【長野・上田】完全手作りの“元祖おやき”をお目当てに『倉田菓子舗』へ 温かい接客も魅力のお店
信州人の大好物、おやき。灰で焼いたり蒸したりと調理法もさまざまな上に、中身の具材は甘い系からしょっぱい系まで…地域やお店によって個性が現れます。そんな奥深いおやきの世界で、80年以上続く老舗を誇るのが、今回紹介する『倉田菓子舗』です。
こちらのおやきは、舌触りが滑らかでモチモチとした生地に、野沢菜や茄子などの絶妙な塩加減の具材が包まれています。完全手作りにこだわって、おやきを作り続けてきた同店の人気の秘訣に迫りました。
歴史を感じる老舗のおやき屋
2016年の大河ドラマ・真田丸により脚光を浴びた信州・上田市。真田昌幸建築の上田城や歴史的な街並みが残る旧北国街道・柳町通りが観光地としても人気を博しています。上田城から柳町通りへの道中にあり、観光の途中で立ち寄るのも丁度いいスポットが、今回紹介する『倉田菓子舗』です。
こちらは、1935年に開店した老舗の和菓子店です。店舗を構える以前には行商で和菓子を売って歩いていたという記録もあり、それを合わせると100年近くに及ぶ、長い歴史を持つお店です。そんな同店では、“元祖おやき処”を謳っており、創業以来代々受け継いできた手作りのおやきが看板商品となっています。
代々続く“倉田のおやき”とは?
長野県の郷土料理のおやきは、小麦粉を混ぜた生地でさまざまな具材を包んで焼いたもの。現在では、焼いたり蒸したりとその調理方法は、地域やお店によって異なります。
同店では、そば粉と米粉を混ぜ合わせて、特製の生地を作っています。そうすることで、舌触りが良く、モチっとした食感になるのだそう。余計な添加物を加えず、すべての工程を手作りするのが『倉田菓子舗』で長年守り続けてきたルールです。防腐剤を使わない代わりに梅酒を生地に混ぜているのも同店ならでは。
具材も一から手作りしています。信越地方で栽培されている“野沢菜”に、甘辛く味付けされた“茄子”、上田市内の山口地域の伝統野菜・山口大根を使用した“切り干し大根”の3つが売れ筋で、どれも優しい味わいが後を引きますよ。
ここでしか味わえないオリジナルのおやきも注目を集めています。それが、“バナナのおやき”です。熱することで甘みが増したバナナと自家製の餡子の相性が抜群で、ほのかに香るシナモンも絶妙です。洋風な印象を受けるスイーツ系のおやきは、一食の価値ありですよ。
地域で愛されているお団子
実は“お団子”もファンが多い同店。中には「倉田さんのお団子がなければお花見にならない」と話す昔馴染みの常連さんもいらっしゃるほどの人気ぶりです。同店のお団子は、添加物が入っていないため日持ちがせず、その日の販売分はその日の朝にすべて手作りしているといいます。いつ訪れても作りたてが並んでいるのはうれしいですね。
みたらしや餡子の定番をはじめ、爽やかな辛味が鼻をくすぐる“さんしょ”や長野県が生産量全国一の“くるみ”といった個性的な味わいも店頭に並びます。また、上田市出身の政治家で、建白七策にて二院制議会を唱えた赤松小三郎のお祭りでは、建白七策にちなんで7つの味のお団子を作っているのだとか。先ほどの4種類に加えて、きな粉・よもぎ・ごまの7つの団子が登場し、毎年多くの方がお祭りの会場にて買い求めていくそうです。
手作りを貫き、おやきを全国へ
80年以上にわたって“手作り”にこだわってきた同店では、今後も決して機械は使わず、手作業によるおやき作りを続けていきたいといいます。材料に関しても、原価が上がっても質を落とさず、“いいもの”を仕入れて、添加物は一切使用しない現在のスタイルを貫きたいのだそうです。
取材に応じてくださった倉田さんは「信州では馴染みの深い“おやき”ですが、県外の方にはまだまだ知られていないので、もっとおやき自体の認知度を高めていきたいですね。手作りで添加物を使用しない、昔ながらの“倉田のおやき”を、ぜひ食べていただきたいです。」と話してくださいました。
笑顔あふれる温かい接客も魅力
“お客さまを大切にしたい”との真心が感じられる接客もお店の魅力の一つになっていて、天気の悪い日に来店してくださった方へお団子をサービスする姿も見受けられます。
手作りのおやきやお団子、誠意にあふれた接客からは田舎ならではの温かさを感じることができますよ。ぜひみなさんも『倉田菓子舗』へ、足を運んでみてくださいね。
店舗名 | 倉田菓子舗 |
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住所 | 〒386-0012 長野県上田市中央4丁目6-18 |
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電話番号 | 026-822-1769 |
アクセス | 上田駅から徒歩15分、車で5分 |
営業時間 | 9:30〜16:30 |
定休日 | 毎月6、16、26日 |