【東京・町田】『夜もすがら骨董店』で過ごすレトロでノスタルジックな時間
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レトロマニア必見の穴場が、東京・町田市にオープンしました。今回ご紹介するのは、小さな商店街の一角にたたずむお店『夜もすがら骨董店(よもすがらこっとうてん)』です。
「昔から古いものが好きで、小学生のころは社会の教科書で見た土偶とか、勾玉が好きだったんですよ。…って、ちょっと古すぎますよね。」そう笑顔で話すのは、店主の加藤さんです。彼のこだわりが詰まった、ノスタルジックな店内をご案内しましょう。
地元に昔の活気を取り戻したい
幼いころから古い家具に囲まれて育ち、骨董品に愛着を持つようになったという加藤さん。以前はこの地で、祖父母の代から商店を営んでおり、今回改めて、カフェ兼骨董店として同店をリニューアルオープンしたのは、地元の商店街を活気づけたいという思いがあったからだそう。
「この界隈も昔はいろんなお店があったけど、後継ぎがいなかったりよそに行ってしまって、3代目で商売をやってるのはもう僕くらいしかいないんです。だから、この町が、少しでも昔の姿を取り戻してくれたらいいなと思って、人が集まるカフェを作ろうと思ったんです。」
古き良き時代に想いを馳せて
店内に足を踏み入れると、古き良き時代を思わせるレトロなポスターや家電、生活用品がお出迎え。一定世代以上の方なら、「これ、うちにもあった!」と目を輝かせ、懐かしい気分に浸れる品々が所狭しと並んでいます。
加藤さんがお店づくりに取り入れているのは、戦前の品々だといいます。明治の後期から大正の初めは、西洋の文化を貪欲に取り入れ、日本人の心と生活がとても豊かだった時代。その頃の活気が感じられる、“ハイカラ”なデザインの小物やインテリアに、加藤さんは心惹かれるのだといいます。
飾られているのは、日本のものだけではありません。ステンドグラスのランプや食器など、西洋のものもたくさんあります。眺めているだけで1日過ごせそうなこの空間は、一度訪れると、通いたくなるような雰囲気です。
備品?いえいえ、買えるんです!
一つひとつに味のある店内の備品は、飾ってあるかと思いきや、実は販売も行っています。骨董品を求めに訪れるお客様はもちろん、カフェに来たお客様が気に入って購入していくこともあるのだとか。
こちらは、セルロイド製の石鹸入れです。一つ200円~500円で販売しています。何ともいえない古めかしい柄と、一つひとつ表情の違うレトロな色合いが美しいですね。小物やヘアゴム、アクセサリーを入れるのにもぴったりです。
棚の上にちょこんと鎮座する福助と招き猫は、大正時代のガラス瓶のお菓子入れだそう。アルマイト製の蓋がレトロ感たっぷりです。店内には、備品と見せかけた商品がたくさん並べられているので、宝探しのようにわくわくしながら過ごすことができます。あなただけのお気に入りが、きっと見つかるはず。もし気になるものがあれば、加藤さんに声をかけてみてくださいね。
ふくろうに見守られ、夜もすがら
“夜もすがら”とは、古典文学や和歌に出てくる言葉で、“一晩中、終わらない夜”といった意味を持ちます。骨董商は早朝でも夜中でも、市場に向かったりお客様の自宅へ見積もりを取りに行きます。加藤さんは、そんな自分の仕事に“夜もすがら”という言葉を重ね合わせ、同店を『夜もすがら骨董店』と命名したのだといいます。
夜のイメージから、同店のマスコットになったのがふくろうです。きょろきょろと目玉が動く可愛い掛け時計は、昭和30年代に作られた由緒あるもの。お店のロゴやテーブルの上、入口の案内など至るところでふくろうに出会えるので、探してみるのも楽しいですよ。
懐かしい“カフェー”のメニュー
「メニューは、かつて喫茶店の前にあった“カフェー”で出してきたようなものをイメージして作りました。」と加藤さん。
じっくり煮込まれた野菜のうまみが溶け込んだルーが舌を楽しませてくれるこちらは、カレーライスというよりもまさに昔の“ライスカレー”。ケチャップたっぷりのナポリタン、こんがり焼けたピザトーストなど、懐かしさを感じられるメニューが揃っているので、ノスタルジーに浸りながら味わってみてはいかがでしょうか。こちらの商品は料理担当の奥様が作っています。
“アイスクリン”と呼ばれるこちらのアイスクリームは、添えられたウエハースや柄付きのグラスも懐古的です。子供の頃に家族でお出かけし、レストランで食事をした思い出がよみがえる方も多いのではないでしょうか。
子供の頃に飲んだ、あの味
ドリンクメニューで注目したいのが、赤(いちご)、黄(レモン)、緑(メロン)、青(ブルーハワイ)の4色から選べるメロンソーダです。カラフルでとても美しく、写真映えもばっちり。お友達と数人で訪れて、色違いを注文するのがおすすめです。
皆さん、ミルクセーキはご存知でしょうか?牛乳と卵、砂糖で作った、喫茶店の定番メニューです。最近はお店でもほとんど見かけず、若い世代では知らないという方も多いでしょう。同店では、今やなかなか出会えなくなってしまったミルクセーキを味わうことができます。一口飲めば、シャリッとした氷の食感と優しい甘さにほっとします。
時間と手間をかけた愛着ある内装
「もともと古い場所だったから、雨漏りしていたり、知らないガス管が通っていて驚いたり、内装にはとても苦労しました。工事は冬に始めたんですが、完成する頃にはもう夏になっていましたね。」家具職人の指揮のもと、奥様と一緒に塗装をしたり、棚を作るなど、手間暇かけてお店を完成させたのだといいます。
「これだけ苦労してできたお店だから、店内のもの一つひとつにエピソードがあり、愛着もあります。だから、お客様が隅々まで雰囲気を楽しんで、こだわりに気付いてくれた時は本当に嬉しいです!」
照明なども、壊れているところを直して、なるべく古いものを使っているのだとか。新しいものにはない骨董品の素晴らしさと味わいを伝えるため、加藤さんの探求心は尽きません。
ゆっくりとくつろいでいって下さい
「店名は骨董だけでやっていた頃から変えていないので、カフェを始めたことを知らない方もまだまだ多いんです。ご年配の方には懐かしく、若い世代の方には目新しい、どんなお客様にも楽しんでいただける雰囲気のお店です。時間を忘れてくつろいでいって下さいね。」と加藤さん。一歩店舗に踏み入れると加藤さんと奥様のご夫婦の暖かさが、アットホームさも感じさせます。
忙しない毎日に、ちょっとした癒しを提供してくれるお店がここにあります。あなたも『夜もすがら骨董店』でほっと一息つきながら、古き良き時代にタイムスリップしてみてはいかがでしょうか。
店舗名 | 夜もすがら骨董店(よもすがらこっとうてん) |
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住所 | 東京都町田市鶴川2-14-15 |
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電話番号 | 090-2725-9482 |
アクセス | バス停センター前から徒歩1分 |
営業時間 | 10:00~18:00(LO17:30) |
定休日 | 日曜日(加えて不定休あり) |
ホームページ | https://tabelog.com/tokyo/A1327/A132701/13210525/ |
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