【福岡・天神南】博多純氷で作る『おいしい氷屋』のかき氷が1年中楽しい理由

　皆さんは唐人町にある氷メーカー直営のかき氷のお店をご存知ですか？台湾のかき氷とは一味違う、ふわっふわのかき氷が食べられる『おいしい氷屋』の２号店が、満を持して天神に登場です！今回は店長を務める長さんにインタビューしてきました！

氷ひとすじ70年の老舗がつくる「博多純氷」

――『おいしい氷屋』は製氷会社さんの直営だそうですね。

　「九州製氷という、氷を作る会社が運営をしています。もともとは魚市場で使われる冷却用の氷を作っていた昭和21年創業の会社です。現在はバーなどで使われるブロック氷なども製造しています。『おいしい氷屋』はオリジナルブランドである、博多純氷（はかたじゅんぴょう）を皆さんに広く知っていただきたくて作ったお店です。」

――博多純氷って初めて聞きました。どんな氷なんですか？

　「博多純氷はじっくりと長い時間をかけて凍らせた、99.9％純粋な氷です。不純物が含まれていないので、氷を覗くと向こうが見えるくらいに透き通っています。関東や関西では氷から作っている氷屋さんが冬でも繁盛していて、1年中食べられるかき氷が人気なんです。お祭りの屋台で食べるような氷とはまた違う食感のかき氷を、ここ九州のパイオニアとして私たちも広めたいと考えています。」

――ここ数年、台湾のかき氷が人気ですけど、それとはまた違うんですか？

　「台湾のかき氷は氷自体に味がついていますが、私たちの氷は純粋に“氷”なので、後味がすっきりしていて喉に残りません。削り方も従来のかき氷とは違うので、ふわふわに仕上がります。ところで、かき氷というと頭にキーンと痛みが走ったりしますよね？あれは氷が喉を刺激したときに、冷たさが痛みの信号として送られてしまうために起こるんですが、うちの氷は口に入れると舌の上で溶けてしまうので、喉をあまり刺激しないんです。頭がキーンとなりにくいのも特徴です。」

九州の素材を使った手づくりソースが決め手

――かき氷を食べるときに苦しめられるあの痛みが嫌で、かき氷を食べない人もいますよね。キーン！を心配しないで食べられるなんてすごい！

　「ふわふわかき氷の第一人者である神奈川のノアンというお店に教えてもらって、最もおいしく食べられる氷に仕上げました。ソースも社員がアイデアを出し合い、1日に50杯以上のかき氷を試食して、試行錯誤を重ねています。時にはお腹を壊しながら頑張りました！（笑）」

――1日に50杯も!?身体を張って作った渾身のソースなんですね。

　「はい。なるべく九州産の素材を使って、毎朝手作りしています。例えば、“おいしいシロップ”に使うシロップは、数種類の砂糖をブレンドして作った自慢のソースです。全てのかき氷の基本となるソースで、素材の味を最大限に引き出してくれます。お客さまにお出しすると、かき氷が非常に大きいのでびっくりされますが、氷がたくさん空気を含んでいるだけなので、案外ペロッと食べられると好評です。氷の下にはそれぞれ厳選したフルーツやアイスが隠れていたりするので、お子さんも楽しんで召し上がられますよ。」

――宝探しみたいなワクワク感がありますね！ちなみに人気のメニューはどれですか？

　「苺みるくが断トツの１番人気で、お客さまの4割が注文されます。イチゴはもちろん福岡名物のあまおうを使っていて、中にはマスカルポーネクリームが隠れています。僅差で2位につけるのは八女抹茶です。程よい苦みの抹茶の下には小豆とバナナが入っています。バナナのカリウムと抹茶のカテキンで、高血圧予防や美容効果が期待できますよ。どちらも阿蘇のミルクを使った練乳がポイントです。」

トッピングにも工夫があふれる新感覚のかき氷

――創作メニューも気になるかき氷がたくさんありますね～！この黒ゴマ杏仁ミルクの写真、氷の上に何かキラキラしたものが乗ってるんですけど、これってもしかして…？

　「そう、金粉です。ゴージャスでしょう？（笑） これはお正月をテーマに作りました。下には杏仁豆腐と黒みつ、真ん中に小豆やクラッカーが入っていて、上から下までどこを食べても飽きないかき氷になっています。横にはきな粉をまぶした白玉とバナナを添えて、純和風のかき氷に仕上げました。」

――中からいろいろ出てくるのが福袋みたいで、お祝いにも良さそうですね。それから私、チョコレートスノーも気になります。かき氷とチョコレートって、なかなか見かけない組み合わせですよね？

　「チョコレートとかき氷の組みあわせって、実は相性が悪いんです。チョコ自体の味がしっかりしているじゃないですか。かき氷にすると味が薄まってしまうので、完成させるのは大変でした。かき氷の上に生クリームソースをかけて、さらに“エスプーマ”という調理法でムース状にしたチョコレートソースを乗せることで、チョコレートの味を損なわないように工夫しています。中にはチョコレートによく合うミックスナッツが入っています。」

――ふわふわのチョコレートソースや、ミックスナッツの食感の違いが楽しめそうなかき氷ですね。氷のふわふわ感と食材の組み合わせを楽しむかき氷って新しい！全部のメニューを制覇したくなりました。

かき氷と一緒に味わいたい豆香洞のコーヒー

――かき氷だけでなく、コーヒーにもこだわられているそうですね。

　「『おいしい氷屋』で使うコーヒーは、大野城市の白木原にある豆香洞（とうかどう）コーヒーの豆を使用しています。豆香洞のオーナー・後藤さんは2013年の焙煎世界チャンピオンです。うちの社員に後藤さんの友人がいたので相談したところ、豆を提供してもらえることになりました。」

――世界チャンピオン！そんなすごい人が福岡にいたとは知りませんでした！

　「すごいですよね～。コーヒーは全て豆香洞の監修です。かき氷に合うように焙煎されたオリジナルの豆と、ダイレクト・ミルク・システムを採用したドイツの最新コーヒーマシンでエスプレッソを淹れています。」

――ダイレクト・ミルク・システムって何ですか？

　「カプチーノの上には普通、泡状のミルクがありますよね？あのミルクって温かくないと作れないんですけど、この機械なら冷たいミルクの泡が作れるんです。冷たいカプチーノが作れる機械は非常に珍しいんですよ。」

――ここに来るだけで珍しいかき氷とカプチーノが一緒に楽しめるなんて良いですね！

　「唐人町にはなかったお子さま用のソフトドリンクもご用意しています。かき氷とセットにすると100円引きになりますので、ぜひ一緒にご賞味ください。」