【北海道・太平】この一杯に“ありがとう”と言いたい… 『麺や 亀陣』の自家製ラーメンが愛される秘訣

　札幌市民に愛されながら長年営業を続ける人気店『麺や 亀陣』をご存知ですか？麺も出汁も、全てを店主の髙木さんが手作りしている、手間ひまかかった一杯が評判のラーメン店です。
　開店当初から通っている常連さんや遠方からのラーメンファンなど、たくさんの方を惹きつけて止まない同店のラーメン。なかには「このラーメンを作ってくれて、ありがとう」と涙する方もいらっしゃるほど！何故こんなにも魅了されるお客さまがいらっしゃるのか…この一杯に込められた店主の想いに迫ります。

ラーメン職人の姿に憧れ

　『麺や 亀陣』は、JR学研都市線・太平駅から徒歩10分、地下鉄東豊線・栄町駅から徒歩15分ほどの場所に店を構えています。５台が停められる駐車場もあり、同店を目当てに遠方から訪れる方も珍しくありません。

　今では多くのお客さまから厚い支持を受けている、この人気店が誕生したのは2010年11月のことでした。
　それまで全く異なった業種の仕事についていた店主の髙木さん。奥さまのお父さまが営んでいた札幌ラーメン店へと、よく足を運んでいたそうです。そのなかで、ご自身が作ったラーメンでお客さまに喜んでもらっているお義父さまの姿を見て、尊敬の気持ちを抱くようになったといいます。やがて“いつかは自分もラーメン店を”との想いが強くなり、幼少期を過ごした馴染みの地域で『麺や 亀陣』をオープンするに至ったのです。

　「義父の姿に“かっこいい”と感じていました。自分も開店するなら、子供の頃にお世話になった皆さんにラーメンで恩返しがしたいと、札幌のなかでも東区のこの場所を選んだんです。」と髙木店主は当時を振り返ります。

麺もスープも自家製！

　お店のラーメンの特徴は、全て手作りだという点です。麺は北海道産の小麦で自家製にこだわり、メニューに合わせてストレートの細麺と、中太縮れ麺の２種類を店内で製麺しています。
　スープは化学調味料を使わず、素材の旨味だけで美味しくなるよう食材を大量に使用して作ります。昆布や鰹節といった魚介系のあっさり出汁、名古屋コーチンの鶏ガラと豚骨の動物系こってり出汁の２つを用意。
　このほか、トッピングのチャーシューや煮卵も含めた、全ての仕込みを前日から髙木店主お一人で担当しているといいます。

　「深夜までかかる仕込みを８年間毎日続けてきたのは、確かに大変でした。でも、ある日常連さんが“体を壊して食べたいものを食べられなかったが、こんなにおいしいものを食べさせてくれて、ありがとう”と涙を流してくださって。いろんな想いが重なり、思わず私も泣いてしまいましたね。」と髙木店主。

　正真正銘の美味しさを追求して努力を惜しまない髙木店主の想いや温かい人柄が、ラーメンの味に表現されていることが伝わってくるエピソードです。

定番に納得、限定にワクワク

　メニューは、定番の鶏白湯と鶏そば、季節ごとに期間限定の２・３種類のラーメンが並びます。鶏白湯と鶏そばは醤油と塩がありますが、人気はどちらも醤油味なのだとか。一押しの“鶏白湯醤油（750円）”は、自家製のストレート麺が濃厚なスープに程よく絡む、こってり系の一杯です。自家製の麺は弾力が強く、サクっパツっと跳ね返すような独特の食感で、濃厚なスープに引けを取らない個性を発揮しています。

　また、期間限定メニューにも注目が集まります。これまでには、自家製の海老油で作るラー油が隠し味の黒ゴマの坦々麺や、鰹の水揚げ日本一の静岡・焼津で親しまれている鰹節チップス入りのまぜそば、夏場に嬉しいさっぱりトマトラーメンといった、ユニークな一杯が登場し人気を博しました。“次はどんなラーメンがあるのかな”とワクワクした気持ちで来店される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

世代を越えて愛される一杯へ

　今後のお店づくりについて髙木オーナーは、「お一人できていた男性のお客さまが彼女を連れてきて、やがて結婚しお子さまも一緒に来店してくれるようになりました。世代を越えてきてくれるがうれしいです。これからも長く、おいしいラーメンを皆さんに食べていただきたいですね。」と話してくださいました。

　お客さまに喜んでもらうために時間を惜しまず丁寧にラーメンを作り続ける髙木店主。
　実直であたたかい人柄の店主だからこそ完成する味わいが、訪れる方を魅了するおいしさの秘訣かもしれませんね。みなさんもぜひ『麺や 亀陣』へ足を運んでみてください。