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【沖縄・南城】身近な自然にある宝物とは?全国初の“さし草”専門店『joy工房&茶屋』

 皆さんは、“さし草”と聞いてどんな物かすぐに思い浮かびますか?これは、道端でよく見かける、衣類にくっついてくる植物・センダングサのこと。
 今回紹介する『joy工房&茶屋』は、この“さし草”の効能にいち早く着目し、おいしく食べられる“さし草料理”を専門に提供しています。

 「さし草を通じて、古き良き沖縄の薬草文化を世界に向けて発信したい」と奮闘するオーナーの與儀さんに、さし草の魅力やお店づくりのこだわりをうかがってきました。

全国初の“さし草料理”の専門店

 『joy工房&茶屋』は、県道86号南風原知念線・仲間の信号からほど近い場所で、2012年7月にオープンしました。與儀オーナーは、当時染め物の染料にと“さし草”へ目をつけたとき、さし草が薬草であることを知り、成分などを詳しく調べはじめました。すると、抗酸化・抗炎症作用に長けていると分かったため、さし草を活用した料理や商品をカフェで提供、販売することを思いついたといいます。

 「最初は、雑草と呼ばれ厄介物扱いされている“さし草”を染料に使用すれば、“え?どうしてコレを使ったの?”と注目を集められると思ったんです。でも、調べるうちに凄い効能を持っているとわかり、健康食材としての“さし草”を広げていきたいと考えました。」と與儀オーナーは当時を振り返ります。

さし草の成分・効能とは?

 同店では、2015年に日本食品分析センターへとさし草の成分分析を依頼したそうです。その結果によると、100gあたりのカルシウムは標準の約9倍、食物繊維は約7倍、鉄は約7倍…他にもカリウム、亜鉛、ケイ素、βカロテンなどの栄養素が豊富に含まれているのが分かりました。
 これらの成分は、高血圧や糖尿病、リウマチ、疲労回復、快眠などに効果があると言われており、與儀オーナーの知人男性もさし草のお茶を飲みつづけたところ尿酸値の数値が改善したとの実例もあるといいます。

“おいしい”の声が続出

 「いくら成分が良くても美味しくなければ、食べられないのでは?」とお考えの皆さんもいらっしゃるかもしれませんね。実際に食べてみると味に癖はなく強い匂いもしないため、“食べやすい”といった反応がほとんどだそうです。さらにお店では、さし草を粉状にして料理に混ぜたり、乾燥させてお茶として飲んだり…食べやすいように加工もしています。

 ランチで人気が高いのは、“オムそば”と“汁そば”です。どちらも麺にさし草の粉が練りこまれていて、もちもちとした食感が特徴です。
 オムそばは、この特製の麺の上に卵焼きとソース、マヨネーズが乗っていて、味・量ともに満足感を得られる一皿です。一方の汁そばはシンプルな味付けが素材の味を引き立てている、飽きのこないおいしさ。あっさりしており、食欲がない時でも食べやすい一杯に仕上がっています。

 このほか、じーまみー豆腐もおすすめ。こちらは、一般的なじーまみー豆腐よりも少し洋風な印象です。また、與儀オーナーは天ぷらにするのも一押しだといいます。

さし草で喜びを作る場所

 店名の『joy工房』は、喜びを作る場所という意味。“さし草を通して、訪れた人が笑顔になれるものを提供したい”との與儀オーナーの想いが込められています。店内にはさし草を生けたり、染物を飾ったり、さし草の歌を流したりと、“さし草”を五感で楽しむための工夫が盛りだくさんです。

 今後は、さし草の魅力をより多くの方に知ってもらうとともに、沖縄の健康産業の分野で地域に貢献するのが同店の目標です。
 「昔の方々は体調が悪くなったら薬草を上手に使って生活していました。この“さし草”をきっかけに、沖縄の薬草文化に目を向けてもらえればうれしいですね。身近なところに宝物があると知って欲しいです。」

 ちなみに、お店ではFAXやインターネットによる通信販売もおこなっています。さし草粉やお茶、寒天ゼリー、じーまみー豆腐、シフォンケーキも販売しています。気になる方はぜひ公式HPをご確認くださいね。
 皆さんも南城市にある『joy工房&茶屋』を訪れて、“さし草”の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。

店舗名 joy工房&茶屋
住所 〒901-1206 沖縄県南城市大里字仲間937
電話番号 098-988-1209
アクセス ゆいレール県庁前駅から徒歩4分
営業時間 10:00~18:00
定休日 土曜日
ホームページ http://joykoubou.com