豆腐”ですね。今は世界に広まっている麻婆豆腐ですけど、もとは陳ばあちゃんっていう人が作った料理なんです。もう150年くらい昔のことかな。」
――歴史があるんですね。
「陳ばあちゃんは昔、馬車で物を売る商人が行き来する成都の外れに食堂を出していました。商人がよく豆腐を買うから、新しい豆腐料理の“陳麻婆豆腐”を作ったんです。唐辛子、花椒、豆板醤が調和して辛くて美味しいし、香りもいいからみんな喜んで、一気に広まったらしいです。発祥のお店は今でも営業していて、世界遺産にもなっているんですよ。」
――お店と麻婆豆腐が、それだけたくさんの人に愛された証拠ですね。
「“陳麻婆豆腐”はその元祖で、日本ではうちが初めてお出ししました。本場仕込みの味は一発で人気になりましたね。香辛料が複雑に合わさったコクや香りは、なかなか他では食べられないと思います。辛さは抑えられるので安心して下さい。」
――元祖の味はぜひ食べてみたいです。
「実は“紅油(コウヨウ)餃子”も、日本ではうちが初めて出して人気が出た料理です。もともと成都飯店で出していたもので、水餃子にタレをかけて食べます。」
――日本だと皮がパリパリの焼き餃子を、酢醤油に付けて食べることが多いですよね。
「中国の感覚だと、餃子はおかずじゃなくて主食みたいな食べ物なんです。だから皮ももっちりとして、食べごたえがあるんですね。」
――タレはどんな味ですか?
「そうですね。ラー油とかニンニクをベースにしていて、ちょっと酸味があります。餃子に絡めて食べると、旨味が凝縮された肉汁と合わさって絶品ですよ。この2つが1番人気かな。あとは“特別調味料豚肉と野菜辛口炒め”もよく注文されます。」
――本場の野菜炒めですね。
「これは野菜と豚肉を炒めていて、秘伝の調味料が素材の旨味を引き出しています。野菜は季節の旬のものをいろいろと使っていますね。“鶏肉とピーナッツ炒め”もよく出ますし、コース料理も2,000円からご用意しています。定番で変わらないものもありますが、美味しそうな料理があればメニューも更新していくので、ご来店の度に新しい味も楽しんでいただけると思います。本場の辛さを体感したい場合はぜひ言って下さい(笑)。」
店舗名 | 長楽 |
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住所 | 〒810-0003 福岡県福岡市中央区春吉3-22-12 今村ビル 1F |
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電話番号 | 092-751-5367 |
アクセス | 地下鉄七隈線・天神南駅から徒歩3分 |
営業時間 | 18:00~翌3:00 |
定休日 | 不定休 |
ホームページ | https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40000275/ |