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【福岡・春吉】こだわりの器でいただく日本料理とお寿司のお店『喜ふく』は完全予約制!

 天神と中洲の間に位置し、地下鉄南天神駅からのアクセスも良い春吉エリアは、隠れ家的なお店が多いことでも知られています。2018年2月、この春吉に完全予約制のお寿司屋さん『喜ふく』がオープンしました。美食家たちを唸らせる店主・都成さんに早速お話をうかがいました。

店主の気配りが行き届いた空間

――すごく落ち着きのある素敵なお店ですね。お店の名前も柔らかい印象で、なんだかほっこりします。

 「お客さまを喜ばせたい、幸福にしたいという思いを込めて店名をつけました。僕が飲食店をやる上で、一番気をつけているのが“驚き”と“喜び”と“感動”なんです。出された料理の味だけじゃなく、盛り付けや器でも心が動かせないと、家庭と同じになってしまうと思うので、そういうところにもこだわっていきたいなって思ってるんですよね。」

――お店のインテリアもきれいですよね。カウンターが芸術的です。

 「この花も自分で活けてるんです。楽しいですよ。花屋さんが「今日これでーす!」って届けてくれて。お客さまも喜んでくれますし。」

――ご自分で活けるんですか?すごい!至る所に繊細な気遣いがあって、素晴らしいです。

 「お客さまに活力になるものを提供したいので、料理はもちろんですが、店内の雰囲気づくりにも気を配っています。お客さま同士の縁がつながっていくような、そんなお店にしたいんですよね。日本酒はお好みの江戸切子を選んでいただいて、それにお注ぎします。……江戸切子ってこれなんですけど。」

――うわ~、素敵~!!

 「これが堀口切子って言って、江戸切子の中でも彫りが深かったりデザインが良いんです。若き天才って言われている、僕の2つ先輩の作品なんですけど。」

――すごいですね、きれいですね~。ジュエリーみたい。

 「こういうので、最初、お客さまに楽しんでいただきたいんですよね。」

東京の名だたる名店で修行

――都成さんのご出身はどちらですか?

 「僕は宮崎です。ずっと東京で日本料理を中心にやっていたんですけど、最初は赤坂のお店の親方について、8年くらいですかね……修行しました。銀座のお店とかでも働きました。その後、築地のお店でフグとスッポンをだいぶやりましたね。それから、数をこなすためにチェーン店のすし屋に入って、その後、赤坂に政治家の方もいらっしゃる割烹店があるんですけど、縁あってそこに研修っていう形で入りました。小泉元首相とか安倍総理もいらっしゃってましたよ。」

――すごいお店で修行をされて来たんですね。

 「そこから自分の店を持ちたいと思うようになって。もともと東京で出すことを考えていたんですけど、九州に帰ってきたい気持ちもあったので兄のツテがある福岡も考えるようになって。」

――ということは、福岡は今回初めてですか?

 「そうなんですよ、最初はどっちが博多とかもわからないくらいで。いろんなお店を食べ歩いたりして調べた結果、お寿司屋さんって単価は東京とそれほど変わらないんですよね。で、いろんな人に相談したんですけど、「福岡は激戦区だからやめとけ。」ってみんなに言われて。でもそう言われてしまうと、東京でやる意味がないなって思うようになって。やっぱり激戦区って言われているところで成功した方が自信になるじゃないですか。次が見えてくるっていうか。」

――それであえて福岡で勝負することにしたんですね。

メニューはコースのみ

――こちらのお店は完全予約制なんですよね。

 「はい。ご予約は電話のみとさせていただいてます。」

――ちなみにどんなメニューがあるんですか?

 「うちは1万円のコースのみです。最初に活力になるものを召し上がっていただきたいので、スッポンのスープをお出ししています。スッポンとマグロ節からとるダシで作っています。こっちにはマグロ節がないんですよね、カツオばっかりで。」

――マグロ節は福岡ではあまり耳にしませんね。

 「やっぱりそうですよね。マグロ節は以前からずっとお吸い物に使っていたので、付き合いのある築地のお店から送ってもらっているんです。あと昆布も。スッポンの後は一品料理やお造り、揚げもの…それからウナギの白焼きを必ず入れて、握りを10貫くらい。そして卵焼きとデザートっていう感じですね。」

――結構ボリュームがありますね。全部で何品くらいになりますか?

 「握りも入れれば18種類くらいありますね。」

――握りでこだわってることってあります?

 「シャリは米の旨みがある米酢と、スッキリしている赤酢をミックスしています。結構色の濃い赤酢を使っているので皆さま赤酢だと思われるんですけど、8割くらいは米酢です。」

――福岡では赤酢って珍しいんですけど、東京では定番って聞きました。

 「東京でも分かれますね。白っぽいのか赤いシャリか。うちは合わせているので。……サヨリのコブ締めを出すときには中に木の芽をちぎって入れて、ちょっとお塩をかけたり。だいたい口の中のイメージがつくような形で。あとは煮切り醤油をつけてお出ししたり。お客さまがそのまま食べていただけるようにしています。あとはネタの切り方も工夫していて、イカなんかは四方八方に包丁を入れて食べていただくとイカの甘みが口の中に広がりますね。」

――切り方によって味も変わるんですね~。

九州の地酒を堪能

――お酒はどんなものをご用意されてるんですか?

 「福岡はお酒がおいしいので、日本酒はほとんど福岡のお酒ですね。酒屋さんと一緒に試飲したりして、フレッシュとかスッキリとか4つに分類しています。冷酒に関しては最初の一杯めは江戸切子をお選びしていただいています。あとワインやいも焼酎も。ワインがお好きなお客さまも多いので、スパークリングとか、和食にも合うあっさりしたものをご用意してます。ワインクーラーも普通の鉄のじゃつまらないので、ヒノキのを2台入れています。」

――何から何まですごいですね!今後の目標はありますか?

 「今のところは、そうですね……お客さまが喜んでくださってるので、そういう方々が何回も来てくれるようになったり、紹介していただけるようになると良いなと思いますね。いまは全然宣伝とかしていないんですよ。ただ、とても良い方々とお付き合いすることができていて、その方たちが応援してくださってるっていうのもありますし。……桜坂の有名なケーキ屋さんが「うちの店に置いて配るから名刺ちょうだいよ!」なんて言っていただいたりして。」

――福岡にいらっしゃったばかりで、もともとお知り合いも少ないはずなのに、そういう横の繋がりができるっていうのは、やっぱり都成さんの人柄によるところが大きいんじゃないですか?すごく話しやすいしフレンドリーだし。ぜひとも皆さまに足を運んでいただきたいですね。

 「お客さまに喜んでいただければ、もうそれだけで僕は幸せです(笑)。」

店舗名 喜ふく
住所 福岡県福岡市中央区渡辺通5-10-30-1F
電話番号 092-287-4015
アクセス 地下鉄七隈線・天神南駅から徒歩3分
営業時間 18:00~23:00 (L.O.21:00)
定休日 日曜日・不定休
ホームページ http://sushi-kifuku.com/
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