【東京・荒川】酒好きに吉報!粋な肴と通な酒を堪能できる隠れ家『旬 膳 燗 はせ川』が荒川遊園前にオープン

 下町情緒溢れる荒川区には、昭和を感じさせる商店街や歴史ある寺、神社、木造の平屋などが並び、ノスタルジックな風景が広がっています。その中を走るこれまたノスタルジックな路面電車・都電荒川線が地域と地域を結ぶ役割を果たしています。
 そんな都電荒川線の途中に荒川遊園前駅があります。実はこのあたり、荒川区の中でも人気店が多く集まる飲食店の激選区であり、グルメ好きが集まるエリアなのです。そんな地に2018年2月、酒好きにはたまらないお店が誕生しました。その名も『旬 膳 燗 はせ川』。12年間和食で腕を磨いたオーナーの長谷川翔さんと、奥様でありバーテンダー歴8年の麗さんの2人によって切り盛りされています。

前職での出会いと、地元荒川区での独立

 翔さんと麗さんは埼玉にある飲食系企業に就職し、翔さんはそこが運営する和食店、麗さんはショットバーで長年勤務していました。やがて二人は意気投合して結婚することに。いつか地元で自分の店を出すことが夢だった翔さんは、麗さんとともに荒川区で『旬 膳 燗 はせ川』をオープンしました。飲食業界に飛び込んで12年、遂に夢を果たすこととなったのです。

一切妥協のない内装と居心地の良い空間

 店内はウッドベースで統一されており、温かみのある内装となっています。木でできた壁はなんと日本酒樽をリメイクしたもので、こんなところからも翔さんの職人気質が伺えますね。
 洗練された美しさを感じるカウンターが料理をおいしく見せ、運ばれてきた料理へのわくわくに拍車をかけます。二人とも日本酒についてはもちろん、テキーラやラム酒をはじめとする洋酒にまで深く精通してるので、会話を楽しみつつ料理やお酒をいただけるのはカウンター席に座る特権です。

何よりもこだわるのは素材の仕入れ

 長年和食の現場で働いてきた翔さんは、とにかく仕入れにこだわっています。「オーナーは、魚についてはとてもうるさいです。」と麗さんもおっしゃるほど。刺身用に仕入れた魚に納得がいかないと、そのメニューを出さないこともあるのだとか。そんな翔さんは、情熱大陸にも出演したことがある、伝説のスズキ漁師と言われる村公一さんからも魚を仕入れています。


▲お造り盛り合わせ

 翔さんのこだわりの魚をいただきたければ、お造り盛り合わせは必須です。丁寧にカットされた刺身は美しく、もはや芸術の域。この日のラインナップは、右から北海道産の水ダコ、村公一さんから仕入れた徳島県産のスズキ、同じくカイズ、タチウオ、天然ぶりです。仕入れのみでなく、仕入れた魚を最善の状態で食べられるようにと、調味料や切り方にもこだわっています。好みに応じて広島の海人の藻塩か、カツオの効いた自家製合わせ正油で召し上がってみてください。


▲和牛ランプステーキ

 こだわりは魚だけではありません。見ているだけでよだれが垂れてきそうなこの美しいお肉は、和牛ランプステーキです。肉やベーコンなどは、かねてから付き合いのある静岡県沼津の老舗、牛山精肉店から仕入れています。表面はこんがり焼け目がつくくらい、内側は火が通り過ぎない程度に熱しているので、味だけでなく食感も楽しめるのが特徴です。付け合わせは天然のクレソンに、右からバルサミコ、本わさび、さらにはトリュフ塩まで添えられているなんて、まさに贅沢の極みですね。

 『旬 膳 燗 はせ川』ではその名の通り旬のものに重きを置いているので、メニューは季節ごとに変わり、仕入れによっては日ごとに変わるものもあります。通年で提供しているメニューでおすすめは、鳴門金時と牛山ベーコンのポテトサラダ。ポテトサラダと言ったら普通じゃがいもを使用することが多いですが、同店では徳島を代表する濃厚なさつまいも”鳴門金時”を使用しています。サツマイモのため全体的に甘めに仕上がるところに、牛山精肉店のスモーキな牛山ベーコンや粒マスタード、キュウリやニンジン、糠に漬けた長芋ものを使用し、頂上にはリーフペッパーを添えています。そうすることで、甘さとしょっぱさのバランスが取れて複雑味が増します。鳴門金時の甘みが活きているので、砂糖は一切使用せず、その他の調味料もほぼ使用していないというこのポテトサラダはお客様からも大好評のメニューだと言います。

 このように、『旬 膳 燗 はせ川』では何よりもまず素材にこだわっています。その上で、その素材が最も輝くように他の素材とかけ算を行うことで素材同士の絶妙な融合を図っていることがわかります。
 

地域の人たちに愛されるお店へ

 今後の目標を聞くと「地域の人たちに愛されるお店にしていきたいです。」と口を合わせるお二人。早くも人気店への階段を着々と登っているその姿を見ていると、もう既に達成しているのではないかとも思えます。地域の方はもちろん、遠方に住んでいる方も、ふと和が恋しくなったら情緒溢れる都電に乗って、旨い肴と酒を嗜みに『旬 膳 燗 はせ川』へ訪れてみてはいかがでしょうか。

■文、写真・片岡力也

店舗名 旬 膳 燗 はせ川
住所 東京都荒川区西尾久7-29-8
電話番号 03-6458-2875
アクセス 都電荒川線荒川遊園地前駅から徒歩1分、JR尾久駅から徒歩5分
営業時間 16:00~0:00
定休日 不定休
ホームページ https://hasegawa.owst.jp/
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