【沖縄・うるま】流行の服よりとっておきの似合う服を『Original Pattern SION』は洋服の素・型紙を販売するアパレル会社
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沖縄県うるま市に一風変わったアパレル会社があります。洋服のセミオーダーやフルオーダーを受注して服を製作する、いわゆる“仕立屋”なのですが、主力商品はなんとその素になる“型紙(パターン)”!そんな斬新なアパレル会社が今回ご紹介する『Original Pattern SION(オリジナルパターン・シオン)』です。
同社は個人のお客さまはもちろん、主に企業向けにオリジナルのパターンを製作して販売しています。
代表の安里さんに、同社を立ち上げた理由について、語っていただきました。
縫製よりもパターンづくりが好き
安里さんは高校卒業後、東京の文化服装学院のアパレル技術科に進学し、3年間パターンづくりの知識と技術を学びました。その後アパレル企業でパタンナーとして実践を積み、沖縄に帰郷後には、専門学校の講師のかたわら、洋服のオーダーの受注をはじめました。
個人の活動として2008年からネット通販で洋服の制作と販売を始めましたが、やがて規模が大きくなり、次第に自宅ではまかないまでに。そこで2015年に事業を法人化し、本格的にオーダーを受注できる体制を整えました。
専門技術と知識を身に着けた安里さん。よほど服をつくるのがお好きな方なのだろう…と思ってしまいますが、実はそうでもないようです。
「物づくりは好きですが、縫製が好きかというと、そんなに好きじゃないんです。それよりも興味があるのが服の構造を考えること。だからパターンを引く方が好きなんです。“どうやったら腕周りが良くなるか”とか。線一本で服のシルエットが変わるんですよ。ミシンという機械の構造も好きですね。“どうやったらミシンの調子が良くなるか。”そんなことを考えるのが好きなんです。」
そんな理由から、安里さんは服のオーダーメイドとパターンの販売を主力商品にしています。今までありそうでなかった斬新なアパレル企業。それが『Original Pattern SION』なのです。
パターンのみからフルオーダーメイドまで
『Original Pattern SION』では、さまざまなオーダーメイドに対応しています。パタンナーの安里さんにとって、パターンを企画提案するのが最も得意とする仕事。そのため、パターンのみの製作も承っています。
フルオーダーメイドはお客さまに来ていただき、採寸、仮縫い、修正を経て、本縫いで仕立てます。約3週間で企画から完成までは約3週間ほどだそう。また、コストを下げたい方には、あらかじめ用意されたパターンを使うセミオーダーもあります。注文には個人のお客さまから一般企業まで幅広く対応。アパレル企業が自社製品のパターン制作を依頼してくることも多いそうです。
「当社のパターンはあえてブランドイメージが付かないように、シンプルなデザインとなっています。ブランドのメーカーが自社に持ち帰って使いやすいようにするためです。現在は個人のお客さまより企業向けに制作することが多いですね。今後は生地屋さんとタイアップして、オリジナル生地の製作も考えています。」
ちなみに、現在は『The Pattern』というサイトを立ち上げ、パターン専門のネット通販も展開しています。「型紙をつくるのは苦手だけど、かっこいい服をつくってみたい!」という方は、ぜひ購入してみてください。わかりやすいイラストでつくり方を説明しているので、簡単にオリジナルのお洋服がつくれますよ。サイズもS~3Lまでと幅広いので、どのような方にも似合う服づくりができます。
基礎から学びたい方向けのワークショップ
安里さんは現在も講習会やワークショップなどで服のつくり方を教えています。自社の型紙でワンピースをつくったり、専門学校で父の日のシャツをつくったり。洋服の仕組みから学びたい人向けに、講義を行っています。
「いろんな人にパターンの良さを伝えていきたいと考えています。今までこんなパターン専門店はなかったでしょう?」
安里さんは後進の教育のために“アパレル生産組合”をつくり、メーカーと縫製職人のマッチングもしているそうです。『Original Pattern SION』でも、縫製スタッフを募集しているそうなので、腕に覚えがある方は問い合わせてみてください。
海外進出から沖縄に逆輸入して生産体制をつくりたい
今後のビジョンとしては、海外に生産ラインをつくり、服の大量生産の環境をつくりたいと考えているそうです。現在台湾に縫製工場を建設することを検討中なのだとか。そして、生産ラインが確立したら、沖縄に逆輸入して工場をつくりたいとも考えているようです。
「沖縄の縫製工場はかりゆしの生産ばかりで、受け入れられないんです。ぜひ自社でも服を生産したいですね。」
“あなたらしさ”を活かした服を提案
安里さんに譲れないこだわりをうかがうと、こんな答えが返ってきました。
「個人のお客さまの依頼では、“こんな服が着たい”というイメージを持ち込まれることが多いんです。流行の服や、着やすさを重視したような。でも、私は“その人らしい服”を提案するんです。お客さまの言いなりにはなりません。お客さまがより美しく見えるアイデアを企画し提案します。」
服の見た目や流行より、構造を考える安里さんらしい考え方ですね。同社のパターンはシンプルで基本的なパターンなので、流行に流されず10年先も20年先も使える不変のものです。使用する生地やアレンジで、無限通りの広がりを見せる、使いやすいパターン。それが、『Original Pattern SION』のパターンの強みです。
「洋服のデザインより、自分自身と向き合って似合う服を探してください。私たちはそのお手伝いをします。服を通じて、自分探しをしてもらえたらいいですね。」
服に対するイメージを覆される、“構造”に着目したアパレル会社『Original Pattern SION』。あなたのためだけの、着やすい、アレンジしやすい、綺麗に見える最高の一着をつくってみませんか?
店舗名 | Original Pattern SION |
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住所 | 沖縄県うるま市みどり町1-4-13 コーポ糸満103 |
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電話番号 | 098-974-4760 |
アクセス | 琉球バス交通 赤野バス停留所から徒歩3分 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 土日・祝日 |
ホームページ | http://original-pattern.com/ |
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