【東京・自由が丘】昭和50年創業、街を見つめる靴修理店。大切な一足のお手入れは『靴の美容室』にお任せ!
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通勤や通学、デートにお買い物。毎日お世話になっている靴に、しっかりとメンテナンスをしていますか?今回訪れたのは、自由が丘駅の正面口から徒歩2分のところにある『靴の美容室』。創業40年以上の歴史を背負う、老舗の靴修理店です。
こちらのお店では、靴みがきや底の交換、ヒールの修理はもちろん、かかとの片減りを防ぐプロテクターの装着、ブーツのファスナー交換など、さまざまな修理を承っています。お客様の大切な一足を心を込めて預かる、代表の千木良(ちぎら)さんにお話をうかがいました。
物語の始まりは、割烹料理店のかたすみから
若き日の千木良さんは、『靴の美容室』を開業する以前、近くの割烹料理店で働いていました。
「“靴の修理っていう面白い商売があるんだよ”って知人から紹介されて、さっそく社長とお店を見に行ったんだ。帰ってくるなり社長が、“靴の修理って面白いな!俺たちもやってみようじゃないか”って。それが、このお店ができるきっかけだったね。」
割烹料理店のフロアを区切った2坪ほどのスペース。千木良さんを含めてふたりだけの従業員。ひっそりと始めた小さな靴修理店が、『靴の美容室』の原点となりました。
「革靴って、動物を殺して、皮をなめして作るでしょ?だから靴屋とか修理屋って、当時はあまりイメージのよくない仕事だったんだよ。近所の人には、“修理屋さんなんて開いても、人が来るのかしら?”なんて言われたりしたね。」
そんな時代にもかかわらず、『靴の美容室』はオープン当初から大繁盛。行列ができるほどの盛況ぶりに、同業者がこぞって偵察に来るほどだったのだとか。
時代が変われば、足元も変わる
「俺が若い頃は、上司が革底の靴でキュッキュッと歩いてるのを見て、“早くお金を貯めて、いい靴を買いたいなあ”って憧れたもんだよ。」
自由が丘店の他にも、三軒茶屋店(世田谷線・三軒茶屋駅から徒歩3分)、学芸大学店(東横線・学芸大学駅西口徒歩2分)を出店するまでに成長した同店。しかし靴修理業界は今、冬の時代を迎えているのだといいます。
「昔は革靴が主流で、スニーカーは若い人しか履かなかった。彼らはいま中高年になったけど、やっぱりスニーカーを選ぶんだよね。だから最近はどの世代にも、キチンとした革靴を履く人は減ってきているんだ。」
また、最近の靴の多くは“履き捨て”を前提に作られており、昔よりも修理の需要が少なくなっているのが現状。そのため靴修理店が生き残るには、靴の修理に加え、合鍵作製などのマルチなサービスが必要になり始めています。『靴の美容室』を含め、多くの同業者がそういった営業スタイルに舵を切り、努力しているのだとか。
職人が心をこめて、大切な一足をお預かりします
それでは、『靴の美容室』のサービスをご紹介しましょう。靴みがきのお値段は、紳士靴は800円から(ブーツは1,000円~1,500円)、婦人靴は600円から(ブーツは800円~1200円)。馬毛ブラシと豚毛ブラシ、数種類のクリームやローションを使い分け、丁寧なケアをおこないます。
気になる靴の臭いも、オゾンガスを使った同店のケアにかかれば即解決。酸素を原料とするオゾンは、他の物質と反応して酸素に戻る性質があります。そのため、臭いの原因となる雑菌と反応し、除菌や脱臭の効果をもたらしてくれます。
折れたり傷がついたりした婦人靴のヒールもお任せです。ヒール交換は3,600円から、ヒールのスタック(巻き革)の巻き替えは3,300円から承っています。交換用のヒールの長さや太さ、デザインは、元に近いものを選んでくれるので安心ですよ。スタックの仕上げカラーは幅広く40色用意しており、どんなデザインにも対応可能です。
靴みがきや臭いケア、ヒール交換の他にも、さまざまなメニューがあります。たとえば、かかとの摩耗を防ぐプロテクターの装着。“歩き方の癖で、いつもかかとが片方だけすり減ってしまう…”そんな方におすすめのメニューです。スニーカーを始めとする靴クリーニング全般にも対応しているほか、バッグの修理も積極的に受けてくれますよ。
合鍵は、タイプに応じて600円から3,500円で作ることができます。腕時計の電池交換のほか、時計のオーバーホール、故障時計の本格修理も格安で対応してくれます。包丁とぎ、傘の骨つぎなど、“靴修理店でこんなことまでできるの!?”と驚くものばかりです。
毎週月曜日の11時半から13時は、丸の内にある『ISETAN SALONE MEN’S』で靴磨きの出張サービスをおこなっています。そのままオフィスに戻ってもOKな、替えの靴も用意しています。昼休みに気軽に立ち寄れるので、近くにお勤めの方は利用してみてくださいね。
シンプルで覚えやすい店名が親しみを誘う
シンプルで親しみやすい『靴の美容室』という店名。でも当初は、なかなか覚えてもらえなかったそうです。
「修理が終わって、お客さんに電話するじゃない?“靴の美容室です”って言うと、美容院か何かから電話が来たものだと思って、びっくりされるんだよ。“あっ、修理屋です!”って言うと、やっと“あ~はいはい!”って分かってもらえるの(笑)。」
それから数十年、お店の名前もすっかり浸透し、“何屋さんか分かりやすくて、いい名前じゃない!”とほめてもらえることが増えたのだとか。小さな靴修理店が街に溶けこんでいくまでの、楽しいエピソードを聞かせていただきました。
他の靴修理店にできないオールマイティ―なサービスを
「他の修理屋で断られちゃうことでも、うちでは受けられるからね。靴の修理は磨いたり、底を貼り替えたりするだけじゃない。いろいろな要望に応えられるんだよってことを、もっと広めていくのがこれからの課題だね。その基盤ができるまでは、俺も頑張るつもりだよ。」
2018年で創業43年目となる『靴の美容室』。あらためてお店の進むべき、究極の修理店の構想を実現・考えているそうです。
すり減ったかかと、取れかけた靴底、壊れてしまったブーツのファスナー。“もう古いから”と、お気に入りの靴のメンテナンスをあきらめていませんか?すぐに捨てたり、新しい靴に買い替えてしまうのはなんだかもったいないですよね。
心を込めて靴と向き合う職人が、最適なメンテナンスを提案する『靴の美容室』。靴底の本格修理に対応する工場を持っていることも特質すべき修理専門の企業です。大切な一足を手に、一度相談に訪れてみてはいかがでしょうか。
店舗名 | 靴の美容室 |
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住所 | 東京都目黒区自由が丘2-11-16 |
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電話番号 | 03-3717-7487 |
アクセス | 東急東横線・大井町線自由が丘駅(正面口)から徒歩2分 |
営業時間 | 10:00~20:00 |
定休日 | 無休 |
ホームページ | http://kutubi.com/ |