開店情報

【大阪・中崎町】眼鏡×カフェの新業態『めがね製作所カフェ 藍丸』で、作り手の想いがつまった手作り感を楽しんで

 レトロな雰囲気が漂い、近年、若者から注目を集めている中崎町。そんな街に、手作りの味わい深さをコンセプトにした『めがね製作所カフェ 藍丸』がオープンしました。他では珍しい、カフェを併設した眼鏡製作所として、オーダーメイドの眼鏡のオーダーや、自慢の米を使った料理を楽しめます。

 製作所のオーナーを務める清家さんに、眼鏡づくりに込める想いやこだわりについて、お話をうかがってきました。

一人ひとりにあった眼鏡を提供したい

 オーダーメイドをはじめる以前、清家さんは眼鏡屋に勤めていました。毎月300~400人ものお客さまを接客していくなかで、ふと、ある違和感を覚えたそうです。
 「眼鏡は一人ひとりの骨格や雰囲気にあわせて選ぶもので、その人の個性や印象にもなるため、とても重要です。それにも関わらず、既存の形のなかから選ぶスタイルが、眼鏡に顔を合わせているようだと感じました。」
 
 眼鏡に顔をあわせるのではなく、顔に眼鏡をあわせたい。そんな想いからオーダーメイドで提供したいと考えていた時、縁があって眼鏡のフレームづくりの職人と知り合う機会があったそうです。それがきっかけでオーダーメイドでのフレームづくりをスタートし、10年ほど続けたタイミングで独立しました。

カフェ開業の知識やスキルを備えて、いざオープン

 清家さんは眼鏡製作所とあわせてカフェを開きたいと考えていましたが、カフェに関しては全くの初心者。中崎町にあるスクールで開業に関する知識やスキルを学び、直営のカフェでは実際の運営も経験しています。
 そのおかげで中崎町の人の流れや地域性がわかったうえ、モノづくりの店が多いこの街をすっかり好きになったそうです。ちょうど眼鏡屋がなかったこともあって、2018年9月14日、中崎町に『めがね製作所カフェ 藍丸』をオープンしました。

 お店は古民家を再利用した、和の雰囲気が漂う空間となっています。コンクリートでモダンな雰囲気にする案もあったそうですが、カフェで提供する料理とあわせて、現在のデザインになりました。

苦もありながら順調なスタート!

 
 開業自体が初めての経験ということもあって、業者選びや物件選びなど苦労することも多々ありましたが、カフェはスクールのバックアップのおかげで想定よりも順調だったといいます。オープン時こそてんやわんやしていた仕込みやオペレーションも、徐々に慣れて落ち着いてきました。

 製作所の準備はほぼ、自身でスムーズに進められていたそうです。ただ一つ大変だったのが、作業に使う機械集め。現在、新規ではつくっておらず、新しくお店で購入することはできません。そのため、“めがねのまち”と言われている福井県の鯖江市で出回っている中古品を探して、一式揃えました。

お互い支えあって新たなファンを獲得

 眼鏡製作所×カフェ。全くの異業種で、一見不思議な組み合わせに思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これにはしっかりとした清家さんの意図があります。

 眼鏡のオーダーメイドにはあまりなじみのない方が多く、お店も少ないため行きづらいと思われてしまいがちです。そこにカフェを併設することで、食事をしたり、コーヒーを飲んでゆっくり過ごしながら「こんなのがあるんだ!」と、オーダーメイドを身近に感じやすくしているのだとか。

 反対に、カフェは店舗数も多くてとてもなじみやすい場所。その分似たり寄ったりになってしまうため、“眼鏡のオーダーメイドもできるカフェ”として差別化を図ることができます。眼鏡やモノづくりに興味のある方からも、カフェに興味をもってもらいやすくなるのです。

 一見不思議な組み合わせですが、お互いが入り口となることで、本来のターゲット層以外の方にも興味をもってもらえる機会を作っています。

熟練の技術とこだわりが光るオーダーメイドの眼鏡

 通常の眼鏡屋では、すでにあるフレームから好きなものを選び、レンズをはめて完成です。ところがオーダーメイドなら、フレームの形や色を自分の好きなデザインに決められます。
 同店では大枠のデザインとしてセルテンプルとチタンテンプルの2つのタイプを用意しています。セルテンプルはしっかりとした印象とデザインの自由度の高さ、チタンテンプルはすっきりとした印象と軽さが特徴です。

 オーダーメイドの流れとしては、最初に使用頻度や要望をうかがった後、顔や鼻周りのサイズ測定や視力測定、好きなカラーやデザイン選びをおこないます。その後、素材を削ってフレームを作り出し、鯖江の職人による仕上げ、清家さんによる最終調整をして完成です。
 眼鏡に使用しているのは、アセテートという素材。色味などによって少しずつ加工の仕方が異なるため、一つひとつ見極めながら時間をかけて丁寧に作業しています。

米を活かしたメニュー

 現在カフェの経営を任されているのは、清家さんの元部下の方です。ご実家が米農家のため、その米を使った料理を中心に、和定食やスイーツなどを提供しています。なかでも特におすすめしているのがおにぎりと、食べる甘酒です。


▲おにぎり

 シンプルながらも、米本来のおいしさを一番に感じられるおにぎり。一つずつふんわりと握っているため、口の中でほろほろと崩れていきます。箸ではなく、手でそっと持って食べるのがおすすめです。味は、塩、さばみそ、昆布、梅の4種類。優しいおいしさで、ほっこりした気持ちになれますよ。


▲食べる甘酒(プレーン)

 スプーンで食べる新感覚の甘酒は、おやつにぴったりの一品。米麹と米と水だけで作っていて身体に優しく、癖もないので食べやすいです。砂糖も使わず、米の甘みを活かしています。
 フレーバーは、プレーン、まるごと愛媛、ブルーブルーベリー、豆乳きなこの4種類です。甘酒がとても甘いので、柑橘系やベリー系との相性がぴったり。さっぱりとして、甘いのが苦手な方にもおすすめです。また、豆乳きなこは、豆乳の豆臭さと甘酒の甘さがちょうど中和してとてもおいしくなります。湯のみに入った豆乳をかけてお召し上がりください。


▲食べる甘酒(豆乳きなこ)

モノづくりを広めたい

 「お店を大きくしたいとか、繁盛させたいというよりも、中崎町全体でモノづくりをもっと盛り上げていきたい気持ちが強いです。若い人が増えているので、そういった方々にも良さを知ってもらい、モノづくりに関わる人が増えていってほしいと思います。そのきっかけの一つに、当店があったらうれしいです。」

 お店では、オーダーメイドだけでなくフレームづくりのワークショップもおこなっています。実際に体験することで関心が深まり、モノづくりの魅力を体感できます。
 曜日限定で夜カフェの営業も開始したので、学校や仕事帰りにふらっと立ち寄ってみるのも良いですよ。

 眼鏡のオーダーメイドに興味がある方やカフェ好きは、ぜひ一度『めがね製作所カフェ藍丸』を訪れてみてください。

店舗名 めがね製作所 藍丸
住所 大阪府大阪市北区中崎町1-7-10
電話番号 06-7502-2004
アクセス 地下鉄谷線・中崎町駅から徒歩5分
営業時間 11:00~19:00
定休日 水曜日
ホームページ https://aimaru-megane-cafe.com/
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