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大阪

【大阪・日本橋】モツ煮そうめんに角煮バーガー!『饗・台湾屋台グルメの旅』のB級グルメで、台湾がもっと身近に♪

 キッチンのない家が多い台湾は、外食文化が盛んな国です。夜遅くまで灯りの消えない飲食店街では、子どもからお年寄りまで、幅広い世代が外食を楽しんでいます。

 そんな台湾の食文化を象徴するのが、おいしい屋台グルメ。浪速区日本橋にある『饗(シャン)・台湾屋台グルメの旅』では、台湾出身のオーナーが腕によりをかけてつくる、本場の屋台グルメを味わえます。

きょうだいではじめた台湾料理店

 『饗・台湾屋台グルメの旅』は、新大阪にある台湾料理店『一路發(イロハ)』の姉妹店として、2019年1月にオープンしました。
 ふたつのお店で味わえる台湾料理は、テイストが違います。異国情緒あふれる『一路發』では、台湾の家庭料理を。『饗』では、気軽に食べられる屋台のB級グルメを提供しています。

 オーナーの田中さんは、30年ほど前に台湾から来日し、ずっと大阪で暮らしてきました。
 「兄の会社が閉業するのをきっかけに、“台湾料理のお店をやろう”と声をかけられたんです。ふたりで新大阪にお店を開いて、しばらく一緒に働いていました。」
 
 現在、『一路發』の経営はお兄さんに任せているのだそう。故郷のすばらしい食文化を日本に広めようと努力する、二人の情熱が感じられます。

屋台で味わったあのグルメをもう一度

 飲食店の仕事をはじめて3年目までは、苦労が多かったと田中さんはいいます。お客さまに認められ、繁盛店になるまでには、さまざまな試行錯誤がありました。

 その中で聞こえてきたのは、「台湾に行ったときにおいしかった屋台グルメを、日本でもう一度味わいたい」というお客さまの声でした。

 屋台で食べ物を買う機会といえば、日本ではお祭りのときくらい。ところが台湾では、たくさんの屋台が夜な夜なオープンし、多くの人でにぎわいます。
 伝統料理とは違う魅力を持つ、屋台のB級グルメのおいしさを広めたい。その想いが、『饗』誕生のきっかけとなりました。

 「このあたりには中国や台湾の人も多いから、それも決め手でしたね。新大阪はサラリーマンがメインだから、異国料理に抵抗がある人が多くて。こっちは好奇心旺盛な若い人も多いし、受け入れられやすいと思ったんです。」

 本場をイメージした内装は、「台湾に来たみたい」とお客さまから大評判。荘厳すぎずカジュアルすぎない、シンプルで落ち着く雰囲気です。

 壁には、かわいいイラストも。パイナップルケーキやマンゴーなど、台湾の名物や観光スポットが描かれています。

 「お客さんが満面の笑顔で喜んでくれるのが、うれしくてたまらないです。ほら、大阪で台湾のB級グルメを食べようと思ったら、タピオカくらいしかないでしょ?本場の屋台グルメが食べられるお店って探してもなかなかないから、喜んでもらえています。」

本場の食材を使った、味自慢のB級グルメ

 『饗』の強みは、台湾出身のオーナーが本場の食材でつくる、本格屋台グルメを味わえることです。その人気ぶりは、台湾旅行から帰ってきたお客さまが、まっすぐにお店に足を運ぶほど。現地で感動したグルメを、帰国後も味わえるなんて贅沢ですね。

 「ちょっとコストは高くなるけど、台湾から本場の食材を仕入れています。同じ食材でも、台湾のものと日本のものでは味も変わりますからね。台湾に行ったことがない人にも、“これが台湾の味か”と感じてもらいたくて、仕入れにはこだわっています。」

 お店のイチオシは、3つあります。

 まず、台湾風そうめんの大腸麺線(ダーツァンメンセン)。優しい味のそうめんには、柔らかく煮込んだモツがトッピングされています。
 かつおだしと黒酢のさっぱり味は、日本人のDNAにも響くおいしさ。麺が伸びないので、テイクアウトでもおいしくいただけます。

 ふたつめは、二度揚げでサックサクに仕上げた台湾風からあげ・盬酥雞(イェンスージー)。衣にさつまいもの粉が使われているのが台湾流です。外はさっくり香ばしく、お肉はふっくら。ひとつ食べたら最後、ビールのおかわりが止まりません。

 そして、台湾バーガーの割包(グァーバゥー)。本場から仕入れるふかふかの蒸しパンには、とろりとした角煮と高菜、ピーナツ粉、パクチーがサンドされています。
 角煮のコクに、ピーナツやパクチーの香ばしさや豊かな香りがプラスされ、日本では味わえない不思議なおいしさに仕上がっています。

 黒糖生姜湯で味わうカラフルなお団子は、円満を象徴するおめでたいデザート。台湾では、季節行事のときには欠かせません。もちもちのお団子と、黒糖の優しい甘さが相性抜群。からだがぽかぽか温まります。


▲わらび餅のような食感の粉粿(フングェ)

 お客さまはどんなものを食べたいのか、どんな料理を出せば喜んでもらえるのか。まだまだ試行錯誤の途中なのだと、田中さんはいいます。
 「日本人は、なじみのない料理に抵抗を感じやすいですよね。でも台湾人は、新しい料理を見たらすぐに試すんです。だから、口コミも広まりやすいんでしょうね。」

 誰かが食べて「おいしかった」と言わない限り手をつけない日本人は、田中さんいわく“保守派”。おいしかったらラッキー、そうでなければ別のお店を探そう!というラフな気持ちで、いろいろな料理にチャレンジしてほしいと話します。

これからも、お客さまの感動をつくる料理やサービスを

 『饗』は、百貨店の催事にも引っ張りだこ。オープンして半年と経っていないにもかかわらず、イベント出店のたびに行列をつくる話題のお店です。

 「現地の味を知らないお客さんにも来てほしいけど、台湾旅行から帰ってきたお客さんに、“ここなら、もう一度あのからあげを食べられる”と真っ先に来てもらえるお店になりたいですね。」
 お客さまを感動させる料理やサービスを考えては提供し、立ち止まることなくチャレンジする姿勢を持ち続けたいと田中さんは話します。

 今後はテイクアウトに力を入れ、大阪のたこ焼き屋さんと同じくらい気軽に寄れるお店を目指したいのだとか。3軒目、4軒目をこの周辺に開き、台湾グルメの食べ歩きができる屋台村のような場所をつくってみたい…そんな野望も聞かせてくださいました。

 台湾の外食文化が生んだ、誇るべき屋台グルメのお店『饗・台湾屋台グルメの旅』。異国生まれなのにどこかホッとする味のからあげや台湾バーガーを、大阪に味わいにきてくださいね。

店舗名 饗(シャン)・台湾屋台グルメの旅
住所 大阪府大阪市浪速区日本橋4-17-14
電話番号 06-6568-9686
アクセス 大阪メトロ堺筋線恵美須町駅(1b出口)から徒歩6分
営業時間 11:30~22:00
定休日 不定休
ホームページ https://www.facebook.com/syantaiwan/