【長野・南木曽】古民家でいただく地元の味『キッチン＆カフェ萬屋』で木曽の食文化や歴史に触れて

　木曽風情香る築110年以上の古民家を改装した建物が、今回紹介する『キッチン＆カフェ萬屋（まんや）』です。同店では、木曽で作られた陶器やインテリアに囲まれて、地元の食材を使った郷土料理を楽しめます。

　『キッチン＆カフェ萬屋』を運営している“広瀬いたんどり会”代表の志水さん自身も木曽が地元。地域活性化のため、地元のおいしいものを届けるべく2015年10月15日に同店をオープンしました。蘭川のほとりの秘境にたたずむ同店は、信州の魅力を再発見できる場所として多くのお客さまが訪れています。

郷土の味を受け継いでいく

　『キッチン＆カフェ萬屋』では、地元産の山菜や野菜を使った木曽の郷土料理をいただくことができます。一つひとつ丁寧に作られたメニューは、どれも“田舎の味”を彷彿させる懐かしい味わいです。

　志水さんは、料理についてのこだわりをこう話します。
　「観光で木曽に来ていただいても、なかなか地元の料理を食べられるお店がないんです。今や、長野県出身の人ですら木曽の郷土料理を食べたことがないという人もいるくらい。木曽にはおいしいものがたくさんあるということを知ってもらいたくて、地元の人しか食べられないようなものを皆さんに提供する場を作りたいと思って始めました。地元産の食材を使うことで、安心・安全なものを食べていただくことができ、そこから木曽を好きになっていただけたらと思っています。」

“信州食育発信3つの星レストラン”認定店

　そんなこだわりが認められ、『キッチン＆カフェ萬屋』は“信州食育発信3つの星レストラン”に認められました。
　信州食育発信3つの星レストランは、健康に配慮されていること、食文化を継承していること、食べ残しを減らす取組みを行っていることが、認定される条件となります。

　「自分たちが生まれ育ってきた地域の食文化を受け継いでいきたい。そんな想いで始めた取組みを県に認めてもらうことができ、自信が付きました。これからは更に活動に力を入れていきたいです。特に力を入れたいのは、私たちの団体名にも付いている“いたんどり”。これは、山菜のイタドリのこと。イタドリを使ったメニューをもっと開発していきたいですね。」

宿泊も可能！木曽風情あふれる古民家

　こだわりの郷土料理を更においしく仕立て上げてくれるのが、地元の風情があふれる築110年以上の古民家の雰囲気です。
　ろくろ照明が優しく照らす店内は、初めて訪れたとは思えないほどの懐かしさが込み上げます。長野県の工房で作られた座椅子や、南木曽のろくろ細工で作られた食器など、細かなところにも木曽を感じられる工夫がたっぷり。まるで、何十年も昔にタイムスリップしたかのような気持ちになれますよ。

　夏季以外の季節には、地元に古くから伝わっている“南木曽ねこ”を実際に着ながら食事をすることもできます。
　実は同店では、1日1組（最大10名）限定で宿泊することも可能。宿泊の際には夕食と朝食をいただくことができ、朝食では地元で人気の“なつやけ工房ムツムツ”のパンを食べられます。

木曽地域の歴史と文化に触れて

　歴史ある建築物で古くからの食文化を楽しめる『キッチン＆カフェ萬屋』。木曽の歴史と文化に触れながら過ごすことができます。
　「長野県は観光地やアクティビティも豊富なので、旅行の合間にぜひお立ち寄りください。“また来たい”と思っていただけるよう、おいしい料理とくつろぎの空間を用意してお待ちしております。」と志水さん。

　志水さん率いる“広瀬いたんどり会”のメンバーが温かく迎えてくれる『キッチン＆カフェ萬屋』で、普段は味わうことのできない木曽の味をたっぷり堪能してみてくださいね。