【福岡・博多】14年続く老舗の居酒屋『蔵音』で旬の魚と酒の贅沢！

　博多駅の東側はオフィスビルが立ち並び、西側に比べると少し落ち着きのある街並みです。この地で長年愛されてきた居酒屋『蔵音（くらいん）』が、新たに2017年5月に移転リニューアルしました。今回は店長の中川勝成さんにお話をうかがいました。

歴史を残しながらも新たな装いに

――和風で落ち着いた雰囲気のお店ですね。

　「以前から続く店のイメージを壊さないようにするために、前の店から装飾品やテーブルを持ってきているんです。前の店のコンセプトが“アジアの躍動感と京の町屋の融合”っていう感じで、町屋づくりの店内に、川底を思わせる桟敷席があって。前は店内に池もあって、その上に席があったりしたんですよ。」

――えー、池ですか！？すごいですね！

　「前の店に比べると店のサイズが3分の1になっているので、さすがに池は再現できませんでした。調度品の多くはバリで購入してきたものだったので、なるべくそれらを再利用して、年配の人には懐かしく、若い人には新しい感じに仕上げました。」

――今も十分大きなお店だと思うんですが、前は何席あったんですか？

　「2階も含めて150席あって、個室も充実してました。前は立派なカウンターもあったんですよ。常連さんが料理長と話をしながら、よく飲んでいらっしゃいました。」

――わりと近い距離の移転なので、常連さんも変わらずに通いやすいのではないですか？

　「そうですね、以前からの常連さんは、今も変わらず来てくださいますね。移転の案内ができずにいたお客さまが、わざわざ探し出して来てくれることもあって、本当にありがたく思っています。」

豊富なメニューでおもてなし

――やっぱり長年親しんだ味は忘れられないですよね。メニューを拝見したところ、魚やお肉などいろんな種類のお料理があって、毎日でも通えそうなくらいに多いですね。

　「これでも前よりは少なくなりましたが（笑）、肉や魚を全般的に扱っています。ほぼ毎日小倉中央市場と長浜市場で仕入れているので、特に刺身には自身があります。刺身の盛り合わせは7～8種類が乗るのでおすすめです。」

――7～8種類！かなり多いですね。ほかにもお寿司とか一品ものとかどれもおいしそうです。…あ、朝倉復興支援メニューっていうのもありますね。

　「豪雨被害があった朝倉の食材を食べていただくことで、復興を支援するために用意しています。いろんな飲食店のつながりの中でお話をいただいて、それからですね。」

――飲食店の方って横のつながりが強いですよね。素晴らしい取り組みですね！他のお店ではあまり見ないメニューも多いですが、おすすめはどれですか？

　「博多炉端蒸しセットですね。大きなせいろに野菜と肉を乗せた、いわゆる蒸ししゃぶです。蒸し料理は野菜や肉のうまみがそのまま感じられて、素材そのものの味を楽しんでいただけます。蒸すことで余分な肉の脂が落ちるので、ヘルシー志向の女性におすすめです。肉は赤鶏・特選ポーク・国産牛ロースから選べますが、ダントツ人気は特選ポークです。宮崎のきなこ豚や熊本のとびうめ豚など、その時その時でいい豚を選んで使っています。」

――うわー、野菜がたっぷり食べられそうでいいですね。あと、私はこの丸ごとトマトのおでんっていうのが気になったんですけど、これは…？

　「丸ごとのトマトを和だしで炊いて、それをせいろで出しています。スープと一緒に食べていただくもので、なかなかおいしいと思います。他にも、土鍋炊きご飯や石焼茶漬けも人気です。」

旬の料理にはうまい酒!

――お酒の種類も多いですね。特に焼酎は…20種類近くありますね。私、焼酎が好きでよく飲むんですけど、あまり見たことがない焼酎もあります。音乃葉は初めて見たかも。

　「それはエフエム福岡の人気番組「ブチカン」から誕生したプレミアム焼酎ですね。お気に入りの焼酎があれば、ボトルキープもできますよ。」

――ボトルキープは1升瓶なんですね。頼まれる方は多いですか？

　「結構いらっしゃいますね。大人数のお客さまだけでなく、2人でも1本頼まれる方はいます。まあ、常連さんが多いですからね。店が狭くなったので、保管する場所の都合もありますが、一升瓶は前の店からずっとやっているものなので、常連さんのためにも残しています。」

――中川さんはお客さまへの想いが本当に強いですね。長年に渡ってお客さまとの良い関係を維持できる秘訣は、そこにあるのでしょうか？素晴らしいです！新しい場所に移って、気持ちを新たにされているところだと思うのですが、これからお店をどんな風にしていきたいとお考えですか？

　「今回、どうしてもカウンターが作れなかったことが非常に残念で。実はカウンターの常連さんがいらっしゃって、そのお客さまに大変申し訳なく思っています。「おひとりでテーブルで良いですよ。」と申し上げても、お客さまが気を使われて、お友達を誘って来ていただいてるようなんです。なので、次は気軽に立ち寄れるカウンターがある店を作りたいね、とみんなで話しています。」