【北海道・野幌】“おかえりなさい”と“いってらっしゃい”。『ちいさな居酒屋 おうち』は一日の疲れを忘れさせてくれるお店

　野幌駅から徒歩6分のところにある『ちいさな居酒屋 おうち』は、“いらっしゃいませ”ではなく、いつでも“おかえりなさい”と迎えてくれる温かいお店。長居したくなるほど安らげるこちらのお店でいただけるのは、ママ手作りの日替わり総菜。仕事帰りには、いつものように仲間と街に繰り出すのもいいけれど、たまには一人で、粋な時間を楽しむのも素敵です。疲れた日にも、何でもない日にも、ついつい寄り道したくなるお店です。

ご主人とお客様とともに幸せな毎日

　お話を伺ったのは、オーナーの稲見さん。笑顔が可愛らしい素敵なママです。2016年9月8日に『ちいさな居酒屋 おうち』をオープンする以前も、他の方と共同で居酒屋を経営していました。
　「もちろんお料理も好きなんだけど、やっぱり接客が楽しくて。居酒屋は他のお店と違って、お客様との距離が近いでしょ？料理を作って、出して、食べてもらって、喜ぶ顔が間近で見られるのって嬉しいですね。カウンター越しに何気ないお話ができて楽しいし。こういう細やかなコミュニケーションって、居酒屋だからこそできると思うんです。」

　同店のある野幌は、若いころに働いていたこともあり、街中にたくさん知り合いがいると稲見オーナーは話します。
　「なじみのある街だし、お店を出すならここがいいかなって。今は主人も一緒にお店に立ってくれています。」
　ゆかりのある地に戻り、ご主人と二人でお店を切り盛りするささやかな幸せ。それが、お店のやりがいに繋がっているのですね。

いつも新鮮な顔ぶれ。手作りお惣菜の数々

　『ちいさな居酒屋 おうち』では、前のお店で人気だった定番メニューと、日替わりのおすすめ料理がいただけます。好きなだけケチャップをかけられるオムレツ、ふっくら優しく結んだおにぎりなど、どれもお母さんを思い出す“おうち”の味です。訪れるお客様には、それぞれお気に入りの一品があるそうですよ。
　お店オリジナルの“おうちザンギ”は、タレから仕込むこだわりの逸品です。サクッと揚がったジューシーなザンギは、ビールにもぴったり。疲れもたちまち吹き飛びそうですね。

　滑らかで優しい舌触りの手作り豆腐、厚切りが嬉しいサクサクのハムカツなど、迷いだしたらきりがない魅力的なメニューが揃います。
　日替わりメニューは食材が切れ次第、次の料理が登場するので、何度通っても楽しみが尽きません。常連さんも満足の嬉しい心遣いです。中でも稲見オーナーの一押しは、“牛すじの赤みそ煮”。愛情込めてことこと煮込んだ牛すじは、トロトロの柔らかさが自慢です。素朴で懐かしい味わいが癖になりますよ。

　「自宅が近くにあるので、午前中に仕込みをしてお店に持ってきます。ここでしかできない作業もあるから、お料理は両方の台所で作っているんです。」と稲見オーナー。お客様の笑顔が見たくて、毎日せっせと腕を振るいます。寒くなる秋冬には鍋料理など、献立で季節を感じられる工夫をしているそうです。

「おかえりなさい」と迎えてくれる安らぎの空間

　落ち着いたシックな雰囲気が魅力の同店。お客様は30代半ばから70代の方が多く、“大人がゆったり楽しめる居酒屋”をモットーに営業しています。
　「私たちは、“いらっしゃいませ”とは言いません。お客様には“おかえりなさい”、お帰りのときは“いってらっしゃい！”とお声かけしています。自分の家のように、気兼ねなくくつろいでいただければ嬉しいですね。」と稲見オーナー。　
　店内は黒を基調にした、居心地の良い和の空間です。“お客様に、足を伸ばしてくつろげるスペースを”そんな想いから店舗を全面改装し、掘りごたつの小上がり席も完備しています。広々とした宴会場はないけれど、少人数の宴会も承っているとのこと。

疲れを癒しに、ふらっと寄れるお店

　「お酒に関しては、種類はたくさん置いていないけど、皆さんお気に入りの銘柄があって、ボトルキープされてる方が多いですね。お通しをつまみながら一杯だけ飲んで、“じゃ、また～”なんて方もいますよ。」
　気軽に立ち寄り、おしゃべりを楽しんで、家路につく。お客様にとって『ちいさな居酒屋 おうち』は、一日の疲れを忘れさせてくれる、第二の家のようなお店なのですね。

　店舗展開はせず、この場所で愛されながら長く続けていきたいと話す稲見オーナー。お客様との一期一会の出会いを大切に、お店に立っています。
　「どうぞ肩ひじ張らずに、自分の家で晩酌するみたいにくつろいで下さいね。」とお客様へのメッセージをいただきました。

　手作り料理をつまみつつ、他愛ないおしゃべりに花が咲く『ちいさな居酒屋 おうち』。一度暖簾をくぐればあなたも、その日から常連さんの仲間入りです。