【東京・阿佐ヶ谷】その美味しさは“天然もの”!『たいやき ともえ庵』の真面目なたい焼き作り!
JR中央線・阿佐ヶ谷駅から徒歩4分のところにある『たいやき ともえ庵』は、2014年、地域の憩いの場・パールセンター商店街にオープンしました。1枚1枚丁寧に焼き上げる薄皮のたい焼きと、製法にこだわったかき氷は、地元の方々の定番おやつとして愛されています。今回は、オーナーの辻井さんが、お店づくりに対する熱い想いを語ってくれました。
一丁焼きの美味しさに心奪われて
「地元には、1枚ずつ丁寧に焼く“一丁焼き”のお店はなかなかないんです。だから、東京に来て、職人さんの技がこもったたい焼きを食べた時はグッときましたね。一丁焼きのたい焼きの美味しさを皆さんに広めたい…そんな思いで、お店を始めました。」関西出身の辻井さんは、『ともえ庵』を開店する前、上京時に食べたたい焼きの味に感動したのだといいます。
もともと中野にオープンした同店は、より多くのお客様が足を運んでくれるようにと、ここ阿佐ヶ谷の商店街に3年前に移転しました。こうして再出発した今、地域のお客様に無くてはならないたい焼き屋さんとして、愛されているそうです。
餡と薄皮にこだわる自慢のたい焼き
『ともえ庵』のたい焼きのこだわりは、1枚1枚丁寧に焼き上げる“一丁焼き”の手法を取っていることです。金型に生地を流して5~6枚一気に焼き上げる“養殖もの”に対し、一丁焼きのたい焼きは“天然もの”と呼ばれ、食べられるお店は全国でも少ないのだそうです。
こちらをご覧ください。皮の薄さと、頭からしっぽまでぎっしり詰まった餡の量に関して、『ともえ庵』の右に出るお店はないでしょう。これだけぎっしりと餡が詰まっていても、重さを感じずにぺろりと食べられるのは、極限まで甘さを控えた餡に秘密があります。辻井さんはこの餡を作るため、何軒ものお店に足を運び、実際にたい焼きの糖度を計ったというから驚きです。糖度の低い餡はとても柔らかいため、薄い皮で包むのはとても大変なのだとか。餡と皮のバランスを見極めながら焼き上げられた、職人技が光る逸品なのです。
こちらもおすすめ、一度は食べていただきたい“白玉たいやき”です。たい焼きの形に合わせて細長く作られた白玉が入っており、粉を練るところから手作りしています。さくさくの皮と、ぽってりとした餡、もちもちの白玉の三重奏は、全ての和菓子好きに贈りたい美味しさです。
また、毎年秋から次の春にかけて発売する、季節限定のたい焼きも見逃せません。これまでに、“刻み生姜”、“紅玉りんご”、“酒粕”、“広島レモン”など、様々なたい焼きが登場しました。今年はどんなたい焼きに出会えるのか、待ち遠しいですね。
製法で勝負!素直な美味しさのかき氷
▲いちごと自家製練乳のかき氷
『ともえ庵』もう一つの自慢は、飾らない素直な味のかき氷です。使っているのは氷屋さんから仕入れた氷で、特に高級なものではありません。それでも、削り方と温度管理にとことんこだわることで、最高に美味しいかき氷を作ることができるのです。
「氷は溶け始める寸前が一番美味しいので、削る前に少し常温で緩めておきます。削り始めたら最初から器で受け止めず、氷の状態が安定してきたら初めて器で受け止めます。“できるだけ薄く細かく”を意識して削っているので、雪のようにふわっとした食感に仕上がるんです。シロップを含むと、クリームのようにとろっとした口どけが楽しめるんですよ。」
お店によっては、冷凍庫で冷やした器で提供するところもありますが、それでは溶け始めたところが再び凍り、食感が悪くなってしまうのだそうです。そのため、同店では常温の器で提供することにもこだわっています。
▲抹茶とあずきのかき氷
口の中でスッと消える氷と、シロップのほのかな甘みが余韻をもたらす、素直な味わい。生クリームやアイスが乗ったきらびやかなものではないけれど、同店のかき氷には変わらずに愛され続ける理由があります。シロップの抹茶にはお菓子に使われるものではなく、本格的なお茶の席に用いられる抹茶が使われているのに加え、練乳も氷の風味や食感を邪魔しない、さっぱりとした甘さになっています。こちらもお店で手作りしているそうですよ。
▲山口長門の夏みかんのかき氷
かき氷もたい焼きと同様に、季節限定の商品が登場するとのこと。今年の初夏には夏みかんのかき氷が甘酸っぱい果汁と爽やかな味わいで、訪れるお客様に涼をもたらしてくれました。また、8月の終わりには、巨峰、ピオーネ、藤稔など仕入れによって変わる品種で作る、ぶどうのかき氷も登場。生の果汁や煮詰めた果肉に砂糖を加えただけのシロップは、果物本来の美味しさが楽しめます。肌寒い時期でも変わらない人気を誇る『ともえ庵』のかき氷で、季節の訪れを感じてみてくださいね。
▲ぶどうのかき氷
ここでしか食べられない阿佐ヶ谷練乳餅
店頭の冷蔵ケースに用意されている“阿佐ヶ谷練乳餅”も、隠れた人気メニューです。こちらは自家製の練乳を使った、わらび餅のようなオリジナルのお菓子です。中野から阿佐ヶ谷に移転した際、“地域のお客様に愛される、ここでしか味わえないお菓子を…”との思いを込めて作られました。たい焼きと違い日持ちがするこちらは、お土産にもぴったりです。粒あんやきなこを添えたり、色々な食べ方で楽しめるのが嬉しいですね。
毎日、真面目に焼いています!
「たい焼きもかき氷も、自分が納得したものだけを提供しています。メディアに取り上げられる有名なお店だけが美味しいとは限りません。小さくて地味なお店でも、こだわりを持った、正直なたい焼き作りで勝負していきたいですね。」有名店の陰で、そのこだわりがなかなか伝わらず苦労することもあるそうです。でも、“本当に美味しいものを提供すれば、お客様は必ず応えてくれる”それをいつも心の隅に置いて、真面目なたい焼き作りに励んでいるのだと話してくださいました。ホームページやブログも日々更新中なので、『ともえ庵』の正直なお菓子作りの裏側を覗いてみて下さいね。
商店街のたい焼き屋さん
「商店街でお買い物の方も、阿佐ヶ谷にお立ち寄りの方も、ぜひ当店のたい焼きを一度召し上がって下さい!」昔ながらの丁寧な製法を守りつつ、現代の人々に愛される素直な味を提供するのが、同店のコンセプトだと話す笑顔の辻井さん。家族連れがたい焼きをおやつに、お店のベンチで休憩する…休日には、そんなのどかな光景も見られるそうですよ。
阿佐ヶ谷にお出かけの際は、『ともえ庵』のたい焼きをおともに、商店街を散歩してみてはいかがでしょうか。
店舗名 | ともえ庵 |
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住所 | 東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-35-20 |
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電話番号 | 03-6383-2144 |
営業時間 | 11:00~20:00(餡がなくなり次第終了) |
定休日 | 無休 |
ホームページ | http://www.tomoean.net/ |