【沖縄・南城市】じっくり時間をかけて炊いた金時豆がおいしい『いいやんべぇ』の沖縄ぜんざいが人気沸騰中!

 “ぜんざい”と聞くと、白玉団子の入ったあんこの汁物をイメージする方が多いと思いますが、常夏の沖縄で“ぜんざい”といえばかき氷に金時豆のあんこを載せたものを指します。

 しゃばしゃばの金時豆の汁をかけたかき氷が“沖縄ぜんざい”の王道ですが、今回ご紹介する『いいやんべぇ』の沖縄ぜんざいは口当たりがしっかりとしたあんこが載っていることで有名です。オーナーの山城さんに、同店の人気の秘密をうかがってきました。

口癖は『いいやんべぇ』(とっても“いいあんばい”)

 あまり耳なじみのない言葉『いいやんべぇ』。この店名の由来を尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。
 「私の口癖が『いいやんべぇ』なの。子どものころから使ってる言葉で、“いいあんばい”、“いい感じ”という意味かな。」

 この言葉を誰もが使う沖縄の方言だと思っていたという山城さん。ところが、あるとき方言に詳しいお客さまに「資料館に行って調べたけど、“いいやんべぇ”なんて言葉はないよ!」と言われてしまったのだとか。そうは言われても、山城さんは“いい感じ!”と思ったときには『いいやんべぇ』というのが口癖。その言葉がなかったとしても、気にはしていないようです。

車庫を改装した手造りの店舗

 今から5年ほど前にオープンした同店は、自宅の車庫を改装しています。最初は「こんなところで店をはじめても流行らないよ!」と言われることもあったのだそう。
 ところが、現代は味が良ければ人が来る情報社会。グルメ情報サイトに高評価の口コミが次々投稿されるようになると、目の回るような忙しさになったそうです。

 「あたしは佐敷のこの何にもない道が寂しくてイヤだったの。でも、いまは行列ができて、それを目印に人が集まるから、この道も雰囲気が変わったと思う。」と、山城さんはうれしそうに話します。

 店内に置かれているテーブルや椅子もご主人が手作りしたもので、電球を包むランプシェードは山城さんのハンドメイドです。琉球松で作ったという棚にも、趣があります。席数は8席。夏は外にも席を出し、さらに8席拡張されるそうです。

4時間煮詰めた口当たり滑らかなあんこが個性的

 “沖縄ぜんざい”というと、しゃばしゃばに煮た水分の多い金時豆の汁をかき氷にかけたものが一般的。ですが、『いいやんべぇ』の沖縄ぜんざいはしっかりとした粘度の高いあんこがかき氷の上に載っています。豆はじっくり4時間かけて炊いたもので、豆を崩さずに炊くコツは、試行錯誤の末に手に入れた技術のために企業秘密なのだとか。このあんこは上に載っているだけでなく、氷の下にも隠れています。

 ボリューム満点のかき氷は、こぼさずに食べるのは至難の業。中にはお替りをする猛者もいるそうで、一杯300円ほどのぜんざいでも大繁盛。かき氷は250円からと、ぜんざいよりちょっとお得です。とはいえ、元々の値段がリーズナブルなので、何杯も食べたくなる気持ちは納得ですね。

 開店当初は“きな粉ぜんざい”と“ミルクぜんざい”だけだったメニューも、現在は“黒糖みつぜんざい”、“アイスクリームぜんざい”など、バリエーションが豊富になりました。どれもワンコイン以下なので、小さなお子さまからお年寄りまで手軽に楽しめるのもうれしいですね。

ぜんざいにかけた苦労はぜんざい屋も欲しがる匠の技術

 山城さんのぜんざいは一般的な沖縄ぜんざいと大きく異なりますが、このメニューを生みだすまでは失敗の連続だったそうです。何度豆を炊いてもうまくいかず、あらゆるぜんざい屋を食べ歩いて研究したことも。お店を開くまで一度も豆を炊いたことがないというところから、ここまでのクオリティに仕上げたのですから、その苦労は並大抵のものではなかったようです。

 いまでは、ほかのぜんざい屋さんが山城さんに秘訣を尋ねることもあるのだとか。そんなときは、「食べ歩いて研究して、あなたのぜんざいを作ってくださいね!」と上手にかわしているのだそう。
 そんな茶目っ気たっぷりの山城さんの今後の目標はというと、「ひたすら頑張るだけ!年金をもらうまではナイルカージ(できるだけ)頑張ります。」とのこと。

 最後に、「“きっと”おいしいから、ぜひ当店にお越しください。」と、メッセージをいただきました。
 「絶対においしい」と断言しないところもまた、山城さんらしいですね。

店舗名 沖縄ぜんざい いいやんべぇ
住所 沖縄県南城市佐敷手登根378
電話番号 090-1943-7248
アクセス 沖縄県路線バス 真志喜バス停留所から徒歩8分、国道331号線沿い
営業時間 11:00~17:30
定休日 不定休
ホームページ https://iiyanbee.ti-da.net/
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